保護タヌキのハマー君、野毛山動物園で保護活動のお手伝い!
ココがキニナル!
市内で保護されたタヌキが、車いすに乗って野毛山動物園で職員さんのお手伝いをしている!? (はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
職員さん手作りの歩行器具に乗り、日本の野生動物の現状を広めるお手伝いをしているハマー君。ガイドはハマー君の体調や天候を考慮し不定期で実施
ライター:はまれぽ編集部
野毛山動物園といえば、しろくまの家や、展示しているカメの半数が密輸保護個体、どうしてゾウがいないの?など、さまざまなキニナルに回答していただいた、横浜市民の身近にある動物園だ。
1951(昭和26)年開園の老舗動物園
そんな野毛山動物園で、保護されたタヌキが車いすのようなものに乗り、職員さんのお手伝いをしているという噂を耳にした。
どんな経緯で野毛山動物園に保護されたのか、どんなお手伝いをしているのか、タヌキ用の車いすってどんなものなのか、いろいろとキニナル!
噂の真相を野毛山動物園に問い合わせると、確かに保護したタヌキが不定期で職員さんのお手伝いをしているそうだ。
お手伝いの日を狙って、野毛山動物園へ
入り口から少し進んだところに、レッサーパンダが展示してあるエリアがある。
写真右側がレッサーパンダのエリア
事前にうかがった情報によると、その隣にある大きな木の周辺がよくお手伝いをしている場所らしい。
そして、そこへ・・・。
獣医さんに抱っこされたタヌキが登場!
足元には「車いす」らしき用具
この、ちょっと不思議な光景にぞろぞろと人が集まり始める。
何が始まるのかな~?
人が少し集まったところで、獣医さんの隣にいた飼育員さんが、「これから傷病鳥獣(しょうびょうちょうじゅう)ガイドを始めたいと思います」と、話し始めた。
傷病鳥獣って・・・何?
「傷病鳥獣とは、傷や病を負った鳥や獣のことです。野毛山動物園では、人間の活動が原因で傷を負ってしまった鳥獣を保護しています。このガイドでは、その保護活動について皆さんに少しでも知っていただけたらと思っています。そして私の隣にいるのは、2016(平成28)年に市内で保護された、ホンドタヌキのハマーです」と飼育員さん。
「ハマーを通して、身近な野生動物への理解を深めていただきたいです」
どうやら、傷病鳥獣として野毛山動物園に保護されたハマー君が、同じように保護される動物たちを知ってもらうお手伝いをしているようだ。
ガイドの内容は、どういった傷病で保護されるのか、保護対象の鳥獣、保護した後の飼育についてなど、ここで聞かなければ知る機会がないようなことばかり。
春から夏にかけてが一番問い合わせが多いとのこと
ハマー君は、2016(平成28)年6月21日に西区の消防出張所敷地内でうずくまっていた所を発見されたという。日中にも関わらず、体は冷え切っており、体重は214グラムの幼獣だったそうだ。
小さいころのハマー君。成長過程で3回ほど瀕死の状態になったという
「現在は5kgまで体重が増えました!」
発見された日の翌22日に野毛山動物園へやってきたハマー君。
脳の障害があると思われ、姿勢を保つことができず、立って歩くことが難しいようだ。
四肢ともにそれぞれは動かすことができるため、足自体の障害ではないと考えられる
壁などに寄りかかって立つことはできるそうだが、立った状態でバランスを保つことが難しいため、保護当時の職員が手作りの歩行器具を作ったという。
ハマー君の成長に合わせて改良を重ねた歩行器具
これが噂の「車いす」の正体というわけだ。では、実際に歩行器具に乗ったハマー君の様子を見てみよう。