異色のご当地ラーメン!? 平塚タンメンとは?
ココがキニナル!
ご当地ラーメンの平塚のタンメン。野菜が沢山入ったタンメンではなく、スープにお酢が入ったとてもシンプルなラーメン。老郷とラオシャン2つの系統がありますが、何故2つ。調べて下さい。(さいぞ~さん)
はまれぽ調査結果!
老郷とラオシャンは別のお店。老郷本店の元祖タンメンは味もやさしい、体にもやさしい手間をかけた分だけ、おいしさをきちんと感じられる一杯だ
ライター:酒井 明子
タンメン・・・と聞くと、都内出身のライター・酒井が思い浮かべるのは、野菜たっぷりのラーメンだ。しかし平塚にはそうではない、独自のタンメンが存在するという話を耳にした。
ラーメン好きとしてはキニナル話だと思い、さっそく調査開始。
同じ名前で同じ麺類なのに、中身が違う・・・?(タンメンイメージ)
まず、投稿によると2つの系統があるというが、系統とはなんのことだろう。
横浜の家系ラーメンでいう直系、壱系みたいなことだろうか?
それぞれのお店に関係性について聞いてみたところ、まったく別の店であり、平塚タンメンにそもそも系統はないそうだ。
そこで今回は、創業1957(昭和32)年の元祖と言われる老郷(らおしゃん)本店に平塚タンメンを食べに行った。
いざ、元祖タンメンに会いに!
平塚駅西改札口から徒歩30秒
今回の目的地は、平塚タンメン発祥の店と言われている「老郷 本店」。平塚駅の西口改札からすぐのところにあった。ちなみに間違えて東口改札からでると、かなり遠く迷うので注意!
マンションの1階が店舗に
老舗と聞いていたのに、店構えが新しい・・・と思ったが、マンションの建て替えに伴い、3年ほど前にリニューアルしたとのことだ。ということでさっそく店内へ!
入り口すぐのところに券売機を発見
店内にはカウンター16席と、テーブル席が2つあった。券売機で食券を買って、席で渡すシステムのようだ。なににしようかと思い、壁にあるメニューを見ると・・・。
メニューは2品のみ! しかも安い!
メニューは「湯麺(タンメン)(550円)」と「餃子(500円)」の2つのみ! 迷う必要はなかったが、この2品だけで勝負しているとは、一体どんな料理がでてくるのかと期待が大きくなる。さっそく食券を購入して、注文をしてみることにした。
前に注文したお客さんの麺をゆでていた
「麺をザルに入れてゆでないんですね」とつぶやくと、パスタ、うどん、そばと同様に、ラーメンの麺も本来は泳がせてゆでるものだと言われた。
調理をするのは店長の岩間和治(いわま・かずはる)さん
岩間さんは父、母に続き、この店を継いだ3代目の店主。60年以上も続く店の味を、創業当時から変えずに守っているという。創業者の初代のこだわりは「お金を払ってわざわざ食べに来てくれるお客様を最優先する」こと。店側の手間やコスト削減を考えるのではなく、おいしくて健康にもいいもを提供するという想いがあるそうだ。
そのためにまずこだわっているのが、素材だという。
岩間さんの手には白い麺が
同店で扱う素材は、すべて無添加、無着色のいわゆるオーガニック。麺は保存がきかないため、毎日工場で必要な分だけを作っている。防腐剤も使っておらず、小麦粉と塩だけで作られているので麺は白く、生麺なのでコシがあり伸びにくいという。
無添加なので「麺を食べるとアレルギーが出る」と悩んでいた子どもが食べても大丈夫だったというエピソードもある。
もちろん、酸味の効いたスープも化学調味料を一切使用していない。
酢の入ったタレと、醤油と塩にだしがたっぷりのタレの2種類をブレンドし、とんこつベースのスープをかけ、仕上げる。
最初からこの味かと思われがちだが、昔は牛乳などを入れ試行錯誤・・・。現在ではまろやかさとさっぱりさを融合させた味わいになっている。
タンメンの中には刻みタマネギも入っている
タンメンに入っているタマネギは全国から、そのときが旬なものを取り寄せて使用。人と同じことが嫌いな店主が、オリジナリティーを求めてタンメンにタマネギを入れたのがはじまり。このタマネギはラーメンだけでなく、餃子にも使われているとのことだ。
仕上げにワカメを乗せて・・・
上に乗っているワカメは三陸産のものを使用。2011(平成23)年の東日本の震災直後は手に入れることができずほかのワカメも試したが、タンメンにはやはり三陸産が相性抜群だと改めて認識させられたという。
実は「ワカメの乗ったラーメン」・・・というよく見かけるメニューは、この店が発祥とのこと。初代が「面もスープもオリジナルだから、メインの具もオリジナルにこだわりたい」と麺とタマネギだけのシンプルなタンメンに合うよういろいろ試した結果、定着したらしい。ちなみにメンマは、ワカメとタケノコの相性が良いからのせたそうだ。
岩間さんいわく、お客様の健康のために素材にこだわるのは当たり前! その上でおいしく食べるために、先ほどのように茹で方などの調理法にも信念をもって取り組んでいる。先代からのお客さんも多く、2品でも60年以上人気店である理由は、このこだわりにあると感じた。
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