JR洋光台駅前の広場がリニューアル! 世界に向けた「団地の未来」プロジェクトとは
ココがキニナル!
洋光台駅前の広場がリニューアルしたそうです。なんでも隈研吾さんがデザイン監修されていたとか。どんな風に変わったのか知りたいです。お願いします。(massuruさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「団地の未来」プロジェクトとして建築家の隈研吾氏とプロジェクトディレクターの佐藤可士和氏が手を組み、新たなコミュニティ空間に生まれ変わった
ライター:山口 愛愛
有識者×行政×地域の住人のコラボ作!
JR洋光台駅前にある「洋光台中央広場」は、UR都市機構が管理する洋光台団地に囲まれた広場。洋光台団地の1階には、商店街の「サンモール洋光台」が入っており、住民の生活を支えている。
この奥に中央団地に囲まれた広場がある
この場所は、1970(昭和45)年に国鉄洋光台駅の開業に合わせて作られ、洋光台団地の中の広場として歴史が始まった。当時の洋光台駅は横浜方面からの終着駅としてにぎわいを見せ、駅の開業と同時に15階建ての大型団地への入居を開始。48年の年月が経ち、時代の先を見据えた広場へと、2018(平成30)年8月1日にリニューアルされた。
工事は2017(平成29)年3月から約15ヶ月間に及んだ
まず改修中の広場の様子から振り返ってみよう。
こちらは改修前の中央広場の写真
サンモール洋光台のすぐ目の前まで改修が行われていた
既存の店舗が営業しながら改修を進めることもテーマの1つだった
改修中は狭い通路を通ることもあった
この工事の発端は、今から7年前の2011(平成23)年まで遡る。
古い団地が駅の顔となっている洋光台の活性化について、横浜市、磯子区、洋光台まちづくり協議会、UR都市機構が連携し議論したことからスタート。話し合いの場に有識者を呼び、意見を取り入れることとなった。
そのうちの1人が、新国立競技場の建築設計などで知られる世界的建築家の隈研吾(くま・けんご)氏。そこに、ユニクロやセブンイレブンのブランディング、ハマっ子にはカップヌードルミュージアムの総合プロデューサーとして知られるクリエイター佐藤可士和(さとう・かしわ)氏が加わり、最強タッグが誕生した。
この関連で「団地の未来」プロジェクトが始動。洋光台を最初のモデルケースとし、日本が抱える団地問題、社会問題を解決し未来に生かしていくプロジェクトが現在進行形で動いている。
佐藤氏デザインのロゴには「プラスワン」の意味が込められている
7年もの歳月をかけ、新しい洋光台中央広場が完成した。その全貌を探るべく、オープニングセレモニーに潜入!
セレモニーの様子とともにリニューアルされた広場の特徴をお伝えしよう。
世界へ注目されるプロジェクトに
セレモニーでは、UR都市再生機構中島正弘(なかじま・まさひろ)氏らが挨拶し、設計に携わった隈氏や佐藤氏から、広場の改修内容や団地の活性化が、日本や世界のモデルケースになるという展望が語られた。
隈氏は「7年前にこの広場と団地の部屋の中を見せていただき、懐かしい宝があり上手く磨けばきっと未来につなげられると感じた。これだけ大きなパブリックハウジングにこんなに豊かな広場空間、コミュニティスペースを作れるところは世界にもそうない。日本の再生の足場が団地になるのでは」と熱い気持ちを語った。
「団地の未来」プロジェクトのディレクター・アーキテクターでもある隈氏
また、団地の未来プロジェクトディレクターの佐藤氏は「以前の洋光台の良い雰囲気を残したまま、隈氏の素晴らしいデザインでより磨けている」と感想を述べ、今後、洋光台北団地集会所の改修などプロジェクトが続くことを説明。「まさに共に創る『共創』の時代でいろんな人の力が必要。洋光台が日本や世界中から注目されるプロジェクトであればと思います」と笑顔で話してくれた。
映画『シン・ゴジラ』の洋光台のシーンに住人が参加できるよう尽力した佐藤氏
両氏の言葉からこのリニューアルは、単なる老朽化した広場の改修以上の意味を持っていることが分かる。
続いて記念すべきテープカットへ。広場いっぱいに広がって、佐藤氏がデザインした70メートルのテープを街のみなさんとともにカットし喜びをわかちあった。
明るい広場を住人の参加者が囲みスタンバイ
幅の広いテープは切り甲斐がある
参加者みんなでテープカットを楽しんだ