マリンタワーは重要文化財にならないの?
ココがキニナル!
建設後50年以上経過した横浜マリンタワーや東京タワーは、重要文化財になれないの?(広島の教会、世界平和記念聖堂などはおよそ50年で重要文化財に指定されています。)(にゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
現段階で、指定、登録される予定は無い。もし、指定、登録された場合は大幅な改変が不可、もしくは届出が必要となる。
ライター:ワカバヤシヒロアキ
同類のタワーを見ると?
横浜マリンタワーと同類のタワーには、以下のようなものが、登録有形文化財として国の登録を受けている。
名古屋テレビ塔(2006年:国の登録有形文化財)
※フリー画像
通天閣(2007年:国の登録有形文化財)
※フリー画像
これら2つが登録文化財となったのは、名古屋テレビ塔が建築後52年、通天閣は建築後51年。他に別府タワーも建築後50年で国の登録文化財になっており、いずれも今の横浜マリンタワーと同時期である。
同類のタワーは登録有形文化財に登録されている。また、近代建築の場合、登録有形文化財に指定される可能性が高い。以上を踏まえると、横浜マリンタワーは重要文化財ではなく、登録有形文化財として登録されるのが現実的であろう。
登録有形文化財に登録されるには?
登録有形文化財への登録は、基本的には所有者が、行政機関に相談するところから始まる。今井氏のいる横浜市教育委員会生涯学習文化財課などが窓口になっており、その後に申請、調査、審議会などの段階を経て、1年から3年ほどの期間をもって、文化庁の許可を得て登録されることとなる。
横浜マリンタワーの所有者は横浜市。2006年に氷川丸マリンタワー㈱から、譲渡されているが、所管部署である横浜市文化観光局からは、現時点で、重要文化財や登録有形文化財に関する話はきていないという。
マリンタワー所管部署の見解は?
さて、横浜マリンタワーを所管している横浜市文化観光局で話を伺ったのは斎藤氏。
登録有形文化財の登録予定を尋ねると、「現状、ありません」との回答。
先の予定はわからないが、1、2年以内に登録されることは恐らくないだろうということだ。
横浜市文化観光局には電話で取材を行なった
その理由を尋ねると、「現状、横浜マリンタワーは㈱ゼットンに飲食店などの運営を10年契約で委託している状況です。たとえ、登録有形文化財であれ、登録されれば、大幅な改変が不可、もしくは届出が必要となります。それが、委託会社に対して支障を与えてしまうことも懸念されます」とのことであった。
横浜マリンタワーは入場客の減少により、2006年に一度幕を閉じている。横浜市に譲渡された後、開港150周年を機に2009年5月、営業を再開した施設である。登録有形文化財に登録されると、通常望見できる範囲の四分の一を超える改変を行う場合には届出が必要となる。
営業再開してから、3年足らず。通天閣や名古屋テレビ塔と違い、これまでに紆余曲折のあったタワーである。引き継いでいる横浜市としても、様子を見たいというのが本音ではなかろうか。
さいごに
重要文化財や、登録有形文化財に指定、登録されることにより、ブランド力が強化することはあるのかもしれない。ただ、今の横浜マリンタワーにとって重要なのは、再び営業を停止する事の無いような運営力ではないだろうか。
今後は継続的な運営を続け、市民や観光客に愛されることで、その名に恥じないような重要文化財、登録有形文化財となることを望みたいと思う。
―終わり―
とうさんさん
2013年03月27日 11時15分
なるわけないじゃん