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創業123年!伊藤博文から営業許可を得て開業した老舗「川村屋」の閉店の瞬間を取材!

創業123年!伊藤博文から営業許可を得て開業した老舗「川村屋」の閉店の瞬間を取材!

ココがキニナル!

はまれぽでもたびたび取り上げてきた、桜木町駅の駅そば名店「川村屋」が、3月31日に123年の歴史に幕を閉じた。その最後の瞬間見届けたい!(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

閉店を発表した3月に入ってから、駆け込み需要で連日大行列が続いた。最終日は笠原社長も手伝いに来て、閉店時は大勢のお客さんの前で最後のあいさつを行い、感謝を伝えた。

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ライター:山本航


桜木駅構内(改札口手前横)のある、駅そば屋の「川村屋」が3月31日に閉店した。はまれぽでは何度も記事を掲載した人気店だった。

2011(平成23)の駅そば特集で、笠原社長にそばへのこだわりを伺った。

2015(平成27)年には、その年の8月4日に起きた、神奈川新聞花火大会にまつわるエピソードをスタッフが教えてくれた。

そして2016(平成28)年は、川村屋名物の青汁について笠原社長が再登場して解説してくれた。


桜木町駅構内で長く愛されてきた


最後の取材となる今回、SNSでは閉店を発表してから最後にもう一度というお客さんが連日押し寄せ、スタッフによると「3月中旬から通常の3倍くらいの注文量が続いた」とのこと。

「昼ごはんを楽しみに行ったら、きす天もいなりもなかった」「仕事帰りに寄ったら、かけそばしかなかった」「夜はいつも長蛇の列」といった、悲しい叫びにあふれていたので、最終日はごった返して取材ができない危険を感じ、保険で閉店前日の30日朝7:30に行ってみた。

が、すでに大行列!


閉店発表してからは、店外も店内も終日大行列


しかし、まだ品切れはないようなので、券売機の列に並ぶ。

麺はそばとうどんの2種類。トッピングとサイドオーダーを選ぶ。青汁は前回の取材以降、倒産した後に生産を引き継ぐ会社が現れなかったため復活ならず。

そして自分の番に。まずは看板メニューである、「とり肉そば・うどん」(税込390円)を。トッピングの天ぷらで一番人気がきす天だ。次があじ天、その次がいか天。きす天は毎日、午前中に売り切れてしまうらしいので、迷わずきす天(税込170円)を選択。この値上げラッシュと品切れ続出の中、貴重な月見用の玉子(税込50円)を追加した。


あっさりした味わいで、朝から食べてももたれない


そして、明日の最終日はかけそばしかない可能性を考え、もう一品追加!二枚看板の「いなりセット」(税込570円)を購入。これは、かきあげそば・うどんに女性スタッフが毎朝手作りで詰めたおいなりさんのセットである。

麺の種類は「とり肉」をそばに、「いなりセット」をうどんにして、麺類制覇!


連日、午前中に完売するいなりセット


感染予防対策のアクリル板で仕切られているので、とても狭いスペースいっぱいに丼と皿が並ぶ。各座席には、川村屋の歴史と閉店のお知らせのスタンドが並んでいる。


お店の歴史と閉店のお知らせが全席に並ぶ


さて、まずは早朝から並んでお腹ぺこぺこなので、おいなりさんから。女性スタッフのみなさんが愛情込めてひとつひとつ詰めたいなりは、揚げに出汁がじゅわっと染み込んでいて、米粒が際立つ酢飯がぎっしりで、出勤前の人たちの胃袋に優しい味わい。まさに昭和の、おふくろの味。


ジューシーな揚げにぎっしり詰まった酢飯


そして、天ぷらうどんをすする。一般的に関東のそば屋の汁は関西に比べると醤油が強くて、味が濃いと言われるが、川村屋のそばは長い歴史の中で常に時代に合わせて、試行錯誤を繰り返してきているもの。

今のそばは、まるで手打ちのようにコシが強くてツルッとした噛みごたえの麺と、出汁の風味を損なわないように計算されながらもしっかりとした飲みがいのあるそばつゆの組み合わせ。うどんも同じように、麺と出汁のバランスに改良を施している。

大きくて分厚いかき揚げの衣に、この出汁が染み込んで、極上のうまさに。じゅうぶん堪能したところで、いなりをもう一個、頬張ると、口の中できつねうどんの要素も足されて、ゴージャスな競演に。


朝から贅沢な組み合わせが大人気


余韻を楽しみながらも、麺が伸びないうちに、急いでとり肉そばへ移る。まずは汁をすする。肉の脂が染み込んで、出汁がさらに深い味わいに。

とり肉も甘くて、これまた優しい味。まったく重くないし、ぷりっとした食感がうれしくなる。また、肉のギトギト感がないので、朝からぱくぱくいける。これが一番人気の所以たるところ。


やさしい味と香りが、朝から食欲をそそる


午前8時すぎ、食べている最中に厨房の中から、「いなり終わりましたー!」と声があがる。

朝8時に売り切れ!?さすが看板メニュー。頑張って早起きして、最終日の前に来ておいてよかった。明日はもっと早い時間になくなるだろう。
厨房には次々と、洗い終わった大量の大きな寿司桶が積み重なっていく。

毎朝、ご苦労様です!


空っぽになった大量の寿司桶が積み上げられていた


外のテーブルで食べていたご夫婦は、犬の散歩を兼ねて立ち寄ったそう。「食べていて、懐かしい思い出がいっぱい蘇ってきました」とインタビューを受けている間も、足元でワンちゃんたちがちょうだい!とせがんでいた。犬にもたまらない、おいしそうな匂い。最後はワンちゃんたちを抱っこして、自撮りしていた。


かつおだしがたまらんワン!


午前8時30分には、人気のきす天も売り切れた。食べといてよかったー!さあ、明日も楽しみだ。


通勤ピーク時間を過ぎても行列は減らない


そして日付は変わり、3月31日。ついに閉店の日を迎えた。この日は20時の閉店のときを取材するため、19時に来店した。最終日でごった返していたので、笠原社長がフロアと行列を切り盛りしていたのを見かけ、簡単にごあいさつを。


笠原社長(左)の姿を撮影する常連客もたくさん


連日、夜に行ってもかけそばしかないとSNSで話題になっていたが、この日は大行列にも関わらず、大量にかき揚げや天ぷらがケース内に並んでいた。

いつもの女性スタッフに聞いてみたら、「今月はいつもの3倍のお客さんが毎日いらっしゃるので、今日はそれよりも多く用意しました」とのこと。

しかし、やっぱりいなりとキス天は完売していた。そして、そばも売り切れた。


ついにそばが売り切れに


予想を遥かに超える行列に並び、最後の晩餐はあじ天とめちゃくちゃ悩んだが、ずいぶん久しく食べていなかった「いか天玉そば」(税込510円)に。

肉厚のいかがぷりっぷり!衣と卵を混ぜて、最高においしいつゆを堪能した。食べている間に、「あじ天終わりでーす!」と、笠原社長の声が響いた。


見よ、この巨大ないか天を!


食べ終わって外へ出ると、黒山の人だかり!みんな、最後の瞬間をお見送りに集まっていた。

ひときわ盛り上がって食べて、記念撮影していたグループに声をかけた。職場の先輩が若手を連れてきたようで、若手の女性陣はまだ食べたことがなかったというので、連れてきてもらったそうだ。

「シンプルでおいしかった!最後に食べられてよかった」「すごい人気でびっくり!もっと早くくればよかった」と語り、先輩は笑顔で喜んでいた。この先輩は、3月に入ってから4回目の来店という、川村屋愛のかたまり。


最後の一杯を味わう大勢のお客さんが外にも溢れる


こういったそれぞれの思い出がたくさん集まった、最後の瞬間。笠原社長とご家族が道路側の出入り口から出てきて、感謝のあいさつを行った。


暗い外での撮影で露出不足だが、晴れやかな笑顔が見えた


割れんばかりの温かい拍手に包まれて、改札方面からさらに人が集まってきた。改札側の出入り口は閉鎖され、閉店の案内が貼られた。

しばらくの間、名残惜しそうに記念写真を撮る人が絶えなかった。何人かに声をかけたら、みなそれぞれに昔の思い出や、好きなメニューを語って、寂しいと感想を漏らした。


閉店時間になっても行列は途絶えない


笠原社長に尋ねてみると、「閉店時間を過ぎてもたくさんいらっしゃるので、できるだけご案内したいと思っています」と、様子を見ながら閉店のタイミングをはかっていた。最終的に、20:10に案内を終了して、その時点で並んでいる方までとした。


とうとう、「閉店いたしました」の案内文が


そしてついに、最後のお客さんが注文を。横浜市在住の石垣さんも、長年通ってきた愛好者。お連れの方も、なごり推しそうにスタッフの方とお話をされた。

店内の券売機も、役目を終えた。
 


全ての販売が終了した


食べ終わってから石垣さんにお話を聞いた。横須賀出身で、学生のときから通っているとのこと。

「最後に大好きなイカ天そばを食べたかったけど売り切れていたので残念だったけど、天ぷらうどんが食べられてよかったです」と答える石垣さんは背が高くて体格も良く、イケメンで声も素敵だと思ったら、舞台役者をされているとのこと!

「この近くに稽古場があるので、よく通っていました」と語り、月見や天ぷら系が好みでよく食べたと思い出を話してくれた。


最後のお客さんとなった石垣さん


そして、閉店となった店内で笠原社長に感想を聞いてみた。

――まだ実感がわかないと思いますが、一言いただけますか。

「駅構内で商売するという、場所的な難しさと戦ってきて、疲れたというのが正直な感想です。ただ、この場所だからコロナ禍の打撃は一般店舗より少なかったし、なにより長い歴史で支えてくれたお客様方がいらしてくれたから、乗り越えられました」


閉店後も外には記念写真を撮る人が次々とやって来た


――閉店と聞いて、県外から戻ってきて食べに来た方もたくさんいらっしゃるし、みなさんたくさんの思い出の味だと話されています。

「味に関しては常に研究を重ねて改良してきたので、長く多くの方に愛されてきたのだと思います。生そばなどいろいろな日本そば屋があるなか、ここで商売する上で、『この値段でこの味を出すのに最良のもの』を作ってきた。また、たとえば会社の上司がここで食べているところを部下に見られたときに、『こんなところで食べていたよ』と言われないように、良い味のものを出して、器は陶器、コップもガラス製にこだわって使ってきた。『お金がないからこんなところで食べているのではなく、おいしいからここで食べている』と言えるように努力してきた」

と、誇りを持って経営してきたことを、改めてよかったと感じていた。


笠原社長(左)、学生時代からお世話になりました


――今後はどうされるのですか?

「まだなんにも考えられないので、とりあえず年中無休でやってきたから、休みたい。この場所も撤去されるし。ただ、後継者がいないので閉店するけど、これからでも後を継ぎたいという人が現れたら、喜んで引き渡したい」

という、うれしい答えが。ぜひ、実現しますように。


スタッフのみなさんもおつかれさまでした!






取材を終えて





コロナ禍の人流減少や、原材料高騰、土地再開発、後継者不足などにより、老舗飲食店の閉店が相次いでいる。

3月10日には、多くの市民に愛されてきた鹿児島市役所「鹿児島食堂」が、61年の歴史に幕を閉じた。コロナ感染拡大後には、1845(弘化2)年創業で江戸時代の茶屋から営んできた「割烹武蔵家」や、1947(昭和22)年開業でビアレストランの草分けである「レバンテ」、歌舞伎座の幕内弁当の代名詞だった1968(昭和43)年開業「木挽町辨松」も閉店。

さらに、大阪の名店から暖簾分けした1973(昭和48)年開業「東京美々卯」、漫画家のあだち充が常連で「タッチ」が生まれた場所として知られる1971(昭和46)年創業の「喫茶アンデス」など、多くの名店が看板をおろした。

筆者が最後の日をレポートした、現在のラーメンブームを作り上げた立役者でもある「中村屋」も、ひとまず日本撤退をして、現在は海外のみで運営をしている(この海外店舗である「IKEMEN HOLLYWOOD」が、新横浜ラーメン博物館で5月16〜6月5日まで出店決定!)。

しかし、1966(昭和41)年創業で、創業者が高齢のために閉店した「キッチン南海」は、最後に店を切り盛りしていた後継者によって復活を遂げていて、暖簾分けした店舗も営業を続けている。


いつの日か「川村屋」の屋号と味も、横浜のどこかで復活する日が来るのを、多くのファンが待っているだろう。まずは、お疲れ様でした!ありがとうございました!


ー終わりー

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  • 復活がきまったみたいなので続報をぜひ

  • 川村屋閉店はほんとうに残念です。3月は四回おじゃましました。とり肉そばが好きで最後に食べたかったけどいつも売り切れで食べられず、最終日はイカ天そばといなりをいただきました。出汁の効いた川村屋のそばがもう食べられないのは悲しいけど、最後に大勢のお客さんをさばいてたおばちゃん達お疲れ様でした。ありがとう

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