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マリンタワーは重要文化財にならないの?

ココがキニナル!

建設後50年以上経過した横浜マリンタワーや東京タワーは、重要文化財になれないの?(広島の教会、世界平和記念聖堂などはおよそ50年で重要文化財に指定されています。)(にゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

現段階で、指定、登録される予定は無い。もし、指定、登録された場合は大幅な改変が不可、もしくは届出が必要となる。

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ライター:ワカバヤシヒロアキ

重要文化財とは?



1959年、横浜港開港100周年を記念して作られた横浜のシンボル、「横浜マリンタワー」。これまで、はまれぽでは初日の出の様子や、名建築シリーズ段数の多い階段シリーズなど、たびたび記事として取り上げてきた。
 


横浜マリンタワー


さて、今回の投稿内容は「横浜マリンタワーや東京タワーは、重要文化財にならないのか?」というものだが、はまれぽでは、横浜マリンタワーに焦点を当てるものとする。

まず、そもそも重要文化財とは何だろうか?
文化財を管理する、横浜市教育委員会 生涯学習文化財課の担当に話を伺ったところ、建造物を守る制度には、「重要文化財」の他に、「登録有形文化財」というものがあるという。
 


局方針により担当者の写真はNGとのことだった


それぞれの制度の違いについて概略をまとめると、下表のとおり。
 


重要文化財と登録有形文化財の違い


重要文化財の目的は、文化財を将来にわたって本来あるベき姿を保全していくこと。対して、登録有形文化財の場合は、「ゆるやかに保護」と示され、外観の大幅な変更がなければ、中に喫茶室を作ったりホテルに改良するなど建物自体を活用しながら保全することとしている。つまり、登録有形文化財の方が、建物の改変などに対して柔軟に対応できるというわけだ。

また、重要文化財は、国、県、市とそれぞれの指定によって区分が分かれており、登録有形文化財でも同様。国全体ではたくさん存在する建物でも、県や市の中では珍しく、貴重なものなどがある。そういったものは、それぞれの自治体において指定、登録されることとなるのだ。



指定、登録の基準は?



重要文化財と、登録有形文化財、それぞれの原則基準は下記の通りである。

○重要文化財
建築物、土木構造物及びその他の工作物のうち、次の各号のいずれかに該当し、かつ、各時代又は類型の典型となるもの。

  • 意匠的に優秀なもの
  • 技術的に優秀なもの
  • 歴史的価値の高いもの
  • 学術的価値の高いもの
  • 流派的又は地方的特色において顕著なもの
     


国の重要文化財である旧燈明寺三重塔(三渓園)


○登録有形文化財
土木構造物及びその他の工作物のうち、原則として建設後50年を経過し、かつ次の各号のいずれかに該当するもの。

  • 国土の歴史的景観に寄与しているもの
  • 造形の規範となっているもの
  • 再現することが容易でないもの
     


国の登録有形文化財である神奈川県庁本庁舎


横浜マリンタワーが建設されたのは1961年1月14日。既に51年を経過した建造物である。
つまり、登録有形文化財の原則基準を満たしていることになる。

経過年数に関して明確な基準の無い重要文化財に、横浜マリンタワーが指定される可能性はゼロではない。だが、現状指定されている重要文化財は昭和初期以前の建造物ばかり。近代建築の部類に入る横浜マリンタワーが重要文化財に指定されるのは考えにくいのだそうだ。(神奈川県教育委員会教育局文化遺産課 大野氏より)

投稿内容にあった広島平和記念資料館や、世界平和記念聖堂などは戦後の建造物であるが、先述の基準で言うところの歴史的価値の高さゆえ、特別なものという位置づけだという。