非日常のかっこいい仕事がいろいろあると知った、はま旅Vol.104「市大医学部」編
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第104回は、用事がなければ降りないと思っていた「市大医学部」駅。静かで無機質な外観とは違って、日常では出会わないプロ魂のかっこいい仕事ぶりを見られる街だった。
ライター:吉岡 まちこ
このニッパツがすごいらしい!?
2010(平成22年)4月から、ネーミングライツを取得し「ニッパツ前」という副名称が
金沢シーサイドラインは副名称がつけられている駅がいくつかある。ここ市大医学部駅は「ニッパツ前」。
5年前に三ツ沢公園球技場のネーミングライツ(施設命名権)を取得して「ニッパツ三ツ沢球技場」と名付けた企業だ。調べたら自動車のサスペンションの“ばね”で世界シェア1位だ!
そんなすごい企業がさりげなくあるのが工業団地。もうちょっと知りたいと思って「日本発条株式会社(ニッパツ)」を訪ねてみた。
ニッパツ本社。ロゴは「NHK」。こっちのほうが歴史は古い
工場の前の道路は横浜シーサイドトライアスロンの自転車コースになるそうだ。市大大学附属病院とセットになってよくテレビドラマのロケにも使われ、5年前のドラマ「チーム・バチスタの栄光」で科学警察研究所になっていた場所だ!
急きょ対応してくださった広報担当の斉藤さん。発条とは「ばね」のこと
入口には企業キャラクターの鉄人28号が立っていた。残念ながら撮影はNG。
「なぜ鉄人28号かわかりますか? 28=ニッパツの語呂合わせです」と斉藤さん。さらに、金属製品製造業であることや、目指す従業員像がプロフェッショナル(鉄人)であることも込めているという。
73年間経常利益で1度も赤字を出していない超優良企業なのに、就活フェアなどでも今一つ知名度が上がらないのが悩みで、数年前からとにかく名前を知ってもらおうと積極的な広報活動を始めたそうだ。
事業所内にある広大な工場では、主に自動車のサスペンション用ばねやシートを製造
自動車関係が売上の7割。初代クラウン、スバル360などへの貢献の歴史も
車部品以外でも、意外なものがニッパツ製だったりする。パソコンのHDD用サスペンションでは、なんと世界シェアの約半分を占める。よく見かける機械式立体駐車場装置のシェアもトップクラス。さらに画期的なホログラム偽造防止システムを開発するなど、セキュリティ事業も展開。シーサイドライン沿線にある「横浜機工」(大手家電メーカーのLED照明等の製造)や、「日本シャフト」(ゴルフのスチールシャフトや金属バット製造)もニッパツの子会社だという。
ロビーに展示された開発商品。これがHDD用のサスペンション
一瞬で偽造を見分ける新しい発想のホログラム。偽造防止の繊維ラベルもある
プロも愛用の軽量スチールシャフトや、大手スポーツメーカーの金属バットにもばねの技術が
全然違う業種に見えるが「若いうちからいろんなことにチャレンジできる自由闊達(かったつ)な土壌のある会社。可能性を否定しないからこそ、常に世界に先駆ける新しい技術が生まれるんだと思います」と斉藤さん。
いくつもの世界No.1製品を持つ技術力に「すごいゾ市大医学部駅!」と感動しながら、次を目指した。
工業団地とは思えない展望レストランでランチ
病院の敷地にまた戻る。タリーズとローソンが4月1日(月)にオープンする。2階のローソンは駅から病院の入口を入った角にあたる。病院内には、2階に軽食とそば店、10階に展望レストランがある。
病院と駅にくっついて新しくできた建物
10階のレストランの向かいに屋上庭園。フェンスが高い
ランチタイムは行列だった、10階のスカイレストラン「グリーンズカフェ」
入ると正面は全面ガラス張り! こんな病院のレストラン、出会ったことない
営業時間は平日8:30~19:30、土日11:30~18:30で、年中無休。
おすすめメニューは“海老かき揚げ蕎麦”と“さぼてんの三元麦豚ロースかつ”らしい。そうなのだ、ここは「とんかつ新宿さぼてん」の親会社グリーンハウスグループの経営。レストランやデリカのほか、社食、学食、病院など全国に2200を超える店舗を持つ。
カリカリのブルーベリーワッフルセットは650円だった
帰りに入口のサンプルを見る。海老かき揚げ蕎麦という名からは想像できなかった・・・
あぁ、これもよかったな~。先にサンプルを見るべし!
副店長の柏木さん。横浜市内の社食やデリカだけでも相当数あるそうだ
この窓からは富士山も見えるらしい。「景色を眺めにぜひ寄ってください」とのことだった。