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街の花から天然ハチミツを。横浜市内のビル屋上で行われている「都市養蜂」に密着レポート!

ココがキニナル!

「Hama Boom Boom!」という団体さんが、関内のオフィスビル屋上でハチミツ作りをしているそうです。活動現場の様子や横浜産のハチミツの味などを知りたいです。(takedaiwaさん/だいさん)

はまれぽ調査結果!

都市養蜂で街づくりを推進する「Hama Boom Boom!プロジェクト」と協働し、横浜市内の企業・大学などで養蜂活動を展開している。

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ライター:菱沼 真理奈

「Hama Boom Boom!プロジェクト」って何??



ここ近年、都会でミツバチを飼う「都市養蜂」が注目を集めているようだ。東京・銀座のビル屋上で養蜂が行われているのは知っていたが、なんと横浜の街ナカでもハチミツが作られていたとは・・・横浜市民の筆者も初耳でした。

ということで、まずは投稿いただいた「Hama Boom Boom!(ハマブンブン)」の養蜂プロジェクトについてリサーチ。同団体の代表・岡田信行(おかだ・のぶゆき)さんに、プロジェクトの趣旨や活動内容などを伺った。
 


街の花壇でブンブンブ~ン!


Hama Boom Boom!は「ひと・まち・環境」をつなげ、都市に新たな価値を創造することを目指す非営利団体である。横浜の新しい構想計画や空間政策を立案する「UDCY(Urban Design Center Yokohama)横浜アーバンデザイン研究機構」のパイロット事業として『Hama Boom Boom!プロジェクト』と題した養蜂活動を2008(平成20)年から展開している。
 


仕事でも都市空間のプランニングなどを手がける岡田さん
 

ひと・まち・環境をつなげる、新たな都市構想のプロジェクトを展開(『Hama Boom Boom!』ホームページより)


「プロジェクトの立案に当たっては、緑を作ることを目的とするのではなく、いかに緑を手段として楽しめるかをテーマに考え、花を原料にできるハチミツ作りというアイデアが浮かびました。街でミツバチを飼うことを楽しみながら、ミツバチ目線で都市の環境を感じ、養蜂を通じて人と人とが結びつき、ハチミツを活用することで街の活性化にもつながると思ったんです」と岡田さんは話す。
 


ミツバチから見える「つながり」のカタチ(『Hama Boom Boom!』ホームページより)


「Hama Boom Boom!」というユニークなネーミングには、ミツバチの羽音「ブンブン」と、面白いことで街の中のつながりを広げ「Hama(横浜)にBoom(ブーム・活気)をもたらしたい」という思いが込められているそうだ。
 


プロジェクトのテーマは「オモロイことでつながろう!」(『Hama Boom Boom!』ホームページより)


こうして2008(平成20)年にプロジェクトがスタートしてから、中区の「NTT東日本 神奈川事業部」や青葉区の国学院大学など、横浜市内の企業や団体、学校などを拠点とした養蜂活動のネットワークを展開。

プロから養蜂の技術を学んだ岡田さんが、各拠点のメンバー(社員、学生、市民など)に技術指導を行いながら、養蜂を通して地域の皆さんや街とのつながりを広げる活動を支援している。
 


養蜂を通じた街づくりのシンポジウムも開催


「それぞれの目的を持ってプロジェクトに賛同くださったメンバーの皆さんへ、養蜂という手段を提供するのが私の役目。あくまでも主役はメンバーの皆さんです」と岡田さんは話す。
 


岡田さんは週末や休日に各拠点を訪れて、養蜂の技術指導に当たっている


さらに、養蜂にはちょっとした危なさ・怖さ(注意していないとミツバチに刺される)が伴うため、そのリスクをメンバー同士で共有し、同じ意識やベクトルを持って活動することで、より一体感が深まるという。

「刺されるという恐怖や危険があるからこそ、全員が一致団結して本気で作業するわけです。危ないことを徹底的に排除する現代社会にあって、これはなかなか体験できないことだと思いますよ」と岡田さん。
 


「リスクを共有するとこで一体感も深まる」と岡田さん


確かにそう、危険を排除してばかりいると「危険をいかに回避するか、危険に陥ったらどうするか」といった知恵や、リスクに本気で立ち向かうサバイバル力も身に付かない。ミツバチを育てる養蜂って、逆に人も育ててくれるんですね。



「Hama Boom Boom!プロジェクト」の活動とは?



ではさっそく「Hama Boom Boom!プロジェクト」の一拠点(株)NTT東日本 神奈川事業部で行われている、養蜂活動の様子を紹介しよう。
同社のオフィスビルは、横浜スタジアムのすぐ目の前、横浜中華街の玄武門(北門)横にある。まさに横浜の要となる都心部だ。
 


中華街の玄武門横にあるNTT横浜ビルの屋上で養蜂が行われている


取材に応じてくださったのは、同社総務部・総務担当(環境・社会貢献グループ)担当課長の秋山桂子(あきやま・けいこ)さん。まずは「Hama Boom Boom!プロジェクト」と協働して、養蜂活動を始めるに至った経緯を伺った。
 


同社の養蜂活動を運営管理・サポートする秋山さん


「情報通信事業を手がける当社は、ICT(Information and Communications Technology)を通じて、街づくりや地域活性化、環境保全に貢献する取り組みを推進しています。そうした中、都市養蜂を行っている岡田さんの活動を知り、街の活性化へのアプローチは違っても、街づくりに対する思いは一緒だと賛同しました」

「それがきっかけで、2012(平成24)年4月より『Hama Boom Boom!プロジェクト@NTT東日本 神奈川』という社員サークルを立ち上げ、当社ビルの屋上で養蜂活動をスタートさせました」と秋山さんは話す。
 


ICTによって街の活性化や環境保全に取り組む同社


養蜂活動には、養蜂に興味を持った20~30名の社員の皆さんが、ボランティアでサークルに参加。岡田さんの技術指導のもと、ミツバチの世話やハチミツを採る採蜜作業を土曜日に行っている。

サークルメンバーの年齢は20~60歳代と幅広く、所属する部署も肩書きもさまざま。なかには、自主的に養蜂やミツバチの勉強をしたり、定年退職後も参加する熱心なメンバーもいるそうだ。
 


サークル発足当時のメンバーの皆さん


「メンバーからは、街の花や緑を大切にする意識が高まったという声とともに、社員同士でコミュニケーションを取りながら活動することで、部署や年齢を超えて親交が深まったという声も多く聞かれます」

「普段の業務ではこうした機会があまりないので、社員同士の新たなつながりの場となったようです。これも『Hama Boom Boom!プロジェクト』の『つながりを広げる』という効果なのでしょうね」と秋山さん。
 


共同作業しながら、部署や年齢を超えて親交が深まる


ミツバチはおよそ半径2kmの範囲から蜜を集めてくるので、ここのビルだと近隣の横浜公園や山下公園、港の見える丘公園、野毛山などもエリアに含まれる。時期や地域によって咲く花が変わってくるため、採れるハチミツの味・色・香りも変わってくるのが面白いところだ。

秋山さんによると、春の桜がメインのハチミツはサラッとした淡麗な風味、夏に咲くトチやクヌギの花のハチミツは色が濃くて濃厚な味わいだそう。
 


こんなに広い範囲から蜜を集めてくる


こちらが2014(平成26)年の春に採蜜したハチミツ。採れたままの(非加熱・無添加・無加工)純度100%の天然ハチミツだ。
 


横浜都心部の春の花々から作られたハチミツ。淡い色合いが美しい


舐めてみると、サラリとしたみずみずしい食感で、甘さはどこまでも素直でナチュラル。ほのかに桜が香る優しい味わいに、初春のそよ風を感じます。

ミツバチが一生(約50日)の間に集めるハチミツは、ティースプーン1杯程度(約4~5グラム)というから、これがいかに貴重なものかおわかりいただけるだろう。
 


こちらのミニボトルには、約65グラムのハチミツが入っている


ミツバチの活動期(5~9月ごろ)には採蜜を週1回のペースで行い、年間に約150~200kgのハチミツが採れるという。

ただし、企業として営利目的で活動しているわけではないため、採れたハチミツは直接販売はしていない。ハチミツの半分は岡田さんに託して街づくりの活動に生かしてもらい、残りの半分は社員に配ったり、社員食堂のメニューに活用したりしているそうだ。
 


社員食堂のスペシャルメニュー「チキンステーキ 蜂蜜ジンジャーソース」