野毛に「入口の暗号を解かないと入れない」謎のバーがあるって本当?
ココがキニナル!
野毛のダイニングバー「無頼船」の2Fで営業している名前もわからないBar。入り口に置かれている電話にある番号を入力しないとドアが開かないらしい。調査お願いします。(横浜泥酔男さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
入口の電話は指定の番号を入力しないとドアが開かない仕組み。番号は電話機に書いてある。店名は「One Many」であった。
ライター:秋山 千花
度重なる原稿締切破りが原因だろうか?
かわいい相棒、編集部・松山氏からいきなり絶縁状が送られて来た。
「次回から秋山さんの担当は小島になります」
まさかの担当シャッフル。けっこうかわいがっていたつもりだったのだが、筆者の愛はまるで彼には届いていなかったもよう。
そんなわけで、新たな相棒は編集部・小島“ノブナリ”頼輝です
腹黒男から一変。見よ、この一点の曇りもないまっすぐな瞳!
あまりにもまっすぐ過ぎるその瞳が逆に恐怖すら感じさせなくもないが、まずはひとつお手合わせをということで、さっそく新コンビで調査を開始。
「松山? そんな男もいたわよね」と、通り過ぎていった男を想いながら今宵は一杯、新たな相棒とキニナル野毛のバーを訪問することに。いざ!
投稿があった名前がわからないバーへ
筆者を棄てた男が「俺の庭」と豪語していた野毛界わい
投稿によると「キニナル」バーは、過去にはまれぽでも何度かお世話になっている野毛の名物バー「無頼船」の2階にあるとのこと。
あの男もよく「無頼船」の話をしてたっけ・・・
「名前もわからないBar」とのことだったが、いえいえどうして。階段下には大人のバーを思わせるすっきりとシンプルでオシャレな看板。
「One Many」。それが、店名のよう
店名横に書かれた「RUM」の文字から、この店の売りがサトウキビで作られているラム酒であることは一目瞭然。
3階にはガールズバーがあるようで、階段周りはなんとなくパラダイス
でも、階段はちょっと薄暗くて隠れ家的
入り口にトリックがあるバーとのことで、謎解きへの意欲は充分、気分は片平な●さ状態で階段を登る2時間サスペンスドラマ好きの筆者。「電話って何だろう?」「ある数字って何だろう?」と、頭の中は「?」だらけで、ドッキドキのワックワクである。
と、その時だ・・・
「電話の真ん中にダイヤル0って書いてあるからすぐ分かりますよ!」
と、すでに下見済みの偽成君からまさかの衝撃発言!
なんと、この男!?
取材前にネタをばらすという驚きの大失態。しかも、その表情はまるで悪気のない満面の笑顔。
ああ、悪意なき善良ピュア人間の罪深さよ・・・
そんなわけで、この扉はダイヤル0で開くそうです
初見の方には、謎解きの楽しみが満載なこの不思議な空間。
答えを知らなければ、きっとこんな風に・・・
いろいろ試して、楽しめたんだろうな
「違う番号を回してみてくださいよ~、秋山さん」と独り楽しげな偽成が何とも憎らしい。
「Dial 0(ゼロ)」、それがこのトリックの答えです
とはいえ、答えを知っていても充分に魅力的なOne Many(ワンメニー)のエントランス。一見さんでも大丈夫? と、少々不安になる店構えではあるが、さっそく中に入ってみることに。
しつこいようですが、「Dial 0(ゼロ)」で開きます
一見するとただのボックス型の空間。ロックが外れると扉となるのは右側の側面。
なんだか、こっそり隠れながら急いで入りたくなります
扉を抜けると、そこは仄(ほの)かな明かりがひとつぼんやりと浮かぶだけの小さな廊下。そこを手探りで進むと左手に見えるのが・・・
鍵のぶら下がった引き戸の取手
ワンステップ、ツーステップと焦らされる仕組みに、店内への期待はますます大きくなる。
恋もバーも簡単にたどり着けない感じがいいよね・・・
いざ! 店内へ
勇気を振り絞って、あなたの扉を開きます!
じゃじゃん! あっ・・・好き・・・
焦らしに焦らされた末にたどり着いた店内は、これぞまさしく大人の隠れ家とでも言うべきムーディーな空間。静かに流れるスタンダードジャズが、担当編集者に逃げられたセンチメンタルジャーニーな女の心を優しく慰める。
女性バーテンダー・まみさん(20歳)の優しい笑顔にも癒されます
店内はカウンター10席と・・・
ボックス席がひとつ
決して広くはないけれど、すっきりと片付けられた店内は、スタッフとの距離感も心地よい絶妙の広さ。
カウンター内や、店内奥のスペースに所狭しと並べられるお酒も、充実の品ぞろえで実に魅力的。
なかなかの・・・? 品ぞろえ・・・?
ん? なんだ? 見たこともないお酒がいっぱい?
筆者、同い年の素人女性の中では恐らくお酒には詳しい方じゃないかとの自負はあったのだが、ここにあるのはどれもこれも見知らぬ酒瓶だらけ。
それもそのはず。なんと、同店の店内に並ぶ酒瓶は、そのほとんどがラムのものなのだとか。
なるほど、看板にあったように「One Many」はラムを中心に展開するちょっと珍しいバーのよう。その品ぞろえは、なんとラムだけで400種類にものぼるというから驚きである。
そんなたくさんのラムの中から、まみさんがオススメするのがこちら
「甘いお酒はあまり好きじゃないんですが、ラムは甘めのものが好きなんです」と選んでくれた写真の2種は、ドミニカ共和国産のマッサレムラム23年(左:900円)とベネズエラ産のディプロマティコ・リゼルヴァ・イクスクルーシヴァ12年(900円)。
もちろん、こちらも筆者初対面。
と、ここで「甘めのラム」というまみさんの言葉になんとなく違和感を覚えた筆者。そもそもラムって甘いお酒なんじゃないの?
すると、少し遅れて登場した格闘家のようなこちらの男性から意外な一言
いわく「ラムは味の幅が一番広いお酒なんですよ」とのこと。
男性によると、ラムは甘いものから辛口のものまで種類も味の幅も一番多いスピリッツなのだとか。