非日常のかっこいい仕事がいろいろあると知った、はま旅Vol.104「市大医学部」編
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第104回は、用事がなければ降りないと思っていた「市大医学部」駅。静かで無機質な外観とは違って、日常では出会わないプロ魂のかっこいい仕事ぶりを見られる街だった。
ライター:吉岡 まちこ
知らない事こそ知ってみよう!
電話をしたら誰でも見学可というので行ってみた。「金沢バイオパーク」の中には図書館も剥(はく)製ルームもあるという。パークだし、と気楽な気持ちで訪ねたところ、100名以上の研究者を抱える農林水産省傘下のバリバリな研究機関だった!
正式名は独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所
一言で言うと、水産資源を持続可能なものにし、水産業振興のための多角的な研究をしている。
要は、漁業の現場である浜を元気にするにはどうしたら良いか、だ。廃棄している魚や部位を活用する方法や、水産物から有用物質を見つけることで水産業全体の底上げも目指している。
色落ちして捨てていた海苔から、紫外線をよける成分を発見し化粧品に転用するなどがその好例だ。
早速、所内を案内してもらった。
毎年10月の一般公開イベントでは、この広場にタッチプールが置かれる
NMR装置。貝毒原因物質など化学構造の解析に役立つ、2億数千円する機械だ
“AR06株ゲノムのアガラーゼと・・・”。日本語で書かれているとは思えない(汗)
研究棟を離れ、実験棟へ行くと潮の香りや焦げた魚の臭いが! 福島第一原発の事故以来、魚介類の放射能検査がひっきりなしに行われているそうだ。
実験用のタイ。非放射性のセシウム133を取り込ませ排出能力をみる
ミンチ魚肉の炭素を取り除いて灰にすることで放射性物質の濃度を上げ測定する
コピー機ではなく。ゲノム(遺伝子)を解析する第2世代DNAシーケンサーという機械
13年かけて約31億の全ヒトゲノムが解析されたが、この機械は一晩で7億のゲノムを解析できる!
魚の、おいしく・早く育ち・病気に強い遺伝子を見つけられるし、海水1杯を解析するといつ赤潮になるかもわかるようになると期待されている。
図書館利用は9割が専門家。ここでもらえる「おさかな瓦版」がオモシロイ
展示情報室の剥(はく)製にはレアなものも多く、夏に国立科学博物館に15点貸し出すそうだ。
震災後話題になったリュウグウノツカイの仲間。青いペンを置いてみた
最近“メロ”の名で売られているのはこのマジェランアイナメと右上のライギョダマシ
案内してくださった業務推進課長の市橋さんも農学博士
「研究者の手が空いていれば当日でもご案内しますが、事前に予約するのがベスト。お一人でもいいですよ」と市橋さん。今日は書き切れないほどたくさんの知らない世界を教えてくださった!
取材を終えて
誰にも負けないテリトリーがあるのって、ホントかっこいいと感じた旅だった。一見、ガラ~ンとした無機質な市大医学部駅周辺だが、プロ魂の詰まったとてもディープな場所だった。
ヘリポートの裏山から見るヘリ訓練も、病院のレストランから眺めるガラス越しの海もおすすめだ! でもどうか病院であることは忘れないよう・・・
月ではなく夜間飛行訓練のヘリコプター
■今回のはま旅「市立医学部」駅周辺
(Googleマップより)
・「横浜ヘリポート」金沢区福浦3-2
・「日本発条株式会社」金沢区福浦3-10
・「公立大学法人 横浜市立大学附属病院」金沢区福浦3-9
・「スカイレストラン グリーンズカフェ」金沢区福浦3-9横浜市立大学附属病院10F
・「独立行政法人水産総合研究センター 中央水産研究所」金沢区福浦2-12-4
―終わり―
ushinさん
2013年03月31日 16時00分
日本発条株式会社といえば、日本放送協会との係争に勝訴した話題でも一部で有名。
はまっこさん
2013年03月30日 15時17分
こんな名前の駅があるとは・・・。なぜ「はま旅」で大学をやっているのかと思ってしまいました。
shati1016さん
2013年03月30日 11時35分
どんな凄いことをしているのか、病院の紹介を期待したんだけど。