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横浜市の中学教科書が一本化される問題とは?

ココがキニナル!

横浜市の中学生が使う歴史と公民の教科書が、来年度から育鵬社のものに一本化されることが話題になっているが、何か問題があるの?

はまれぽ調査結果!

歴史観・国家観が、戦後の民主主義・平和主義の教育と違うのが問題だ。教育の保守・反動化の最大の動きとして全国的にも注目されている。

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ライター:中北 宏八

教科書選択の仕組み



義務教育である小中学校の教科書は、国の負担で子ども達に無償で配られている。

戦前(アジア太平洋戦争以前)は国定教科書といって、全国で同じ教科書を使っていたが、画一的な教育が軍国主義に結びついたという反省から、戦後は教科ごとにいろんな教科書が作られるようになった。

といっても、文部科学省の検定を通った教科書を使うのだが、教科ごとに数種類ずつある中からどれを選ぶかは、国立や私立とは違う一般の公立学校ではそれぞれの地域の教育委員会が決めることになった。

この「採択」が、小中学校では4年ごとに行われることになっており、横浜市では来年度から4年間にわたって使う教科書が、8月4日の教育委員会で決まった。
 


横浜市の公立中学校で来年度から使用される教科書一覧

 
数学や理科では、教科書の内容について議論が対立することは少なかったが、歴史については、どういう事実をどう教えるかで早くから議論が続いてきた。

中学の歴史教科書が問題になったのは、藤岡信勝、西尾幹二氏らが1996年末に「新しい歴史教科書をつくる会」(略称:つくる会)を立ち上げ、既存の歴史教科書を「必要以上に日本をおとしめる自虐史観に毒されている」と批判しだしてからだ。

この人たちは、産経新聞を中心に持論を展開し、フジサンケイグループ傘下の扶桑社から2001年、2005年に「新しい歴史教科書」「新しい公民教科書」を出した。

ただしこれらの教科書が全国の教育委員会で採択されることは極めて少なく、「つくる会」も分裂して、自由社という会社から同じような内容の教科書を出した。最近は扶桑社の教科書も子会社の育鵬社発行に変わった。
 


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