県立図書館と中央図書館の使い勝手や意外な活用方法は?
ココがキニナル!
神奈川県立図書館と横浜市立中央図書館はとっても近所にありますが、はまれぽ独自の視点で両館の使い勝手や意外な活用方法を調査してほしい(紀州の哲ちゃんさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
両館は所蔵資料の傾向や施設の特徴から、目的によって使い勝手が異なる。イベントや立地のメリットを生かした活用が面白い。
ライター:ナリタノゾミ
横浜市西区にある横浜市中央図書館(以下「中央図書館」)と神奈川県立図書館(以下「県立図書館」)は徒歩約10分の距離に位置する。
膨大な数の蔵書を以って市民の生活に密着する中央図書館と、根強いファンの心を鷲掴みにして離さない県立図書館。
両館がともに利用者から親しまれているゆえんに迫る。
「広くまんべんなく」の中央図書館、「深く専門的に」の県立図書館
今回取材に応じてくれたのは、中央図書館から、調査資料課の中島さん、サービス課の飯塚さん、企画運営課の琴寄さん。
左から、中央図書館の中島さん、飯塚さん、琴寄さん
県立図書館からは、企画サービス部の大塚さん、古根村さん。
左から、県立図書館の大塚さん、古根村さん
それぞれの図書館マイスターたちに、まずは蔵書の特徴からお伺いした。
「力を入れている蔵書のカテゴリーはありますか」との質問に、「広くまんべんなく集めています」と、中央図書館の琴寄さん。
中央図書館は、一般利用者の直接的利便に資する運営を目的としている市立図書館の性質上、老若男女にとって身近な本をまんべんなく揃えることを目指している。
ちなみに市立図書館の蔵書数に関しては過去の記事を参照してほしい。
図書館の裏側でも、沢山のスタッフが膨大な数の資料の整理や管理に追われている
バーコードシールを貼る中央図書館のスタッフ
「日常生活の中の課題を解決できるような資料を集めてコーナーを設けています」。
例えば、中央図書館の4階に設けられた法情報コーナー・医療情報コーナーの図書は、職員の努力によって得られた情報に基づいて厳選されている。
情報更新の激しい法律関連書籍のピックアップをどのように行っているのか尋ねてみると、「法律図書に関しては、司法書士協会や法テラスなどに問い合わせをして、情報を集めています」とのこと。
情報を敏感に察知し、市民の求める情報の充実したフロア作りを目指している。
1階展示コーナーでは季節の本など子どもの読書を推進する図書がピックアップされていた
対する県立図書館では「研究書や専門書がメインで、娯楽向けの書籍はほとんどありません」と、古根村さん。
県立図書館は市区町村図書館への貸出しなどを通し、市区町村図書館をバックアップするという役割を担っている。そのため、一般市民が日常にあまり用いない専門的な資料や書籍を多く所蔵する傾向にあるようだ。
もっとも、そのような蔵書の中にも思わず手に取ってしまいたくなるような珍しいものも存在する。県立図書館の蔵書の特徴として、個人のコレクション、美術館図録、全国自治体史など、入手困難で珍しい書籍を寄贈により多く入手している点が挙げられる。
県立図書館の書庫内。昭和29年の開館以来収集し続けている全国自治体史