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洋光台の住宅地にある焼き鳥が絶品な隠れ家的ジャズ喫茶「ムーサ」に突撃!

ココがキニナル!

洋光台駅から徒歩5分くらいの住宅地にムーサという夜中まで営業している喫茶店があります。音楽喫茶?のような感じなのですが、常連さんでないと足を踏み込めない気配がします。(poporonさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

洋光台の住宅街にある「ムーサ」は、昔ながらのジャズ喫茶。夜にはお酒も飲めて、なんと焼き鳥が美味いという知る人ぞ知る隠れ家的な飲み屋だった!

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ライター:吉田 忍

ムーサはこんな感じの店

洋光台の住宅地にあるちょっと入りづらい喫茶店。それはイトーヨーカドーの向かい側、郵便局の横道を少し入ったところにあった。
 


ミントグリーン色で角地にあるので結構目立つ


中が見える大きな窓もなく、確かに少々入りづらいかもしれない。
 


近づいてみると「ジャズとコーヒー」の文字が。ジャズ喫茶のようだ


入ってみると、暗めに抑えられた照明の店内に少し大きめの音でモダンジャズが流れている。5人座れるカウンター席と、テーブルが6卓あり、25人ほど入れる。
 


落ち着いてゆっくりできるなと感じる店内


中に入って壁に貼られたメニューを見ると、アイリッシュコーヒーやウインナーコーヒーなどがならぶ。「あぁ、これは昔の喫茶店だ・・・」と遠い記憶がよみがえる。
 


今時のカフェでは見られないメニューがズラリ


コーヒー(450円)と、店名がつけられた「ムーサドッグ(2つで450円)」を注文してお話を伺うことに。
 


これがムーサドッグ


ムーサドッグは、ゆでタマゴを粗くつぶしてマヨネーズであえたものを挟んだドッグと、豚バラ肉にコショウを効かせて玉ねぎと炒めたものを挟んだドッグのセット。2つで450円と安いが、25年前から価格据え置きでやっているそう。

豚バラ肉のドッグは初めて食べる味だが、なかなかウマい。伺うと、小腹がすいたときに奥さんが作ってくれて、それが美味しかったので店のメニューにしたのだとか。
 


丁寧にドリップで落としてくれるコーヒーも美味しい


懐かしい雰囲気の中で、バド・パウエル(モダン・ジャズピアノの祖と称されるジャズピアニスト)の小気味良い演奏を楽しみながらコーヒーを飲んでいると、マスターがテーブルにきてくれた。
 


○○○バックスや○トールなどでは絶対に味わえないコーヒータイム




マスターはこんな人

マスターは萩原正(はぎわらただし)さん。

「この店は今年で40周年になります。私も今年でちょうど70歳なので、店を始めたのは30歳のときですね」
 


今年古希(70歳)を迎えたという萩原マスター


マスターは洋光台で生まれ育った。40年前に洋光台周辺の再開発が行われ、区画整理で持っていた土地の代替地として割り当てられたのがこの場所。

「高校生の時に当時若葉町にあったダウンビート(現在は野毛にあるジャズ喫茶)や、ちぐさ(今も野毛にあるジャズ喫茶)によく行って、ジャズが好きになったんです」とマスター。そこで、最初からジャズ喫茶をやりたかったのかと聞くと・・・

「デザイナーになろうと勉強もしたんですけど、芽が出なくて・・・。30歳になって、そろそろ真面目に将来のことを考えなきゃっていうときに、家の場所が変わって建て替えることになりました。それをきっかけに好きだったジャズ喫茶をはじめようと思ったんです」とのこと。

「絵とジャズは表と裏の趣味だったんですよ。最初は絵が表でジャズが裏だったけど、開店してからは反対になっちゃった」

そういえば、店内には多くの絵画が飾られている。
 


マスターが描いた油絵


もちろんジャズが好きなお客さんが多いが、絵や写真などアートを趣味にするお客さんもよく訪れるそう。

「お客さんの絵や写真も飾っています」
 


店内にはお客さんの作品も


40年前の開店と聞いて、改めて外観の形や店内の細部を見ると当時は驚くほどオシャレなお店だったのではないかと思う。さりげなく凝った作りなので、歴史を重ねた今も個性があってくつろげる空間だ。

「ジャズ仲間の設計士に任せて建ててもらいました。独身だったので裏と2階の住居部分の使い勝手をまったく考えないで作ってしまって、2階の部屋は6角形なんです。すごく使いづらいんですよ」と笑う。
 


2階の部屋は特に奥さんに評判が悪いらしい。確かに掃除などしにくいだろう


店名のムーサは、芸術の女神ミューズ(Muse)のラテン語(Musa)から採ったとのこと。ちなみに、Music(ミュージック・音楽)やMuseum(ミュージアム・博物館や美術館)の語源である。