横浜市営地下鉄「北山田駅」「東山田駅」、なぜ「やまた」と読む?
ココがキニナル!
横浜市営地下鉄グリーンラインの「北山田」「東山田」駅名は「きたやまだ」「ひがしやまだ」ではなく「きたやまた」「ひがしやまた」になっていますが、なぜ「やまた」なのでしょう?(kimjunさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
駅が建設された町名が、もともと「きたやまた」と「ひがしやまた」でした。近くにある桜の名所も江戸時代から濁らなかったようです。
ライター:河野 哲弥
「北山田駅」と「東山田駅」はどこにある
横浜市営地下鉄ブルーラインとグリーンラインの乗換駅として、「センター北駅」と「センター南駅」があるのはご存じだろう。
今回投稿にあった「北山田駅」は、その「センター北駅」からグリーンラインに乗り、日吉方面に進んだ隣駅である。「東山田駅」は、そのさらに先となる。
グリーンラインの路線図の様子
この路線図を見ると、確かに「Kita-yamata」とある。山田と書いて「やまだ」はよく見るが、「やまた」というのは珍しい気がする。
何か理由があるのだろうか。さっそく横浜市交通局を訪ねてみた。
秒殺で解決、もともとの町の名前が「やまた」だった
対応いただいたのは、同局技術管理部施設課の黒崎さんと、総務課の大木さん。
大木さんは以前、「市営地下鉄の運賃体系の記事」の時にもお世話になりました。
いつも、ありがとうございます。
今回は、黒崎さんに撮影協力いただいた
さて本題。
同局によれば、グリーンラインが開通したのは平成20年の3月30日とのこと。その建設にあたって、地元の方に向けた説明会などが、事前に開かれたそうだ。駅名は、こうした地元とのコミュニケーションの中で、要望として出されるケースが多いらしい。
こうした要望の中には、「都筑ふれあいの丘駅」のように、地域周辺の愛称という例外もある。
しかし、一般的なのは、やはり長らく親しんできた「町名」らしい。
今回は、どのような理由だったのだろう
「北山田駅」と「東山田駅」の場合は、この後者のパターンに該当するそうだ。
「町名」の読み方も含め、そのまま採用したとのこと。
さらにお隣の「高田駅」も「たかた」と読むが、こちらも理由は同じなのだとか。
何だかあっけなく結論にたどり着いてしまったので、グリーンラインについて、もう少しお話を伺うことにした。
グリーンラインは、リニアモーターカー?
黒崎さんにお願いしたところ、意外な事実を教えてくれた。
実はグリーンラインは、通常の電車のように、モーターで車輪を駆動して走っている訳ではないという。
グリーンラインの線路の中央に、板のようなものが敷かれている
この板のように見えるものは、磁石の役割をする金属板なのだとか。そして、車体の方に「プラス」と「マイナス」を替える、もう一方の電磁式磁石がついている。
グリーンラインは、これらの磁石を利用したリニアモーターカーの一種なのだ。従って、駆動輪は存在していない。
では、どうしてこのような駆動方式を採用したのだろう。
これは、グリーンラインが「横浜環状鉄道構想」の一部であることと関係しているそうだ。この計画は「本牧に鉄道が開通するのはいつ?」の記事でも取り上げているが、元町中華街-根岸-上大岡-東戸塚-二俣川-中山を結ぶというもの。
しかし現状は部分的な開通にとどまっているため、建設費をできるだけ抑えたかったそうだ。このため、グリーンラインでは、小型の車両を使用している。そして、小型車両ならではの効率的な推進方式として、リニア駆動を採用しているとのこと。
なお、将来的に「横浜環状鉄道」全線がリニアになるかどうかは不明だが、実はリニア方式の方がパワーもあり、勾配の多いグリーンラインには適しているそうだ。