中華街で車イスOK&リーズナブルで美味しいお店はどこ?
ココがキニナル!
中華街で車イスOKでリーズナブルな美味しいお店を教えて。(たっちょさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
中華街では街全体でバリアフリー化に取り組み、車椅子で入りやすい店舗も増えている。その中からはまれぽが選ぶおトクで美味しい3店舗を紹介!
ライター:松野 孝司
中華街には車椅子対応の公共のトイレが4ヶ所ある
横浜中華街は横浜開港以来150年超の歴史を持ち、年間観光客数は2000万人をゆうに超える横浜を代表する観光地だ。それだけにバリアフリーにどう対応しているのかキニナルのも当然だろう。
そこで横浜中華街発展会協同組合に取材を申し込んだところ、教育研修広報部の石河陽一郎部長が快く引き受けてくれた。
「中華街は林兼正理事長になってから新しい中華街づくりを目指し、色々な改革をしています。なかでもバリアフリー化は大きな目玉のひとつです」(石河さん)
現在、中華街には加賀町警察署近くの「洗手亭」、チャイナタウン80(横浜中華街インフォメーションセンター)の横の「洗手亭2號」、「中華街パーキング」、「山下町公共駐車場」の4つに車椅子で使用できるトイレがあるが、これもこうした取り組みのひとつの表れだという。
教育研修広報部の石河陽一郎部長。ファッション・雑貨を扱う「ROUROU」を経営している
中華街らしい概観の「洗手亭」
「洗手亭2號」はチャイナタウン80の横にある |
中華街パーキングにも車椅子用のトイレが備えられている
中華街としての取り組みはこれだけではない。中華街のメインストリート・中華街大通りがすっかり様変わりしているのに気づいている人も多いだろう。
かつて中華街のシンボルとして長年愛されてきた赤い電柱は街路灯になり、縦横に走っていた電線は、地下に埋設された。これは地震や台風の際の電線が切れることによる二次災害を防いだり、道路を歩きやすくするためだという。
美しい石畳に生まれ変わった道路も、車道と歩道の段差は5センチにおさえられ、車椅子やベビーカーがスムースに乗り入れられるようスロープ処置も施されている。
もちろんこうしたバリアフリー化は行政の協力があってこそのものだが、そこで暮らす人や働く人からバリアフリー化を望む声が上がらないと、行政側が動かないのは周知の通りだ。
かつての中華街大通り。電柱が幅をとりぶつかりそうになることも
現在の中華街大通り。赤い電柱が無くなりすっきりしているのが分かる
セミナーを開催してソフト面でもバリアフリー化
中華街のバリアフリーの取り組みはこうしたハード面ばかりではない。車椅子を使用している方が外出する場合にハードルになるのが、歩道と車道の段差もさることながら、歩道に置かれた障害物だという。かつて中華街はお土産品などお店の商品が歩道までせり出していることが多く、歩き辛かった。健常者でさえそうなのだから、車椅子を利用している方やお年寄りにとってはなおさらだ。
「歩道に物を置かないように、というのは十年以上前から指導してきたのですが、ここ数年でようやく実を結び始めたというのが実感です」(石河さん)
商店街組合には法的な強制力はないため、一軒一軒根気強く説得にあたり、悪質な場合は警察にも協力してもらっているという。
また商店街の経営者や従業員のために「バリアフリーセミナー」も開催し、障がい者や高齢者の受け入れに取り組んでいるそうだ。
ここまでの取材で中華街としてのバリアフリーに取り組んでいることは分かった。では個々の店舗ではどうなのだろうか。
中華街発展会協同組合によると、車椅子で使用できるトイレもしくはエレベーターが設置されている店舗は20店舗弱。600店を超える店舗がある中華街の1割も満たない数だ。
「個々の事情もあり、全店がバリアフリーに対応できるわけではありませんが、老朽化が進み改築を考えている店舗には、バリアフリー化を勧めています」(石河さん)
このように、根気強く呼びかけていくことで街全体のバリアフリー化が進んでいっているという印象を受けた。
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