総額約430億円! 川崎市が本庁舎を建て替えるって本当!?
ココがキニナル!
川崎市が市庁舎の建て替え基本計画案を発表したけど、建て替えの理由や完成時期は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
老朽化による耐震性能の問題から建て替えを実施。最短で2018年度までに設計を終了し、2022年度中の完成を目指す。総工費は約430億円の予定
ライター:はまれぽ編集部
事業費約430億円!
川崎市は現在の本庁舎の解体・建て替えの方針を盛り込んだ基本計画案を公表した。概算事業費は約430億円で、2022年度の完成を目指す。
延べ床面積は6万3900平方メートルで、地下2階建てにして計約160台分の駐車場を確保する。地上は羽田空港との関係から航空法の制限があるため高さ116メートル未満とする。
新市庁舎の完成イメージ(川崎市ホームページより)
なぜ市庁舎の建て替えを行うのか。建て替えのスケジュールなども含め、川崎市総務局本庁舎等建替準備室の和田忠也(わだ・ただなり)室長と市川浩章(いちかわ・ひろあき)担当係長に聞いた。
現在の川崎市役所の本庁機能は4棟の既存庁舎と8棟の民間賃借ビルの計12棟に及び、約3400人の職員が業務に従事している。
現在の本庁舎
川崎駅前の民間ビルには建設緑政局が2フロア入居している
和田室長によると、民間ビルの賃料は年間約10億円に上るといい、財政上の負担となっている。このため、基本計画案では既存庁舎を新市庁舎と、本庁舎の向かいにある1993(平成5)年に竣工した「第3庁舎」に集約。
2031年度まで契約が残る「川崎御幸ビル」以外は、民間ビルから新市庁舎に機能を移しすことで、賃料を約1億円まで圧縮できると試算している。これによって既存庁舎と民間ビルは12棟から3棟になる。
機能と職員数の集約イメージ
市民の利便性や業務効率の向上、財政圧縮はもちろんだが、建て替えのもっと大きな理由は本庁舎の耐震性能にあるという。
川崎市役所本庁舎が竣工したのは1938(昭和13)年2月で、その後1959(昭和34)年8月に北館を増築。主に議会など行う第2庁舎も1961(昭和36)年8月の竣工で、築54~77年(2015<平成27年10月時点>)となっており、いずれも災害対策活動の中枢拠点として求められる耐震性能を満たしていないことが分かっている。
既存庁舎の築年数
このうち、北館を含む本庁舎は構造上の問題から耐震工事の実施が困難なことに加え、人命の安全確保のために最低限必要な耐震性能を満たしていないことから、市は2015年度末までに使用を停止した上で、その後、早期に解体することを決めている。
解体が決まっている本庁舎
第2庁舎については、耐震工事は可能。しかし、災害対策活動拠点に求められる耐震性能を満たすためには施設利用が大きく制限されため、暫定的に必要最低限の耐震補強をしている現状だという。
第2庁舎は「暫定的」な耐震補強工事
今回の基本計画案は、これらの問題を踏まえたものとなっている。