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鎌倉にひっそりと存在する、資産家が妾に会いにいくために掘った「お妾トンネル」について教えて!

ココがキニナル!

鎌倉に小町と大町をつなぐ「宝戒寺トンネル」というトンネルがあります。資産家が妾に会いに行くために掘ったことから「お妾トンネル」といわれているらしくて、本当なのかキニナル(まさしさん)

はまれぽ調査結果!

宝戒寺トンネルは大町の加藤さんが隣りの小町と楽に行き来出来るよう昭和初期に掘った。加藤さんのご子息も「妾さんの通い道」と呼んでいたようだ。

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ライター:橘 アリー

どのようなトンネルなのだろうか?



数々の歴史の舞台となっている古都、鎌倉には、さまざまな言い伝えがある。
今回は、そんな言い伝えの一つになるであろうか・・・「お妾さんトンネル」という異名を持つ「宝戒寺(ほうかいじ)トンネル」について。

キニナル投稿にあるように“資産家の方がお妾さんに会いに行くために掘った”とされているとなると、それほど古い話では無いと思えるが、確認のため・・・
 


鎌倉市役所の文化財課に問い合わせてみた


すると、やはりというか、文化財として指定されているトンネルの中に「宝戒寺トンネル」は無かった。

続いて、鎌倉市道路局に聞いてみると、道路局に残っている資料は1994(平成6)年にまとめた道路台帳だけで、トンネルをいつ誰が掘ったのかは不明であった。ただトンネルの正式名称が「宝戒寺隧道(ずいどう)」ということがここで明らかとなった。以下は正式名称の通り「宝戒寺隧道」とすることに。

名称のほかに分かっていることは、起点が小町3-11で終点は記載なし、延長75メートル、幅2.7メートル、高さ2.82メートル、掘削方法は素掘り、という程度。
 


素掘りトンネルのイメージ(フリー画像より)


続いて、小町の歴史について書かれた「鎌倉こまち今昔(いまむかし)」という資料を企画出版した株式会社カトレヤに「宝戒寺隧道」に関してお話を伺ってみることに。
 


株式会社カトレヤの高柳英磨(たかやなぎ・ひでまろ)さん


小町の歴史に詳しい高柳さんに「宝戒寺隧道」について伺ってみたが、歴史的な云われなどは特に無いと伝えられた。残念ながらここで「宝戒寺隧道」に関しての歴史的なお話を聞くことはできなかった。

道路局の台帳には「宝戒寺隧道」の起点は小町3-11となっていたが、地図には隧道の名前の記載がない。そこで高柳さんに詳細な場所を教えていただくことに。

高柳さんから教えていただいた場所を地図で確認すると・・・
 


青丸内のオレンジの所が宝戒寺隧道。赤丸が宝戒寺


宝戒寺は、ホームページによると、金龍山釈満院円頓宝戒寺(きんりゅうざんしゃくまんいんえんどんほうかいじ)と言い、後醍醐天皇の命をうけた足利尊氏により、北条氏の霊を弔うために建てられたお寺である。

地図で見ると隧道とお寺は少し離れているが、なぜこのお寺の名前がついているのだろうか・・・
 


宝戒寺で伺ってみた


事務のお話では「隧道の近くに宝戒寺のお墓もあり、近辺一帯は宝戒寺の土地であるので宝戒寺の名前がついているのであろう」とのこと。なお、隧道がいつごろ、誰が掘ったのかについては資料なども残っておらず、住職も分からないそうだ。

次に、宝戒寺を後にして宝戒寺隧道を確認することに。
 


宝戒寺がある通りから祇園山ハイキングコース方面へ進み
 

滑川(なめりがわ)に架かる
 

1924(大正13)年に造られた東勝寺橋(とうしょうじばし)を渡り


2つ目の路地を右折して・・・

 


「トンネルが狭いのでご注意!」と書かれた看板を横目に見ながら坂道をさらに上り 
 

右側にある宝戒寺の墓地の横を通って進んでいくと、ほどなく
 

宝戒寺隧道が見えて来る
 

隧道の手前横には「歴史的風土妙本寺衣張山特別保存地区」と書かれた看板がある


隧道自体は歴史的な建造物では無いようだが、隧道がある近辺は歴史的風土として保存対象になっているようだ。

なお、看板には衣張山(きぬばりやま)と書かれているが、この隧道がある山は祇園山(ぎおんやま)で隧道の上が祇園山ハイキングコースの一部となっている。
 


では、宝戒寺隧道の中へ
 

狭いが、壁面はきれいに補修されている
 

入ってすぐ振り返ると、こんな感じ
 

歩くとけっこう長く感じる
 

両方向から車の通行ができるので、通行にはご注意を
 

徒歩110歩で出口に到着!


道路局の台帳にあったように、宝戒寺隧道の起点は小町3-11で、隧道全体は小町にあり、隧道を抜けた先数メートルのところから大町3丁目になる。
 


大町側から


小町と大町をつなぐように掘られたこの宝戒寺隧道は、歩いてみるとけっこう長く感じられた。これを掘るのは、さぞ大変だったのではないだろうか。

はたして、誰が何のためにこの隧道を掘ったのか、隧道でつながれている小町と大町でお話を伺うことに。