映画「鍵泥棒のメソッド」に相鉄線いずみ野駅が出てるのはなんで?
ココがキニナル!
映画『鍵泥棒のメソッド』で相鉄線「いずみ野」駅がちょっと出るけれど何故あそこなんだろう(すすむAさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
作中で「早朝に大勢のエキストラが集合する撮影現場近くの駅」というシチュエーションがあり、ロケハンの結果いずみ野駅がもっとも相応しかった。
ライター:久保田 雄城
まずは映画「鍵泥棒のメソッド」をおさらい
監督は、カンヌ国際映画賞で4つの賞を受賞した「運命じゃない人」などで知られる内田けんじ。作品は、2012(平成24)年9月15日にロードショー公開され、今年の日本アカデミー賞の最優秀脚本賞や優秀助演男優賞(香川照之)ほか、芸術推奨文化科学大臣賞、キネマ旬報ベストテンで日本映画脚本賞など・・・と多くの受賞をはたしている。
公式サイト(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
物語は、売れない役者・桜井(堺雅人)とクールな“殺し屋”のコンドウ(香川照之)、婚活中の女性誌編集長・香苗(広末涼子)の3人を中心にして展開されていく。女性誌編集長の香苗が、「私、結婚することにしました。まだ相手は決まってません」と、オープニングから笑わせてくれる作品だ。
桜井が銭湯に行くと、見るからに羽振りのよさそうな男・コンドウが入ってくるが、彼は転倒して頭を強打し、救急車で運ばれてしまう。転倒した時にコンドウの腕から銭湯の鍵が外れ、桜井の足元へ転がる。ふと、出来心で鍵を自分のものとすり替えた桜井は、コンドウの荷物を失敬して彼になりすます。
コンドウの(実は桜井の)家の3人(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
しかし、コンドウの正体は実は“伝説の殺し屋”で、桜井は殺しの依頼を引き受けるはめに。かたや、頭を打った衝撃で記憶を失い、自分が売れない役者「桜井」だと思い込んでいるコンドウは、元来の生真面目な性格から、役者として成功するために演技の勉強をはじめる。そこに、婚活中の香苗が加わって・・・と、リズミカルに物語は展開する。
作中に登場する「いずみ野駅」について
キニナル投稿にある「いずみ野駅」といえば、筆者が5月にジョシュと旅した街ではないか! なんだかとっても親しみを覚えるぞ。
いずみ野駅のロケ管理をしている相鉄ビジネスグループの担当者の方に、いずみ野駅が選ばれる理由を伺ってみる。「選んでいただける理由はこちらがお話することではありません」とのことだったが、調べてみると、なるほど、24時間撮影可能だったり、2~3日前の急なロケ予約にも対応できたりすることから、映画制作側にとって使いやすいのだろう。
自分を役者と思いこむコンドウが降り立った「いずみ野駅」
実際に、いずみ野駅は「鍵泥棒のメソッド」以外にも「中居正広の金曜日のスマたちへ」(TBS)やサッポロビールのCF(コマーシャルフィルム)でも使われている。
プロデューサーの大西洋志さんに、いずみ野駅を撮影で使用した理由を聞いてみた。
「本編の中で『早朝に大勢のエキストラをピックアップする撮影現場近くの駅』という設定のシーンがあり、“(作中の)郊外の撮影場所の近くの駅”だと感じさせる雰囲気があって、駅の出口とロータリーが直接繋がっている環境が必要でした。それにロータリー内にマイクロバスを停車することができて、迅速な撮影が可能なスペースがあるという条件も満たす場所です」
こういったことを基準に、かなりたくさんのロケハンを行ったという。「実際にはこのような撮影で許可が出る物件が極めて少なくて、かなり狭い範囲からの選択ではあったのですが、いずみ野駅に決定しました」ということだそうだ。
映画のシーンと同じアングルで決める筆者
映画で使われたのは、いずみ野駅の南口のロータリー。かつてはバスの停留所もあったのだが、現在はすべて北口に移行している。こういったこともロケには便利だったのだろう。