「ちょっと口を引っ張って『金沢文庫』って言ってみて！」

この子ども心をくすぐる、少しお下品なイタズラを小学校時代にやったことがある人も多いのではないだろうか。「かなざわう〇こ」と言ってしまい、恥ずかしい思いをした方も、1人や2人ではないはずだ。
　

鎌倉時代は「かねさわぶんこ」と呼ばれていた金沢文庫
　

しかし横浜市身は皆、この遊びをするとき「金沢」文庫だったのだろうか。もしかしたら「学級」文庫の方が多数派を占める区もあるかもしれない。そこで横浜全区の出身者を抽出して、真相を探ってみることにした。
　

横浜駅周辺で突撃インタビュー

今回、横浜出身者としたのは15歳まで横浜市内で過ごした方とした。またインタビューを行ったエリアは、多くの人が集まる「横浜駅」と「イセザキ・モール」、そして「金沢文庫」という遊びの名前のもとになっていると思われる「金沢文庫駅」周辺である。
　

まず調査した場所
　

まずは多くの横浜市民が集まる横浜駅周辺で「かなざわう〇こ」の実態を掴んでみることにした。早速、恒例の相鉄線改札付近で調査開始！
　

あなたの答えはどっち？
　

本調査一発目のインタビューに応えてくれたのは、西区出身のタナカさんと中区出身のホリイケさんである。タナカさんが「金沢文庫でしたね」と答える横で 「え～何それ、初めて知ったんだけど」と驚愕するホリイケさん。なんと！　最近の20代の若者は、この遊びそのものを知らないらしい。そこで強風に負け ず、一緒に「かなざわう〇こ」のポーズで記念撮影をすることにした。
　

タナカさん（左）とホリイケさん、ご協力ありがとうございました！
　

続いては、鶴見区出身のサイガさんと都筑区出身のサカモトさんのお二人に話を聞いてみた。するとサイガさんが「金沢文庫」で、サカモトさんが「学級文庫」という結果に。

どうやら横浜市民の全てが「金沢文庫」ではないらしい。ちなみに「学級文庫」と答えてくれたサカモトさんは「『金沢文庫』は、あまり聞いたことないです ね」とのこと。もしかしたら区によって傾向が分かれるのかもしれない。サイガさん（左）とサカモトさん、ご協力ありがとうございました。
　

突撃インタビューに応じてくれて、ありがとう！
　

そんな中、この遊びに関する貴重なエピソードを聞かせてくれる人物が登場した。その方こそ神奈川区ご出身のミハラさんである。
　

貴重なエピソードを聞かせていただき、ありがとうございます！
　

「小学校3年生か4年生の遠足が、野毛山動物園だったんだよね。その時、クラスメイトの一人が『お前、口を横に引っ張って金沢文庫って言ってみろよ』と言って、一気に流行ったんです」。

なんと50年以上前には既にこの遊びが行われていて、しかも「金沢文庫」だったとは。「かなざわう〇こ」は、かなり古いイタズラであると判明した。貴重なコメントをいただきまして、ありがとうございます！

その後、横浜駅東口や、きた西口を巡りインタビューを敢行。さまざまな意見を聞く中で、横浜駅西口ダイヤモンド地下街前では10代の学生に会うことができた。最近の現役学生は「金沢文庫」と「学級文庫」のどちらで遊んでいたのだろうか。
　

横浜市内の高校生にも話を聞きました！
　

横浜市内の高校に通う学生は、港南区の方が「金沢文庫」と答えるものの、泉区、戸塚区、緑区の方は「学級文庫」との結果に。

また神奈川区の中学生も「学級文庫しか知らないです」と答えるなど、10代の若者を中心に「学級文庫」が票を集めることになった。
　

中学生たちも一斉に「学級文庫」の方にシールを貼りだす
　

また、横浜駅東口周辺では北海道から修学旅行に来た学生たちにもインタビュー。「学級文庫という遊び、知っている？」と聞くと、みんな口をそろえ て「知らない！」との返答。このイタズラは、北海道ではメジャーではないのだろうか。修学旅行中に、インタビューに応えてくれてありがとうございました。
　

横浜観光を楽しんでください！
　

一方で、横浜駅西口付近でインタビューすることができた80代の男性から「私たちのときは、金沢文庫ってやって遊んでいたね」との声をいただくなど、年齢が上がるほど「金沢文庫」の割合が高くなった。

また、複数人の声が聞けた区の傾向から見ると、磯子区や鶴見区など沿岸区や市内南側の区で「金沢文庫」と答える方が多かった。
　

30代以上の方の声もいただきました
　

途中結果では拮抗している横浜駅での調査
　

以上で、横浜駅周辺の結果をまとめると、下記の表の通りとなる。
　　

横浜駅周辺のインタビュー結果
　

横浜駅周辺では全18区中、12区の出身者の声を聞くことができた。結果は30名中、14名が「金沢文庫」、13名が「学級文庫」となり拮抗状態。しかし共通して見られた特徴として、遊んでいた時期が小学校3～４年生ごろで、男女での差異がないということだ。

それでは次に、地元の人が多く集まるイセザキ・モールでも調査を行ってみることにした。