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横浜市内にある「愛」の名所と歴史的エピソードを教えて!

ココがキニナル!

横浜にまつわる有名な恋愛スポットなどありますか? 逸話・伝説など(hey Yさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜の歴史にまつわる恋愛エピソードに基づき、4ヶ所を厳選。この記事の話をしながらカップルで出かけるとお互いがホットな気持ちになれるかもしれない

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ライター:ナリタノゾミ

インターネットや数々の文献で情報を調べたものの、横浜には例えば江の島の「龍恋(りゅうれん)の鐘」(フェンスに恋人同士の名前を書いた南京錠をかけ愛を誓う恋愛の名所)のような有名な恋愛スポットが見当たらない。

そこで、横浜の地域に根付く民間信仰や、伝説、民話、逸話などをリサーチし、筆者独自の視点から、土地に隠された秘話を語らいながら訪れることでカップルの愛情が深まりそうな名所を4ヶ所、厳選した。

なお、現在パートナーがいない方には、いずれ連れ添うかもしれない相手のことを想像して読み進めていただきたい。



1.モレルの梅の木 ~山手・外国人墓地~



山手の外国人墓地に咲く不思議な梅の木の逸話をご存知だろうか。

明治初期、さまざまな外国文化を受け入れた横浜には、異国の技術を伝えるべく多くの外国人技師が訪れた。

イギリス人鉄道技師の、エドモンド・モレルもその一人だった。鉄道建築師長として招かれたモレルは、創業時の鉄道事業の企画立案に尽力した。1872(明治5)年、横浜と新橋の間に日本初の鉄道が走ったのも、モレルの功績によるものだ。
 


山手外国人墓地。生垣の外から


しかし、慣れない日本の生活で結核を悪化させたモレルは、鉄道の完成を見ずに29歳の若さで亡くなってしまう。献身的に看病を続けた「キノ」という日本人の妻も、夫の死後12時間後、追うように急性疾患で亡くなったという。

モレルと夫人が山手の外国人墓地に葬られると、誰かがその墓のそばに、二人の好きだった梅の木を植えた。
現在も語り継がれている逸話によると、不思議なことに一本の枝に紅白二色の花が咲いたのだとか。

人々は、二人の愛情の深さが咲かせたのだと噂した。
 


その珍しい梅を、人々は「連理の梅」と名付けた(イメージイラスト:ナリタノゾミ)


残念ながら、当初の梅の木は枯れてしまったというが、後にモレルの逸話にちなみ、梅の木「思いのまま」(紅白の花をつける品種)が植樹されたため、現在も早春になると美しい梅の花が墓所を彩っている。

故郷を離れ、鉄道事業に命を燃やし尽くした若者が異国の地で育んだ妻との絆。梅の木の逸話を生んだのは、夫婦の愛情の強さだったのかもしれない。そんなエピソードに思いを馳せると、パートナーの大切さを再認識できるのではなかろうか。

なお、山手外国人墓地は通常非公開であるが、3月から12月まで毎週土・日・祭日(雨天を除く)、12時~16時に外国人墓地募金公開を行っている。



2.カップルを見つめる道端の神様 ~二俣川・本村新明社



厚木街道沿い、相鉄線二俣川駅から鶴ヶ峰方面に15分ほど歩いた場所にある本村新明社の境内には、一風変わった道祖神がある。その風変わりなたたずまいから、恋愛成就の神としてカップルに親しまれていたというエピソードが残っている。
 


本村新明社


道祖神とは、道端や社寺の境内の中に見られる石塔の一つで、村と村人たちの安全を願って祀られたもの。市内にも随所に散見される。古くは、原始の時代から存在したともいわれている。

さて、同神社の境内にある道祖神の風変わりな点は、男女二人の合唱神であるところ。二人の神が、寄り添うようにして、道行く人々を見守っている。この形態の道祖神は区内でも数少ないものの一つだという。
 


男女の神が寄り添う道祖神は本村新明社の裏手に鎮座している


1983(昭和58)年発行の「あさひ区内散見」(大菊一太郎著)によると、この道祖神は古くは縁結びの神として親しまれ、この神によって結ばれた男女は必ずお礼に参りに訪れていたのだとか。
道祖神の二人がそれぞれ目を左右に向けているのは、カップルが仲良く一緒に訪れたかを確かめているため。一人でお参りに行くと、カップルは別れてしまうとさえいわれた。
 


ちなみに筆者は一人で取材に行ったので、もうだめかもしれない


もっとも、管理者の方にこの道祖神のことを尋ねるも、「こんな道祖神あったかな?」という反応だったのが、やや寂しい。
時代の流れの中で忘れ去られつつあるご利益ではあるが、この道祖神のもとで多くのカップルが生まれたのだとしたら、それだけで、縁起がよいといえよう。