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港北区のユウレイ階段は数えるたびに段数が違うって本当!?

ココがキニナル!

港北区富士塚では町内の坂にいろいろな名前を付けています。中には数えるたびに段数が違うことから「ユウレイ階段」と名付けられたものも。実際にそんなことが起こるのでしょうか。(雲葉さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「ユウレイ階段」は「じゃんけん階段」に名称が変わっていた。そして、小学生の場合は、実際に数える度に段数が違うということが起こる。

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ライター:荒木 努

はまれぽの人気シリーズ「横浜で一番急な坂はどこですか?」でもわかる通り、横浜は実に坂の多いところだ。
港北区富士塚もそんな坂の多い町だ。

キニナル投稿にもあるように、富士塚自治会では町内の坂に名前を付けているとのことだが、そもそも坂に名前を付ける目的とはいったいなんだろう?富士塚自治会にアポをとってお話をうかがうことにした。



坂に名称をつける自治会の取り組み



東横線の妙蓮寺駅を降りて、7、8分程度歩くと富士塚自治会館についた。
周囲は静かな住宅街といった佇まいである。
 


民家のような佇まいの富士塚自治会館


坂の名称をつける作業に関わった自治会の山本さんと小林さんに、坂に名称を付ける目的などについてお話をうかがってみた。
 


自治会の山本さん(左)と小林さん(右)


町内の坂に名称をつけようという試みは、平成18年から始まり現在は20の坂に名称がつけられているという。その目的は災害発生時や犯罪発生時の連絡を円滑にするためだとのこと。確かに、地元の住人であっても、番地ではなかなかその場所を認識するのは難しい。その点、坂が非常に多いこの地区で、坂に名称がついていれば「○○坂を上った左側の家に泥棒が入った」などといったよりわかりやすい形での情報伝達が可能だろう。

ただ、坂の名称を効果的に活用するには住民の認知が大前提となる。その辺はどのような活動を行っているのか尋ねてみると、施策としては、まず、坂名を記した「富士塚の坂道20選」という町内マップを全戸に配布しているとのこと。さらに、坂の上と下、場所によっては中間地点に名称を書いた木製の標識を設置しているらしい。また、町内イベントとしてウォークラリーなども開催して、住民の認知向上を図っているという。
 


全戸に配布されている「富士塚の坂道20選」町内マップ


このような施策が功を奏し、実際に、3.11の大震災の際には、町内の被害状況などが「まる坂の下の家の屋根の瓦が落ちている」などといった具合で報告されたらしい。狙い通りうまく活用されているようだ。


平成19年12月発行の「富士塚自治会たより第7号」に掲載されている坂の名称は以下である。

●二段坂:坂が二段になっている
●セイノカミ坂:セイノカミの塔がある
●分かれ坂:本道(セイノカミ坂)から別れている
●平成坂:富士塚で一番新しい坂
●あしがら坂:あしがら公園がある坂
●御岳坂:坂の途中に御岳山があり、農家の人が豊作を願い信仰していた
●富士見坂:坂の途中から富士山がよく見える
●富士塚坂:町名の由来になっている富士山信仰の富士塚があった
●のびる坂:登園・登校時に子ども達の元気な声が聞こえる
●旧道:古道
●大塚坂:その昔、大塚のあった地域に大塚金剛神碑の供養塔がある
●まる坂:路面に丸い輪の形をした滑り止めがあったので、現在でも「まる坂」と呼ばれている
●ドレミ坂:篠原小学校の「ドレミファ門」の正面方向にある
ユウレイ階段:数えるたびに段数が違うことから、小学生の間に定着している
●茂吉階段:昭和12年10月に斎藤茂吉が訪れた近くの階段
●八丁坂:険しい上り坂(胸突き八丁)
●サンバン坂:菊名池水門から丘に向って、左から「イチバン坂」「ニバン坂」「サンバン坂」
●ニバン坂
●イチバン坂
●コウバン坂:坂を下ると交番がある


あった!「ユウレイ階段」。確かにキニナル投稿にある通り、「数えるたびに段数が違う」と書かれている。
山本さんによると、30年ほど前くらいから小学生の間では、この名前で呼ばれているらしい。

しかし!現在は、階段じゃんけんをする子ども達に由来する「じゃんけん階段」に名称が変更されたとのこと。実は、「ユウレイ階段」付近の住人から、変更してほしいという要望があり、名称の看板も設置した後に、急遽変更したということだ。確かに、「ユウレイ階段の近くに住んでいる」と知人などに言うのは、少々抵抗があるかもしれない。