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日本初船上美術館や猫の日おススメイベントも!横浜ならではアート体験

日本初船上美術館や猫の日おススメイベントも!横浜ならではアート体験

ココがキニナル!

横浜はアートの街。街自体がアートだったり美術館も多い。しかし寒い時期だ。温かい場所で横浜ならではのアート体験をしてみたい(はまれぽ編集部と新横浜のラッキーさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

マリーンシャトルの日本初船上美術館やオーヴィ横浜の猫の日(2月22日)お勧め体験アート、バー発祥の地・横浜ならではのアート鑑賞など、かなり楽しめた!

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ライター:濱絵美

横浜といえばおなじみの観光船「マリーンシャトル」が日本初の美術館になる!そんなニュースが編集部に飛び込んできた。寒い時期の期間限定だが、言われてみれば寒い時期こそ室内で、まったりとアートに親しんでみたいもの。調べてみると、さすがアートの街・横浜。寒い季節にじっくり楽しめるアートイベントやスポットがある!今回はアートの街横浜ならではの、ちょっと変わったアートを楽しんできた。
 
 
 
日本初の船上美術館へ
 

きらめく海面を眺めながら横浜観光はもちろん、食事も楽しめるマリーンシャトル。2019年1月7日~3月31日まで船上美術館として『竹久夢二100選展』を開催。大胆にも船上を美術館にするという試みは、実は日本初。記念すべきアートイベントなのだ。鑑賞できる作品は、大正ロマンを代表する画家、竹久夢二(たけひさ・ゆめじ)の美人画や写真など、100点あまり。きらめく海と広がる空、横浜の街並みと大正美人画が作り出す、新しいアート空間を体験してきた!
 


この日に限って、雪が~~~~!!!

 
しかし・・・取材日は2月9日。そう、2019年の横浜で初積雪となったあの日だ。海風も相まって、寒すぎるー!
 
寒すぎる外から避難するように船の中へと逃げ込むと、あたたかーい。そして・・・
 


乗船した瞬間に目に飛び込む、竹久夢二の名画たち

 
そこは船の上の美術館だった!
よくここまで多くの竹久夢二作品を揃えられたなぁ・・・さぞかし大変だったのでは?と、船上美術館を企画した藤野康治(ふじの・やすはる)さんに話を伺う。
 


ズラッと並ぶ、竹久夢二作品は圧巻!

 
「竹久夢二作品を多く所蔵している画廊が、全面的に協力してくれたので、ここまで多くの作品を展示することができました。絵の他にも写真も揃っていますよ」と、藤野さん。
 


竹久夢二が撮影した、「夢二が愛した女たち」三部作

 
もともと洋画家だった竹久夢二だったが、いまいちパッとしなかったそう。生涯で唯一の妻・岸たまきが、自身も嗜んでいた日本画を描くよう夢二に勧めると、洋画を描いていたからこそ表現できる独特の世界感が際立ち、多くの人を魅了する作品が生まれるようになった。
 


岸たまきと結婚していなかったら、竹久夢二は有名にならなかったかもしれない

 
三部作のうち、あとの2名は夢二の愛人。若くして亡くなった笹井彦乃(ささい・ひこの)と、お葉(およう)だ。
 


多くの夢二作品のモデルとして登場する、お葉

 


若い頃の夢二は、今いてもおかしくない程のおしゃれな男

 
この船に乗れば、竹久夢二の作品の半分以上を鑑賞することができるのではないか?と思われるほどの充実っぷり。これからはすべて原画なのだろうか?と藤野さんに尋ねると
「原画は直射日光に弱いため、ここに置いてあるのは版画とアートプリントが中心です。原画の雰囲気により近いのは版画です。ただ版画も扱いに注意が必要で、日光に当たらないところを選んで展示しています」とのことだ。
 


日光が当たらないように配慮して飾られた作品が多い

いずれもとてもデリケートな作品。船上美術館を催すことはとても大変なのだ。
 
一通り鑑賞したところで、素朴な疑問を藤野さんへ伺ってみた。今回、日本で初めての船上美術館ということだが、なぜ竹久夢二の作品を取り扱うことになったのだろうか?
 
藤野さんは
「竹久夢二は、その昔、若い娘さんにとても人気のある画家でした。たしかに竹久夢二の描く和装の女性は、着物の色や柄、しぐさ、表情、どれをとっても、モダンでおしゃれですよね。
横浜では毎年『みなと横浜浴衣祭り』を開催しています。開催期間中は若い女性の浴衣姿をよく見かけるようになります。そんな機会に和装を楽しむ今ドキの若い女性にも、当時の着こなしが参考になればいいな、そして竹久夢二を好きになってくれれば嬉しいな、という想いから今回の企画が実現しました」と話してくれた。
 


アート作品から和装の着こなしを学べるなんて、目から鱗!

 
なるほど!当時のファッションを参考にすれば、着慣れない和装でも粋に着こなせそう。そして今回の『竹久夢二100選展』は、「みなと横浜浴衣祭り」を開催している横浜だからこそ実現できた企画なんだなぁ、としみじみ。
 


着席して、夢二作品と海のコラボを鑑賞できる

 


2階にある自由席中央の目立つスペースにも、作品が展示されている

 
竹久夢二の描く大正ロマン溢れる女性画は、船内のあらゆる場所に展示されていて、どこにいても作品を鑑賞できるようになっている。
 
貴重な作品を搭載したマリーンシャトルのスタッフさんも、いつもの運行とは異なり、さぞかし気苦労が絶えないに違いない・・・と、株式会社ポートサービス客船部の林孝丞(はやし・こうすけ)さんに、美術館開催中のエピソードを伺った。
 


林孝丞さん

 
「常に移動をしている船ですから、どうしても揺れて額縁がズレてしまうことがあります。お客様によい状態で鑑賞してもらうためにも、常に額縁がズレていないか気を配っています」と林さんはにっこりと答えてくれた。
 


船内から見える横浜の景色の船内放送も林さんの役目

 
通常業務をこなしながら、貴重な美術品にも目を配っているのだから、笑顔と裏腹に大変なお仕事に違いない。
 
実はこの船上美術館、通常の乗船料だけで乗船できる。そのため偶然マリーンシャトルに乗って、初めて竹久夢二展をやっていた、というお客さんが多いそうなのだが・・・
「それでも『船上美術館の船ですよね?』という問い合わせはあります。その方はバッチリ、夢二グッズも購入されていました」とのこと。
たまたま乗り合わせた乗客も、絵を楽しんだ後、お土産に夢二グッズを購入する方もいるそうで、
「ちなみにパタパタメモが人気です!」

というプチ情報も教えてくれた。
 


もちろん、グッズも船上美術館終了と同時に販売終了!キニナル人は急ごう!

 

 
偶然乗り合わせた乗客の反応は?
  
乗客の皆さんはどう思っているのだろう。
 


インタビューに応じてくれたファミリー

 
三連休で大阪から来たファミリーは「息子が乗り物好きで乗りました」と笑顔。
『竹久夢二100選展』を目当てに乗船した訳ではなかったが「えっ?日本で初めての船上美術館なんですか?」と嬉しそうだった。横浜観光ならではの思い出のひとつとして、記憶に残ったに違いない。
 


この日は「ここは日本海か?」と見誤るレベルで、雪が降る

 
取材日は雪のため、窓から見える景色はさながら冬の日本海。でも船内はとても暖かく、風情たっぷりのクルーズと、アート鑑賞ができる。もちろん天気の良い日には、まぶしい太陽ときらめく海が、夢二の絵に華をそえてくれるだろう。
 
そんな非日常的空間で夢二の名画を鑑賞できる、マリーンシャトル船上美術館。期間は2月28日から3月31日まで。2月12日(火)~2月27日(水)は、船がドックにはいるため運休となるので、2月28日(木)から乗船できる。横浜が誇るマリーンシャトルの期間限定の日本初の船上美術館を、堪能しよう。