横浜中華街で「中国獅子舞」の全国大会が初開催! 一体どんな大会なの?
ココがキニナル!
横浜中華街で初めて開催された「全日本中国獅子舞大会」。大会当日の様子は?(はまれぽ編集部のキニナル)
ライター:はまれぽ編集部
全国初の大会が中華街で開催!
獅子舞と言えば、お正月などに神社で舞われるものを真っ先に想像する人が多いだろう。
だが、ここ横浜中華街ではもちろん、あの「中国獅子舞」が主役になる。
日本の獅子舞とはちょっと違う!
そんな中国獅子舞が一堂に会し、優勝を決める「全日本中国獅子舞大会」が2018(平成30)年5月26日、27日の2日間に渡って初開催。はまれぽでは26日に行われたエキシビションの様子をレポートしよう。
会場となるのは、中華街の入り口に位置する「横浜中華街パーキング」に設けられた特設ステージだ。
駐車場の入り口では練習中の出場選手の姿もあった
獅子たちが舞う駐車場内のステージ!
26日に登場するのは、横浜・神戸の中華街を代表する5団体。日中の文化交流を目的に、日本の伝統芸能である島根県石見に伝わる「石見神楽(いわみかぐら)」も披露されるという。
まず先陣を切って獅子舞を披露したのが、横浜中華街を舞台に中国広東省の獅子舞を復刻、継承を行っている「廣東會館倶樂部 廣東獅子團(かんとんかいかんくらぶ かんとんししだん)」。その獅子の様子は・・・?
荒々しく躍動感たっぷり!
赤と黒の獅子は、本物の動物のように舞台上を動き回る。操る人の姿が見えているのに、瞬きする獅子頭や全身の動きをみていると、「獅子」がそこにいるようにしか思えなくなってくる。
恐ろしさの中にも愛嬌がある
中国獅子舞にはしばしばお酒が登場するのがセオリー。この獅子舞も、桶に入ったお酒を飲んで寝てしまうという可愛らしい動きを見せて観客を沸かせていた。
グイッと飲んで
おやすみなさい・・・
続いて登場した2組目は、「横浜中華学校校友会 国術団」の獅子舞。横浜山手中華学校の卒業生が組織するグループで、中華街でのイベントやみなと祭りなど、各種イベントで中国獅子舞を披露している。もしかしたら一番見慣れた中国獅子かも?
首をぐぐっと伸ばす仕草が中国獅子舞の見せ場だ
舞を披露した獅子たちは、観客席に降りて練り歩き始める。日本の獅子舞と同じように、獅子に頭を噛まれると幸せが一年間続くという。
結構な迫力!
ちょっと及び腰なお子さんなどもいたものの、みんな喜んで頭を噛まれていた。
そして振り返ると迫りくる獅子
・・・・・・
うわあー
サービス精神旺盛な獅子たちは、動きもコミカルでかわいらしい。ずっと見ていたくなる獅子舞だ。
続いて演舞を見せたのが、「神戸市立神港橘(しんこうたちばな)高等学校 龍獅團」。横浜と同じく中華街を擁する街にある同市立高校には、中国獅子舞や龍舞(りゅうまい)を行う部活があるのだ。その精鋭たちが初の全国大会のために午前6時19分発の「のぞみ」に乗って横浜までやってきた。
躍動感のある動きが特徴的!
造形は横浜の中国獅子舞とほぼ同じなのだが、生き物のような動きを追求しているのか、飛び跳ねたり歩き回ったりする動作がとてもダイナミックに感じられる。
こういう生き物、にしか見えない
横浜の団体も神戸の団体も、普段から大会などの機会にお互いの演舞を見ることで切磋琢磨しあっているそうだ。女子高生たちの獅子舞の元気いっぱいの動きも横浜の各団体にとって大きな刺激になったかもしれない。
男子部員も多いと言うが、この日は女子部員たちが獅子舞を披露
続いて登場したのも、神戸からやってきた刺客、「神戸華僑總會(こうべかきょうそうかい) 舞獅隊」。神戸では最も古株の中国獅子舞団体だという。
演劇要素が強めの演舞を披露した
お面を被った登場人物も、中国獅子舞のお約束的要素だという。今回の演舞でも獅子の水桶を拝借しようとして襲いかかられたり、お酒を飲ませて眠らせるなどストーリー仕立ての獅子舞が披露された。
コミカルな展開が会場を沸かせる
そして、最後に登場した中国獅子舞は、中華街にある学校の卒業生たちのグループ、「横濵中華學院 校友會」。
「舞う」ではなく「飛ぶ」と表現されるという、高い台を縦横無尽に使った派手な演舞が繰り広げられた。
台の上で動き回る恐怖は相当なもの
天井に付きそうなほど躍動的な獅子舞だ
中国獅子舞が演舞を終えたあと、26日の舞台を締めたのは島根県の伝統芸能「石見神楽」。演目は石見神楽で一番人気という「大蛇(おろち)」。須佐之男命(すさのおのみこと)と大蛇との戦いが繰り広げられた。
日本の伝統的な神楽囃子に合わせて神話の世界が描かれる
大蛇は圧巻の迫力!
各団体がそれぞれの魅力を存分にアピールして、26日の舞台は幕を下ろした。27日は引き続き、各団体が競技としての本大会に臨むことになる。
本大会では長椅子や酒樽など共通の小道具を使用して、獅子を通した「喜怒哀楽」をどのように表現できるかが勝負を分ける。
何しろ日本ではじめての全国大会。初代王者がどの団体になるか、見逃せない大会になりそうだ。
最後に、26日は各団体が中華街周辺の街に繰り出して演舞を披露。みちゆく人が思わず足を止めてしまう獅子舞が、横浜中華街のあちこちに現れた。
善隣門前に出現した「龍獅團」の獅子舞!
横濵中華學院の校庭でも、同校生や卒業生の獅子舞が披露された
中国で花開き、日本で育まれている伝統文化の魅力を存分に感じることができる「全日本中国獅子舞大会」。
27日には街頭パフォーマンスはないものの、中華街パーキングで午後1時から行われる本大会は当日券も購入可能。愛嬌たっぷりの獅子たちが雌雄を決する舞台、ぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
ー終わりー
- 前へ
- 1
- 次へ