藤沢市で自動走行した「ロボットタクシー」、実用化は?
ココがキニナル!
藤沢市で無人タクシーの実証実験を来年にも始めるそう。人口減少、高齢化社会に向けて期待。関係者へのインタビューや現地リポートをお願いします(たこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2月29日から3月11日まで行われた実証実験では、無事故で、乗車した人からも、おおむね高評価。2020年の完全無人自動走行を目指す
ライター:はまれぽ編集部
公道で無人自動走行!
「さがみロボット産業特区」を進める神奈川県とソーシャルゲーム大手の株式会社ディー・エヌ・エーの子会社で、自動走行タクシーの事業化を目指す「ロボットタクシー株式会社」(東京都渋谷区)は2016(平成28)年3月25日、藤沢市の公道で実施した自動走行タクシーによる実証実験の結果を公表した。
実験に使われた「ロボットタクシー」
実証実験は同年2月29日から3月11日まで実施。湘南ライフタウン「中央けやき通り」の「北部バスロータリー」(藤沢市遠藤)から「イオン藤沢店」(同市大庭)までの全長約2.4km間で行った。
実験コースの概要
期間中は事前に応募したモニター10組・延べ51人がそれぞれ、自宅からイオン藤沢店まで1往復ずつ乗車。
万が一に備え、運転席と助手席に乗務員が乗車。ロボットタクシーの待機場所からモニターの自宅までは手動運転だが、中央けやき通りは運転席の乗務員がハンドルから手を放し、自動走行を行った。
手放しでも走行するロボットタクシー。時速約20kmを計測
計20回、推定で27.7kmの自動運転による走行を行った結果、交通事故はゼロ。
ロボットタクシー株式会社の中島宏(なかじま・ひろし)社長によると、想定外のトラブルも、重大な事故に至らないものの、事故になってもおかしくない「ヒヤリ・ハット」の事例もなかったという。
実験結果を報告する中島社長
自動走行については、モニターのほぼ全員が「安定していた」「やや安定していた」と回答。
具体的には「もっと蛇行するかと思った(71歳男性)」「言われるまでハンドルを離していると気づかなかった(20歳女性)」「主人の運転より安心(66歳女性)」との意見があったという。
公道で自動走行するロボットタクシー
一方で「ときどき車間距離を取りすぎなのではと思うことがあった(22歳女性)」「自分の運転と加減速や発車・停車のタイミングが違う(50歳男性)」という意見もあった。
今後について、中島社長は「問題なく実験を終えたことで『当たり前』のレベルが上がった」と一定の評価をした。
公道における無人自動走行が「当たり前」の時代を目指す