大豆戸町あたりにある神社の社跡のようなものは一体なに?
ココがキニナル!
大豆戸町あたりに、地図にも名前がない神社の社跡のようなものがあり不気味です。石造りの鳥居も建っているのに、当の神社は土台しか残っていません。由来とどうしてなくなったのかが気になります!(がこさん)
はまれぽ調査結果!
社跡のようなものは、2003(平成15)年5月に火災で焼失してしまった大豆戸不動尊の跡。この不動尊は200年以上前からあったようだが由来は分からない
ライター:橘 アリー
神社ではなくて不動尊!? (つづき)
建物の基礎は、コンクリートが割れた部分を利用して、花が植えられている。
まるで花壇のようにみえる
地域のボランティアの方が植えているそうだ
青いホースが見えるので、それを辿って行くと、すぐ近くで水が湧いているようだ。
ホースで、花壇(?)に、水が引かれている
水は草が生い茂っている方向から流れているようだ
ちなみに、左の階段を登って行くと、見晴らしの良い場所に出る。
冬の晴れた日は、ここから富士山が見えるそうだ
雑然と置かれている水鉢や石灯籠は、確かに不気味な感じがするし、建物跡は花壇のようになっていて、何とも不思議な状態である。
ここは、一体、どのような場所なのだろうか?
鳥居に不動尊と書かれているので、不動尊であることは間違いないようである。
神社と思っていたので見落としてしまったが、もう一度、港北区の遺跡に関する本で調べてみると、正式な名前は、大豆戸不動尊というようである。
ちなみに、不動尊とは大日如来という全ての中心になる仏様の化身と考えられており、民衆の救済にあたっている仏様である。
更に詳しく、ここがどのような場所であったのか、近所の方にお話を伺うことに。
放火で建物が焼けた!?
この地域に50年位住んでおられるという池田さんによると、ここは湧水が出るので、お不動さんが祀られるようになったと伝え聞いているそうだ。
以前には、不動尊が祀られている建物があり、お祭りの時などは、その周辺でお汁粉などがふるまわれ、楽しいひと時を過ごしたと話してくれた。
その建物は、不動堂という名前であったそうだ。
なぜ、現在は不動堂が無いのか聞いたところ、なんと、放火されて焼失してしまったそうである。
放火について、さらに詳しく、ご近所で聞いてみた。
不動尊の階段からみたご近所の様子
代々この土地に住み、不動尊のお世話をしているというKさんによると、放火があったのは、平成15年5月21日のこと。
その日の夕方6時頃、60歳代位の見知らぬ男性が、「お不動さんが燃えていますよ!」と、Kさんのお宅に言いに来たそうだ。
消防車も駆け付け、Kさんも自らバケツに水を入れて消火にあたったという。
しかし、残念なことに、不動堂は焼失してしまった。
今回、写真を探すことが出来なかったが、焼失してしまった不動堂は、平屋で四方に廻り廊下があり、小さいが立派なものだったそうだ。
尚、また同じような事があるといけないので、不動堂を立て直す計画は無いようである。
中にあったご本尊も焼け焦げてしまったが、現在は、大豆戸にある本乗寺というお寺に安置されているようである。
本乗寺の外観
ところで、大豆戸不動尊は、いつ頃からあったのだろうか?
修行場があった!!
大豆戸不動尊について調べたことがあるという、大倉精神文化研究所の平井さんにお話しを伺った。
研究部長の平井誠二さん
平井さんによると、水鉢や石灯篭などが造られた年月などにより、大豆戸不動尊は、少なくとも200年以上前からあるのではないかということだが、由来までははっきりと分からないとのこと。
また、階段横には修行場があるという。高さ3m位のところから滝が落下していて、その上には、不動明王の座像が置かれている。そして滝口には、龍の顔が模られているらしい。
草が生い茂って隠れているが、右側が修行場
よく見ると、不動明王と龍の滝口を確認できる
龍だそうだが、とても哀れな姿にみえる
草をかき分けて行かないと姿が見えない
この不動明王像は昭和61年に作られたようだ
まとめ
不動堂に放火するなどという人がいるとは、本当に驚きである。なぜ、そのようなことができるのだろうか?
そして、江戸時代から地域を守ってくれていたという大豆戸不動尊も、今の姿はとても寂しく感じた。
― 終わり ―
祝人さん
2012年08月16日 05時44分
大豆戸にある本乗寺というお寺に安置されているようである。ここまで、書いたら ご本尊を確認して欲しかった。
もちはださん
2012年08月15日 13時19分
調べていただきありがとうございます!帰宅の道だったので、夜は真っ暗で怖かったのですが、ますます怖くなってしまいました!
kazam1205さん
2012年08月15日 11時57分
再建の計画がない、というのは寂しいですね。コレガ横浜市内の地域のコミュニティーの現状、ということでしょうか。