ライザップを超える? 「ハマザップ」は結果にコミットすることができるのか、横浜「最急坂」を激走!
ココがキニナル!
編集部・吉田がいっこうに痩せないため今話題沸騰中の「ライザップ」に学び、それを超える「ハマザップ」で結果にコミットできるのか?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜1位の急坂を、走るたびにタイムを縮め8秒台を叩き出す見た目とは裏腹な身体能力を見せつけた吉田は、おおいに肉を喰らい英気を養うのだった
ライター:永田 ミナミ
彼なりの努力
前回、ハマザップを始める前にまずはライザップを見学してみたいと、お願いしてみたら快諾してくれたライザップの寛大さに感謝しつつ大仏は鎌倉に戻った。
さあ、ハマザップのはじまりだ。しっかりやるんだよ吉田君
その夜、ライザップでもらった水素水と蒸し鶏のサラダと吉田の写真が届いた
届いた写真を見て、吉田が編集長らしい体格だけでなく責任感あふれる人格も持ち合わせていることを期待しながら座禅を組むこと数日、編集部・山岸からとある報告が舞い込んだ。
はっ、これは素晴らしく美味ながら麺の糖質とスープの脂質のあれではないか
「ああ、腹減った」ああ、何てつやつやした嬉しそうな顔をしているんだ
このすました表情はまずいぞ、いや決してまずくないのだがまずくないのがまずい
あちゃー、これじゃあハマザップにならないや。とはいえ美味しそう
あらら、鼻歌交じりに箸を伸ばしてしまったよ
おや、今日は何だかいつもと様子が違うような
そう、この日の吉田は「小ラーメン豚入り麺なし」に野菜とニンニクをトッピング(690円)していたのだった。信じていたはずの吉田を一瞬でも疑ってしまったことを大仏は恥じた。
これは麺を平らげた兵の夢の跡ではなく、順調に食べ進んだ光景であり
これはただひたすらに野菜と豚肉を平らげたところなのであった
ラーメン二郎の暖簾をくぐってしまうというそもそも論はさておいて、吉田なりの努力が大仏の胸を打った。
さらに山岸から「最近はわりとよく噛んで食べているようにも見えます」という話も聞き、頑張っているようだね吉田君、と大仏は深くうなずいた。そして翌週、大仏は再び立ち上がると横浜へと向かった。いよいよ本格的なハマザップのはじまりである。
私を天竺に連れてって
かねてから折に触れ「横浜急坂1位を見に行ってみたい」と言っていた吉田に「その坂なら私も聞き知っているよ。何ていっても名前が名前だからね」と大仏が応じたので、それならその坂を5本くらい走ろうじゃないかということになったのである。
瀬谷区相沢4-15にそびえる20°の最急坂は、その名も「天竺坂」である
場所はこの赤いラインである。付近には「ハイツテンジク」なる建物もある
さて、FMヨコハマを聴きながら関内から一路「天竺坂」を目指すこと小一時間、吉田は細い路地へとハンドルを切った。そしてゆるゆると進んでいくと「わああ」と声をあげた。運転席の視界から、崖のように道が消えたのである。
坂下に着くよう誘導していたつもりが坂上に来てしまった大仏は「あ、しまった」とつぶやいたが、吉田のうろたえぶりからするとどちらからでもよかったようである。
「底こする、底こする」と怯えながら降りて切り返し、坂下から眺める天竺坂
そして「おおお」と言いながらアクセルを踏んで坂を上り、吉田は車を降りた
吉田が坂を歩いて確認している間に大仏は坂の角度を確認
おお、4年ぶりに測ってもあいかわらず最も急な部分は20°だよ素晴らしい
吉田は坂の下まで降りてゆっくりとこれから走るコースを確かめていた
「後ろ向きに上ると疲れないとか言ってたよね」とご機嫌な吉田は
よしよし、と気持ちを高めながら坂を上っていった
伸びよ腱
吉田の衣装チェンジの間、近くにお住まいの方に天竺坂について聞いてみた
天竺坂は十数年前までは舗装されていなかったそうだ。舗装以前は道幅も現在よりだいぶ狭く、車が通れるほどの広さはなかったという。人が歩く道の中央部分は窪んでいて、雪が積もればもちろん、雨の日もぬかるんで滑り、歩くのは大変だった。
カートを引いて坂上にお年寄りの女性が歩いてきたので「降りるんですか」と聞いてみると「いいえ、私はもうここは降りられないわね」と笑い「こっちに行くの」と左の路地へと曲がっていった。
下界と天竺を繋ぐ坂の険しさよ、と感慨にふけっていると自転車の男性が現れた
男性は握りしめたブレーキが時おり悲鳴をあげながら何とか徐行を維持して
しかし慣れているのだろう、安定した姿勢で坂を降りていった
この急坂を、豊富な筋肉量の吉田君はいったい何秒で走るんだろうか
すると背後から「ふふふ、お待たせしました」と不敵な笑みとともに吉田登場
まあ、歩くのは嫌いですけどね。走るのは全然いいんですよ
最近サッカーやりたいんですけどね、1人じゃできないし時間もないし
大仏様はサッカーやったことあります? サッカーやりたいんですよねえ
「よし、じゃあそろそろ行くかな」各種の腱を伸ばし終えた吉田がつぶやいた
坂の上の天竺
充分にストレッチをおこない、サッカーをやりたい衝動に駆られていることも充分に語った吉田は、1本目の急坂ダッシュに向けてゆっくり下界へと降りていった。もし、多忙な吉田がたまに参加してもいいフットサルチームなどがありましたらご一報ください。
「何だか漂う風格がアスリートのそれっぽいなあ」と吉田の背中を見送る大仏
そして吉田は位置についた
それを見て大仏はストップウオッチとカメラを構えた。「用意」
「スタート」という合図とともに走りだす吉田。何という安定した姿勢だろう
そして吉田は
風になった
ぶれない上半身と機械のように精確に送り出される足、そしてまっすぐに伸びる腕
風になった吉田ロボはそのまま
大仏の前を吹き抜けた
何とタイムは9秒33。と言っても基準がないのでこの記録は速いのかどうか
そこで地図上で測ってみると、天竺坂の水平距離は34メートルほどである。これに、最大角度は20°をマークしているものの二段坂であることを考慮して、天竺坂全体の平均傾斜度を19°として計算してみると、天竺坂の距離は36メートルほどということになる。
それでもまだいまいちピンとこないが、19°の傾斜34メートルを9秒台で走るのはわりと速いかもしれないな。
大仏の皮算用をよそに脳内に惜しげもなく煩悩を広げ恍惚の表情の吉田ロボ
「つるつる、つるつるつる」とエア箸を口に運び、糖質への夢を果てしなく膨らませている吉田に大仏は提案した。「吉田君、ライザップでの学びによってさすがにラーメンはちょっとあれだけど、8秒台で走ったら肉を好きなだけ食べていい、というのはどうだい?」
「いいでしょう」吉田は不敵な笑顔を浮かべ食い気味に答えた