古の旅人たちに思いを馳せながら・・・はま旅Vol.9「東戸塚編」
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第9回は、高層マンション建ち並ぶ最新型の街、東戸塚駅。しかしそこは、江戸時代の足跡が残る時空の交差点だった。
ライター:永田 ミナミ
東戸塚といえば?
JR東戸塚駅で降りたことはあるが、ホームで待ち合わせたこととオーロラシティにしか行ったことしかない。
東戸塚出身の友人に「東戸塚といえば?」と質問すると、出てきた答えはやはりオーロラシティ。たしかに駅と直結した、西武とダイエーを擁する大型ショッピング・モールの存在感は偉大だ。だが、「あとほかには?」と質問すると「うーん…」と考え込み「特に何も」とか「マンションがいっぱいある」といった、答えしか出てこない。
記者は、何も見つからなかったらどうしようという不安と、期待を抱えて駅を出発した。
駅が巨大すぎて看板と写真を撮れる場所を探すのも大変だった
東口を出ると目の前にある堂々たるビルがオーロラシティ
東戸塚に牧場!?
上のオーロラシティの写真を見たあとで「東戸塚には牧場がある」と言われても、そんな馬鹿なと思う人もいるかもしれない。しかし、牧場は実在するのである。しかも駅のすぐ近くに。
看板の右下に「肥田牧場」と書いてある
「フレッシュソフトクリーム ジェラート」と書かれた肥田牧場の看板を発見。
ここは、牧場の牛から採れた牛乳で作ったアイスクリームを売っているのである。駅を出てまず日焼け止めを買ってしまったくらい暑いこの日に、ソフトクリームを食べないという選択肢は存在しない。
緑に囲まれたなかに佇むアイス工房メーリア
さっそく入ってみると、ガラスケースのなかにおいしそうなジェラートが並んでおり、どれを食べようか迷いそうだ。
迷っていると、カウンターの中から女性が声をかけてくれたので、話を伺うことにした。
アイス工房メーリアを担当している肥田直子さん
肥田直子さんのお父様が牧場を始めたのは昭和17年で、その当時はまだ森に囲まれた場所だったという。
たしかに肥田牧場のまわりにはまだ緑が比較的多く残っている。
その後、平成14年から牧場で採れた牛乳を低温殺菌(68℃で30分)したものを使ったアイス工房メーリアを開業し、今年7月で9年目になるとのこと。
ソフトクリーム(¥284 ※トッピング付きは¥346)のほか、ミルクジェラート(シングル¥315/ダブル¥399)はこれからの季節の定番が「塩ジェラート」ということで、9月まで販売するそうだ。
口の中で溶けたあと、最後にほのかに残る塩味がとても爽やか
現在は、「トマト」と「オレンジ」も発売中。トマトは甘さといい酸味といい、本物のトマトを食べているようだ。
とても美味しかったと伝えると、「みなさん最初は驚かれるんですけど、癖になるみたいですよ。近くの農家の方から仕入れた完熟トマトを使っているんです」とのこと。
本当に美味しいので食べたい!と思った方はお早めに。
ミルクの風味豊かなソフトクリームは甘すぎず、途中でスプーンを止めることは不可能
ソフトクリームとジェラートを食べ終え、肥田さんにこのあたりでよく行かれるお店はありますか?とたずねると、ご家族でよく行かれる中華料理屋があるというので紹介して頂いた。時間はちょうどランチタイム。順序は逆だが、デザートを食べた記者はその店に向かうことにした。
創業26年の老舗で本場四川料理を味わう
肥田牧場からは駅の反対側、前田町にあるという中華料理屋を目指して歩いていくと、洗練されたマンションが整然と並んでいる。
計画的に作られた街。人口は急増中である
線路を渡り、ショッピングセンターの前を通り過ぎてしばらく行って左に曲がると、今度は昭和を感じさせる趣き深い団地、前田ハイツが現れた。
団地ファンである記者は興奮した
そして前田ハイツを右に見ながら歩いていくと、左側に赤い建物が。
紹介していただいた、中華料理「丸勝」である。
店の前の駐車場は満車。期待が高まる
絶品中華料理の次は、旧東海道散策! 次のページ≫