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ハマの五輪開催迫る! 2020年オリンピックを支える人々とは(運営編)

ハマの五輪開催迫る! 2020年オリンピックを支える人々とは(運営編)

ココがキニナル!

開催まで2年半に迫った東京五輪では、横浜や江の島も競技場に! 準備状況は?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

今回はボランティアや大会前の取り組みなど、ソフト面での準備を紹介。全3回のシリーズでお送りします。

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ライター:はまれぽ編集部

日本が冬季五輪で過去最多のメダルを獲得し、熱狂のうちに幕を下ろした平昌(ピョンチャン)オリンピック。そして盛り上がりを見せる平昌パラリンピックと、まだまだスポーツの祭典は続いている。
 


カーリングの躍進に日本中が大盛り上がり!(写真は過去記事)

 
国中を挙げてのお祭り騒ぎとなるオリンピック。2020年の大会でも、日本では開催期間中、プロ野球公式戦がすべて中断されるなど、国家的なイベントになるのは間違いない。

それでも、あくまでも五輪開催の主体は都市。中心になるのは東京都とはいえ、2競技が行われる横浜も、「開催都市」として他人事ではいられない。スタジアムの改修などハード面での準備状況は前回お伝えした

さらに、野球・ソフトボールは横浜スタジアムが主会場になるのに加え、横浜国際総合競技場(日産スタジアム)ではサッカー(男子)の決勝戦が行われることも内定したようだ。
 


サッカーの世界最強チームがここで決まる!

 
2019年のラグビーワールドカップに続いて、もっとも盛り上がる決勝戦の開催が決まった横浜国際総合競技場。だが、この二つのビッグイベントでは対応も違ったことになりそうだ。
 


どちらも人気スポーツなのは確か(写真は2016年リオ五輪のパブリックビューイング

 
ヨーロッパなどで人気の高いラグビーは、紳士のスポーツと言われ、客層も「高所得者層」が多い傾向がある。日本でのワールドカップを観戦に来る観客も、高額なツアーやホテルへの宿泊が見込めるということだ。

一方で、サッカーは同じく人気スポーツだが、いい意味でも悪い意味でもファン層が広い。2002(平成14)年のFIFAワールドカップが日本で開催された際にも、荒っぽい応援や周辺でのトラブルが報じられた。

競技場などいわゆる「ハード」は同じでも、行政としての対応「ソフト」の部分は、ラグビーワールドカップとオリンピックで異なったものになりそうだ。



求められるボランティアのパワー

まず共通するのは、徹底した警備体制の確保。横浜の会場には世界中の選手や観客、要人が集まることになる。その警備の厳重さは想像に難くない。
 


日本シリーズ開催時にもスタジアム周辺では厳重な警備が

 
会場ごとの警備の詳細はまだ確定しておらず、また、警備体制の確保のために計画は公表されない見込みだが、横浜市を含む「東京都以外」の競技場全体で、約380億円の費用が掛かると言われている。

その内訳は、入場時のX線検査機や監視カメラなどの設置費、警察や消防など公的機関の人件費など。経費分担については、会場ごとに協議を行っていくことになり、横浜市も一定の負担を求められることになるかもしれない。

さらに、会場周辺の交通整理や観光案内など、必要なマンパワーは多岐に渡る。そうした中で力を発揮するのが、今後募集を開始する「ボランティア」の存在だ。東京オリンピック・パラリンピックでの活躍を見込んでいるボランティアの数は、全体で約11万人にのぼる!
 


逆に言えば、それだけの人の協力が必要ということ(写真は横浜マラソンの様子)

 
ボランティアは基本的に無償で協力をしてくれる人。世界中からの観光客を迎えるためには多言語対応ができる人材も必要になることから、東京都などでは「ボランティア育成」を進めており、大会時の担い手確保に懸命だ。

それでは、横浜で活躍するボランティアはどのような人々なのだろう?

まず、オリンピック・パラリンピックのボランティアは、「大会ボランティア」と「都市ボランティア」に分かれている。
 


役割が異なる2種類のボランティアがある

 
「大会ボランティア」は、五輪組織委員会が募集し、競技会場や選手村などの大会施設で活動する人々で、会場内での観客の案内や運営のサポートなどを行う。
2018年夏に募集要項を発表し、9月から参加申請を受け付ける予定。全国からボランティア希望者を募ることになる。

一方、「都市ボランティア」は基本的には東京都が募集するが、会場を持つ自治体も募集・運営を行う。横浜市が募集する必要があるのは、こちらのボランティアだ。

都市ボランティアは、会場周辺での観光案内や、観客の誘導などを行う。競技場の外での仕事は彼らに任させると考えていい。
現時点では、「大会ボランティア」と「都市ボランティア」の役割分担が明確でない部分もあるため、大会組織委員会の方針が固まり次第、横浜市でもボランティアの募集や準備を進めていく考えだ。

もう一つ、都市ボランティアの役割として挙げられるのが「ライブサイト」の運営。
 


ライブサイトとは?(写真は東京都のイメージ)

 
オリンピックやパラリンピックの会場周辺に作られる「ライブサイト」は、大画面で競技を見ることができるパブリックビューイングを中心に、イベントやキャンペーンなどがセットになったサテライト施設。今回の平昌五輪のタイミングでは、東京や宮城県の仙台駅、福島県の郡山駅などにライブサイトが設置され、競技中継やアスリートトークショー、競技体験などが楽しめるゾーンに。
 


ラグビーの「ファンゾーン」にも近い

 
横浜市でのライブサイト設置について、横浜市市民局スポーツ振興部スポーツ振興課の石川武史(いしかわ・たけし)担当課長によれば、「IOCの承認が必要な施設なので、勝手には開催できない。まだ方針が出されておらず、現段階では未定です」とのこと。

ライブサイトは大会の公式施設になるため、リオ大会開催時にも戸塚区などで行われた通常のパブリックビューイングに比べて、スポンサー関連の制約などが強くなるという側面もある。一長一短だが、東京以外の自治体にも設置される可能性が濃厚だ。


世界からの来客を受け入れると考えれば、横浜でも相当数のボランティアが必要になりそう。見通しは立っているのだろうか。
 


市民の協力がカギ(横浜市民マラソン2016)
 

「横浜では世界トライアスロンシリーズ横浜大会や横浜マラソンなど、世界からの人が参加する大会が多く、ボランティアの方々の協力によって運営が行われています。また、2017(平成29)年からは『横浜ボランティア協議会』を設立し、ボランティアの募集を募っています」と石川担当課長。惜しくも開催中止になった2017年3月の横浜マラソンでも7000人以上のボランティアが参加予定だったという。

また、横浜では2002(平成14)年のFIFAワールドカップの経験から、ボランティア参加者も運営側にもノウハウがある。市民から協力を得られる下地が整っているのだ。