相鉄線の作業車両、「じゃりべー」とは?
ココがキニナル!
相鉄線天王町駅近くのいつも同じ線路上に【じゃりべー】なる車両があります。名前から察するに砂利運搬用?いつ動いているのか、他にも脱力系の愛称を持つ車両があるのか調査お願いします。(たこさん)
はまれぽ調査結果!
じゃりべーは砂利やレールを線路上の作業現場に運搬するための車両で、稼働は原則終電から始発までの数時間のみ。じゃりべーには兄弟がいた。
ライター:すがた もえ子
相鉄線天王町駅近くのいつも同じ線路上に「じゃりべー」という作業車両が停車しているという。「じゃりべー」という名前からすると、砂利を運んだりするのだろうか? いつも止まっているって、いったいいつ動いているのだろう。
インターネットで「じゃりベー」を調べてみると、どうやら相模鉄道株式会社の車両のようだった。じゃりべーを管理しているという相模鉄道へお話を聞いてみることにした。
待ち合わせたのは相鉄線鶴ヶ峰駅
じゃりべーはこの日、鶴ヶ峰駅近くの鉄道などを保守する区間である保守用側線に停車しているという。ご対応いただいたのは相模鉄道株式会社施設部工務センター保線区助役の富田邦弘(とみた・くにひろ)さん。
駅から5分ほどの場所へ停車していた
ヘルメットと安全ベストを着用して、保線区へ。すぐ横を通常運転の電車が通りすぎていく。
じゃりべーは4兄弟
「手前が『じゃりべー』、奥が『ばーるっち』です」と富田さんが指さす先には、レールを乗せた台車のような運搬車を挟んで2台の作業車両があった。
停車時の全体像がこちら。分かりにくいが赤丸で囲った左側にも作業車両がある
こちらがレールを乗せた運搬車
続いて、こちらがじゃりべーの車体
じゃりべーやばーるっちとは、作業車両の車体に描かれているカメのキャラクターの名前だという。
車体には、じゃりべーのイラストがある
じゃりべーと左から相鉄線保線区の持田さん、富田さん、保坂さん
じゃりべーについて富田さんに伺うと「じゃりべーと同じ作業を行う作業車両は、ほかに3台あります。そういった意味では4兄弟でしょうか」という。
「4兄弟というと、長男とか次男とかあるんでしょうか?」そう伺うと。残念ながらそこまで細かい設定はないとのこと。
「でも、4兄弟の中ではじゃりべーが一番古く、2007(平成19)年2月に納車されているので、長男になるんでしょうか」と富田さん。
2009(平成21)年に納車された、じゃりべーと同じ作業車両
同じようにカメのキャラクターが描かれていた。名前はじゃりすけ
じゃりべーのイラストは、現在は相模鉄道を定年退職した山片(やまがた)さんという社員が在職中にデザインしたものを採用しているという。社員が描いたイラストを車両に描く形で採用したのは初めてのこと。
「キャラクターがカメなのは、作業車両は動作がゆっくりなので」と富田さん。作業車両は時速35km以下の速度で運行する。速度はゆっくりだが、安全・確実に作業をしていくのだ。
じゃりすけのほかには、ばーるっち
じゃりベーと同時期に納車された、ばーるっちの車体
じゃりべーという名前の由来は、作業車両が運搬する「砂利」と、現場で砂利の容量として使う用語の「リューベ(立方メートル)」から名付けられた。じゃりべーが砂利を運搬する時は、コンテナ1車両につき6リューベの砂利を積み込み10車両つなげて運搬する。
ほかの兄弟たちも、スパナやバールなど現場で使う道具から名前を取っているが、作業内容はみんな同じ。
じゃりすけと同時期納車の、すぱなっちというキャラクターもいて
4兄弟のような扱いなのだそう
作業車両は主に西横浜、鶴ヶ峰、相模大塚、緑園都市、ゆめが丘にある保守用車両基地、保守用側線に停車し、そこから夜間現場へと出動していくのだ。