都筑区にドイツ人が多いのはなぜ?
ココがキニナル!
都筑区にドイツ人が多いのはなぜですか?(土井仁さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
都筑区には、ドイツから認可を受けているインターナショナルスクール「東京横浜独逸(ドイツ)学園」があるからです。
ライター:吉田 忍
横浜市の外国人登録者数
2011年11月のデータによると、横浜市には149カ国77,453人の外国人登録がある。
※外国人登録
日本に連続90日を超えて滞在しようとする外国人は、在日米軍将兵や外交官などの一部例外を除いて、かならず登録する義務がある。
最も多いのは中国人で33,667人。以下、韓国・朝鮮、フィリピン、ブラジル、米国と続き、ドイツ人数は13位で、541人となっている。ドイツ人の人数自体は上位の国に比べるとそれほど多くはないが、そのうちの224人、40%以上が都筑区に住んでいるという特異性が見つかった。
また、224人というのは都筑区の外国人数で第4位である。
横浜市統計ポータルサイト「外国人登録人口」より抜粋
これは、都筑区にはドイツに関わるナニカがあるに違いないと調べてみた。
そして、見つけたのは「東京横浜独逸学園」という学校。仲町台にある、ドイツ人インターナショナルスクールだ。
ドイツから日本に転勤になった人にお子さんがいたら、勤務地が東京であってもお子さんのために学校の近くに住もうと考えるのではないだろうか。
ドイツの学校……とてもキニナルので、取材をさせていただいた。
東京横浜独逸学園
1904年、横浜に創立。その後、東京大森に移ったが、1991年、都筑区に移転。
東京横浜独逸学園
この学校には、幼稚科、小学校1年~4年までの初等科、5年~12年生までの中・高等科がある。
中・高等科にはドイツで「アビトゥーア」と呼ばれる大学入学資格と、日本の大学受験資格のどちらも取得できるコースがある。
日本人も入学できるが、授業は全てドイツ語で行われるので、ドイツ語が話せること、あるいはドイツの文化や言葉に対して興味があることが必要。
幼稚科からであれば、日本語しかわからない子どもでもすぐにドイツ語を覚えるし、ドイツ語のできない子どもたちのため、放課後にドイツ語のクラスがある。
時間割も日本と違って、7時55分に1時間目が始まり、最長で10時間目まである場合も。10時間目の終了は16時25分だそう。
スティグラー事務局長。「都筑区は自然も豊かで大好きです」
生徒数は約330名。実は3.11までは480名ほどだったが、福島原発の事故で150名くらいが母国へ帰ったという。
こうした判断をされたご両親が多かった背景には、チェルノブイリの事故で被害を受け、国が脱原発を宣言しているドイツの危機管理意識があると思われる。
もちろんこちらの学校でも、安全や健康に関することはトップレベルで行っている。校舎や校庭の隅々まで放射線を計り、学食で使用する食品についても放射線が検出されていないものだけを使っているとのこと。
校舎も校庭も、本当にすみずみまできれいに掃除されている。階段の隅、ドアの裏側、窓など、どこを見ても埃ひとつない。落ち葉が多い時期にも関わらず、表にはここ1時間くらいで落ちた枯葉が数枚あるだけだった。
「今、ここは安全だと考えています」と事務局長。
スティグラーさんはミュンヘン出身。
「このあたりはミュンヘンに似ています。学園の屋上から富士山が見えて、アルプスが見えたミュンヘンを思い出します。都筑区は緑も多く、環境がとてもいいところですね」
日本の学校とは随分違う学校の中
ドイツと言えばやはりサッカー。サッカーのための運動場という印象
水泳と体育のマイヤー先生。学園内には、立派な屋内プールなどの体育施設もある
ぴかぴかに磨き上げられた廊下
遊び場所としての教室もある
ここは休み時間や放課後に遊ぶための場所。工具などが置いてあって、生徒が自分たちで作ったカウンターがあったり、他にも卓球台、ビリヤード台、ソファ、作業台などがある。
ドイツの学校にはこのような教室がある場合が多く、その上なんと専任の先生もいて、工具や刃物などの取り扱いを学ぶ。
遊び教室専任の先生。オーストリア人のギースヴァイン先生。良いアニキという感じ
絵本から専門書まで幅広くそろった図書館。本の販売もある
図書館司書のバッハマイアさん。11月に日本に来たばかり
食堂。シェフはドイツ人でドイツ料理やエスニック料理も出るとのこと
本日のランチ。バイキング方式で、好きなだけ自分で取って食べるスタイル