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漏水で営業が中止となった本牧市民プール、今後はどうなる?

ココがキニナル!

老朽化が激しいため本牧市民プールと横浜プールセンターの再整備を決定した矢先に本牧が漏水で営業休止。両方平行した工事は不可能?利用者が一方に集中?(もまさん、よこはまいちばんさん)

はまれぽ調査結果!

閉鎖ではなく建替えにより存続する方向。迅速な再開を目指すが、完成時期は未定。営業休止中は、近隣にある「横浜プールセンター」の利用を

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ライター:紀あさ

本牧市民プールが営業休止



夏本番!プールの季節がやってきた。
横浜市には毎年10万人ほどが利用する大きな市民プールがふたつある。中区の本牧市民プールと、磯子区の横浜プールセンターだ。
 


両プールの広さと水深
 

例年、両プールは、7月の第2土曜日にオープンする。ところが、今年はこの大規模屋外プールのひとつ、本牧市民プールが施設の老朽化に伴う漏水により営業休止とのこと。
 


営業休止中の本牧市民プール
 

プールのない夏は寂しい。「休止」という案内だが、もまさんのキニナル投稿のように改修しないで閉鎖になってしまうのか、あるいはよこはまちいちばんさんの案じるように再整備計画が変更されてしまうのか。横浜市に詳細を伺った。
 


横浜市市民局スポーツ振興課
 

対応してくれたのは、同課の寺口担当課長、山田担当係長、ほか職員1名の3名。

1969(昭和44)年7月にオープンした本牧市民プールは、築47年。本牧エリアは埋め立てにより作られた地区だが、埋め立ての際に海水浴場がなくなってしまったので、海の代わりに泳ぐことのできる場所をと作られたのが、本牧市民プールだという。
 


営業中の本牧市民プール。大プールはオリンピック公式プールの約3倍と広大
 

「海を失った市民のため、ここに大プールを建設」という案内がある
 

今年の営業中止の理由を尋ねると、「2015(平成27)年のプール営業期間中の水道使用量が前年の2014(平成26)年に比べて大幅に増加し、漏水と判断された。しかし、漏水箇所が特定できず、修理を施すことができなかった」という。

水道使用量の増加は、2万2732立方メートル。大量な水量でピンとこないが、2014年度はほぼ例年通りの3万1087立方メートルだったのに対し、2015年度の営業期間中の水道使用量が5万3819 立方メートルだそうなので、7割以上の増加。

しかも水道料金はしっかり発生するそう。水道料金にすると実に約1000万円の増加という計算だ。これは大変。

 

前年対比でプラス2万2732立方メートル
 

これほどの量が漏水しているとすると、通常は漏水した水が地下に空洞を作る。
 


イメージを図示して、解説
 

そのため市では、地下の空洞を発見するレーダーを使って、本牧市民プールを地上から調査した。
 


埋蔵金を探すようなイメージに近く、地下空洞の上を通るとレーダーが反応する仕組み
 

本牧市民プールの全域をくまなく現地調査した
 

ところがその結果、レーダーでは大きな地下空洞がどこにも発見できなかった。

ここでプールの仕組みを見てみよう。プールの水は塩素濃度を安定させるため、常に循環されている。
 


プールの貯排水の仕組み(イメージ図)
 

プールから吸水する管と、プールへ吐水する管で水を循環させているが、今回漏水が疑われたのは、吐水管。

これらの配管は、すべて地下に埋没されていたが、2011(平成23)年に給水管に不具合が生じたため、地上に仮設の給水管を設置し、営業を続けてきた。
 


応急処置として地上に代替の管を這わせて
 

通路となる部分ではシートで保護した
 

そんな経緯があり、給水管は地上にあるため目視による確認が可能だが、漏水は確認されず、地下埋没の吐水管が原因と考えられた。しかし吐水管は数十箇所もある。原因不明なまま全てを交換することはできないため、漏水箇所を特定してた周防する予定で調査を行ったが、残念ながら特定できなかった。
 


6月に出された、本牧市民プール内地下空洞調査報告書
 

このまま営業すると、水道代の問題だけではなく、漏水の影響により突然地面が陥没する危険性もある。

利用者の安全を考え、本牧市民プールは営業休止となった。