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大都市地域特別区設置法が成立したことによって、県や市の構想はどうなる?

ココがキニナル!

大阪都に関する法律ができましたが、神奈川独立国構想や横浜市の特別自治市構想はどうなっていますか?(コロ丸さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神奈川県と横浜市の構想には、特別区設置の考えはないので、今回の法律を適用することはできない。そのため、それぞれ独自の構想を進めている。

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ライター:吉田 忍

8月28日、大都市地域特別区設置法が成立し、橋下徹大阪市長が目指す「大阪都構想」が実現可能となった。
この法律は、大阪都構想を基に成立したものだが、他の道府県でも適用できる。

神奈川県や横浜市も新しい地方自治制度を目指しているが、どのように進んでいるのだろう?また、今回、成立した法律に基づいて改革できるのだろうか?



大都市地域特別区設置法の内容を見てみよう



- 道府県の区域内において、市町村を廃止し特別区を設け、大都市制度の特例を設けることを目的とする。

- 道府県における200万人以上の政令指定都市や、隣接する市町村の総人口が200万人以上となる場合、道府県と関連市町村の合意のもとで、廃止・統合し、特別区を設置できる。

- 特別区を包括する道府県は、地方自治法その他の法令の適用について、都とみなす。

ここで言う「特別区」とは、現在の東京都に存在するような区で、二重行政の解消と共に、区の権限を大きくする事により、住民に近い行政を行い、問題解決の迅速化を行おうとするもの。

また、包括する道府県を都と見なすという内容により、東京都と同等の権限を認めている。
ただし、道府県を都と称することはできない。

条件は人口200万人以上ということなので、神奈川県はもちろん、横浜市もこの法律を基に改革が可能だということになる。但し、特別区を設けることが目的なので、この部分について、神奈川県や横浜市の構想と合うかどうかが重要になる。

ちなみに大阪では、大阪市、堺市及び他7市を統合して、20の特別区に再編成するという計画。一区あたりの人口は30万人程度となる。選挙で各区長を選び、選挙で選ばれた区議会議員による区議会を設置するとしている。

地域のことは地域で、そしてより住民に近い行政をという、地方行政のあるべき考え方が反映されており、地方行政改革のひとつの形として評価できると思う。

では、神奈川県や横浜市は、この法案の成立に対してどのような考えなのだろうか。



神奈川県の「神奈川州構想」



神奈川県政策局地域政策部広域連携課、川瀬課長にお話を伺った。
 


神奈川県庁
 

広域連携課入り口。県庁の廊下は節電のためかなり暗い


神奈川県は8月27日に、地方自治制度に関する県の指針「これからの神奈川県のあり方について(素案)」のたたき台を公表している。
9月末には「案」としてまとまるとのことで、まだ県のホームページなどには掲載されていないが、資料を見せていただきお話を伺うことができた。
 


神奈川県地方分権推進キャラクター「いちょう侍」※画像:神奈川県政策局


内容は、「道州制の考え方に基づき、神奈川県が単独で対象となる特区を目指す」というもので、神奈川県自体の枠組みは変えず、道州制議論における道州の権限を神奈川県として獲得しようとするもの。
「神奈川独立国」が「神奈川州」という表現になり、より実現性を帯びたものとなっている。
 


財源を国から地方へ※画像:神奈川県政策局


「同時に住民に身近なことは県から市町村へ権限移譲等を行う」としているが、大阪都構想のように、県内を特別区に再編成するという考えはないとのこと。

横浜市、川崎市、相模原市の3政令指定都市における行政運営を尊重しており、また、大阪府と大阪市のような大きな二重行政の問題がなく、役割分担やお互いの補完ができているため、としている。

各市町村への権限移譲については、現状以上に大きくし、住民に身近な市町村の行財政基盤を強化するという。
 


さらに市町村へ ※画像:神奈川県政策局


県の権限強化、県から基礎自治体(市区町村)への権限の移譲という考え方は同じだが、地域内で特別区を設置することを目的とする大都市地域特別区設置法とは異なるものであり、適用することはできない。

また、現在の道州制特区推進法では、北海道以外の3つ以上の都府県が合併したものとなっているので、神奈川県単独では実現できない。