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「長津田」は「ながつた」、それとも「ながつだ」?

ココがキニナル!

「長津田」の読みは、「ながつた」「ながつだ」どっちが正しい?駅員や車掌も人によって読み方が違うし、歴史的にはどうなのか・実際に住んでる人や駅利用者はどう思ってるのか気になる(ここからスタート!さん)

はまれぽ調査結果!

1939年以来正式な町名は「ながつた」。さらに北斎作品から江戸時代も「た」だったと判明するも行政や鉄道の受付は「だ」、住民も3割が「だ」と回答

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ライター:永田 ミナミ

葛飾北斎のファインプレー



仮名表記も清濁の決め手にはならないこの困難な状況を救ってくれたのは、あの葛飾北斎であった。
 


北斎は『鎌倉江ノ嶋大山新板往来双六』という作品を残してくれていた
(東京都立図書館所蔵)*クリックで拡大
 

日本橋から東海道を下って程ケ谷で1泊、戸塚から鎌倉に向かい雪ノ下で1泊、大仏を見て稲村を抜け江ノ島で1泊、一の宮(寒川神社)に参拝して大山で1泊、大山街道に入って鶴間で1泊、溝口で1泊、二子、三軒茶屋、渋谷を通って日本橋でゴールという52マスの楽しい双六である。

このなかに大山街道の宿場町として長津田のマスもあるのだが、読み仮名が振られているのだ。
 


45マス「長津田 荘田へ二里」の「長津田」に振り仮名あり(永田模写)
 

「長津田」の横に変体仮名で「ながつた」とある。「奈」からできた「な」と「川」からできた「つ」は現在とほぼ同じである。「か」は現在の「加」からできたものではなく「可」からできた仮名に濁点が打たれいる。「た」は現在の「太」からできたものではなく「多」からできた仮名になっている。

注目すべきは「長津田」の左側に書いてある文字である。「恩田をへて谷本にいたる」とあり、こちらにも振り仮名があるが「おんだ」の「だ」は「ながつた」の「た」と同じ仮名に濁点が付されていることがわかる。ちなみに次の46が「谷本」である。
 


47「荏田」の「た」にも濁点があり、自信が確信に変わる(永田模写)
 

以上から「ながつた」という読みは、少なくともこの双六が描かれた1831(天保2)年まではさかのぼることができる。そしてここまでさかのぼればそれ以前も「ながつた」だったと考えていいのではないか。
 


北斎が描いたのはこの坂の上から見降ろした風景だという
 

15°の急坂を上っていくと
 

途中から土の道になるこの素敵な大山街道は
 

長津田十景「長坂夜雨」にも選ばれている