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人口が急増する川崎市武蔵小杉駅周辺エリア。人口増加に伴う影響は?

人口が急増する川崎市武蔵小杉駅周辺エリア。人口増加に伴う影響は?

ココがキニナル!

川崎がついに神戸を人口でも越えましたので、多分武蔵小杉が一番だとは思いつつも、急に人口増加した町を中心に取材して下さい、出来ればその町の住人の反応ものせて欲しいです。(ホトリコさん)

はまれぽ調査結果!

川崎市の人口が政令市第6位に浮上したのは、武蔵小杉駅周辺エリア(中原区)への人口流入による。他方ラッシュ時の武蔵小杉駅には乗客が溢れ、人口増加に伴う都市生活への弊害も生じている。

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ライター:池田 恵美子

川崎市は、2019(令和元)年5月1日現在の同市の人口(152万6630人)が、全国6位だった神戸市の人口(152万4749人)を1881人上回ったと発表した。また、川崎市の発表資料によると、「平成になって初めて実施された平成2年国勢調査結果と平成30年の10月1日現在の推定人口を政令市で比較すると、川崎市の人口増加率は29.22%で20政令市中最も高い増加率になっている」とのこと。

 

人口上位10政令市(川崎市発表資料より)
 

川崎市の人口の歩み(川崎市発表資料より)
 

同市7行政(川崎区、幸区、中原区、高津区、宮前区、多摩区、麻生区)のうち、最も人口が多いのが武蔵小杉エリアのある中原区の26万1004人(13万2783世帯)。現役世代に当たる15歳以上65歳未満の生産年齢人口が最も高いのも中原区の特徴である。

 

各区の人口推移のグラフ。オレンジ線の中原区は人口が増加している(川崎市資料より)
 

全国的に人口が減る中、中原区の人口が多いのは、武蔵小杉駅周辺エリアなどでタワーマンションを核とした再開発が進んだことで、人口が急増した背景があるようだ。

 

武蔵小杉駅周辺の地図
 



11年ぶりに「小杉小学校」が新設



人口が増加している中原区では、2019年4月4日、新設されたばかりの川崎市立小杉小学校(小杉町2丁目)の入学式が行われた。市立小では11年ぶりの新校で、保護者や来賓、2年生から6年生の児童らが見守る中、約100人の新1年生が入場した。

同校は、日本医科大が再開発を計画中の武蔵小杉駅北側に位置し、武蔵小杉駅から徒歩8分のところにある。
鉄骨・一部鉄筋造りの5階建てで、外壁や内装に木材がふんだんに使われている。小学校の誕生は、変貌著しい武蔵小杉周辺エリアを象徴しているかのようだ。

 

 

11年ぶりに新設された川崎市立小杉小学校。近くのタワーマンションも見える
 



人口増の背景にタワーマンション林立



武蔵小杉駅に近づくと、車窓から見えるタワーマンション群が迫ってくる。現在、武蔵小杉駅周辺エリアには高さ100メートルを超す超高層マンション(タワーマンション)が10棟あり、さらに4棟の新設が決定しているという。そういえば、2016(平成28)年夏に公開された映画『シン・ゴジラ』にも武蔵小杉のタワーマンション群が登場していた。

川崎市が武蔵小杉駅周辺エリアの再開発を打ち出したのは、約30年前。元々この地域は、京浜工業地帯の一角として、NECや不二サッシの工場や企業社宅などが点在していた。しかし、バブル崩壊の影響を受け、工場の撤退や他県への移転する企業が相次ぎ、その跡地に建築されたのがタワーマンションである。

 

東急線武蔵小杉駅を出ると見えるタワーマンション
 



武蔵小杉、住みたい街へ



ここ数年、武蔵小杉は、不動産会社などの調査による「住みたい街ランキング」の上位に名を連ねテレビなどでも取り上げられ、人気の街に進化している。

その第一の理由が都心までのアクセスの良さ。武蔵小杉駅は、JR(南武線・横須賀線・湘南新宿ライン)と東急線(東横線・目黒線)あわせて5路線が乗り入れ、東京駅・渋谷駅まで約20分で行くことができる。ただ、南武線改札口から入り横須賀線ホームに辿り着くには約10分を要し少々不便だ。

駅周辺には、イトーヨーカ堂系列のグランツリー武蔵小杉をはじめ、武蔵小杉東急スクエア、ららテラス武蔵小杉などの商業施設が建ち並んでいる。
また、近くには武蔵小杉法政通り商店街やサライ通商店街があり、往時の懐かしい雰囲気を漂わせている。
商業施設や商店街が駅近くにあるのも、武蔵小杉の住みやすさのひとつなのだろう。

 

グランツツリー武蔵小杉(写真右)とタワーマンション
 

法政通り商店街の人達がいつも花の手入れをし、春には川沿の桜が美しく咲き誇る
 

法政通り商店街には、行列ができるラーメン店もある
 

サライ通商店街には、中華料理「Restaurant μ」などの美味しいレストランが並ぶ
 



再開発のコンセプトは「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」



都心までのアクセスがよく、生活がしやすい魅力的な武蔵小杉周辺エリア。このエリアの再開発の柱になっているのが「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」だ。これは、商業・業務・文化交流・医療・文教・都市型居住等の機能を集積させることで効率的なまちづくりを行うというもの。

そのため、再開発と相まって2013(平成25)年に駅前複合ビルに移転開設した市立中原図書館をはじめ、中原市民館、中原区役所、川崎市総合自治会館、川崎市生涯プラザ、川崎市平和館などが徒歩圏内に点在する。

 

駅前のタワーマンション1・2階にある中原市民館・かわさき市民活動センター
 

筆者は、2017(平成29)年に開催された、川崎市教育委員会が主催するワークショップ「武蔵小杉のまちを実際に観察してみる」を取材したことがある。

その際、川崎市まちづくり局拠点整備推進室の職員が水先案内人となり、まちづくりのコンセプトを次のように説明していた。「武蔵小杉駅を中心とするさまざまな都市機能がコンパクトに集積する、歩いて暮らせるまちづくりを推進しています。土地の計画など高度利用を推進し、エコ化による持続可能なまちづくり、質の高い魅力あるまちづくりを目指しています」

 

年間120万人以上の老若男女が利用する中原図書館。駅直結で便利
 

駅から徒歩8分ほどの中原区役所
 

小杉町3丁目に建築中のタワーマンション