「溝の口」「溝ノ口」「溝口」・・・謎の「みぞのくち」表記の真相は!?
ココがキニナル!
「みぞのくち」は、「溝の口」「溝ノ口」「溝口」など表記が複数あります。なぜでしょうか?(浜っ子魚河岸五代目さんのキニナル) / 溝の口駅西口商店街をぜひ取材してください。(むろさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「みぞのくち」の表記は行政表示では「溝口」!立ち飲みや居酒屋が多く昭和の匂いを残すディープな西口商店街はかつて地域で最も繁栄した場所だった!
ライター:吉田 忍
「溝ノ口」か「溝の口」か「溝口」か? 表記の謎に迫る
西口商店街の成り立ちがわかったところで、ここからは「みぞのくち」の表記について。
JR南武線の駅名は「武蔵溝ノ口」、東急田園都市線の駅名は「溝の口」、そして、住所表記などは「溝口」になっている。
地名のことなら、いつもお世話になっている「川崎市地名資料室」が「みぞのくち」にある。
「川崎地名辞典」と「川崎市の町名」いつもながら、蔵書のお世話になる
歴史的には南北朝末期の文書に「溝ノ口郷」と初出し、戦国時代の文書には「稲毛溝之口」と載るという。……むむ、「之」まで出てきてしまった。その後、江戸時代には「溝の口村」となり、明治になって「溝ノ口」と表記するようになったとある。
しかし、川崎市の行政地名は「溝口」と書いて「みぞのくち」と読むとなっており、公文書ではすべて「溝口」となっているようだ。
JR南武線の武蔵溝ノ口駅
JR南武線は、駅名を行政地名の「溝口」とする予定だったが、当時、既に国鉄播但線溝口駅(みぞぐちえき/兵庫)が存在したため「武蔵溝ノ口」となったそう。
東急田園都市線の溝の口駅
田園都市線の方は、以前、多摩川電気鉄道だった時点では「溝ノ口駅」とカタカナの「ノ」を使っていた。ところが、1966(昭和41)年に東急で「自由ヶ丘」を「自由が丘」にするなど、すべての駅名の「ノ」や「ヶ」をひらがなに変更したため、現在の「溝の口駅」に改称されたらしい。
住所表示板では「溝口」
川崎市バスは「溝口」、東急バスは「溝の口」
交番は「溝口駅前交番」だが、正確には「溝口駅」はない
道路標識、交差点名にも「溝口駅」
こちらの交差点名は「東急溝の口駅前」
「溝ノ口中央郵便局」の住所は、溝口3-15-12
ますます混乱してきた。
グループ会社の中でカタカナとひらがなが混在している例もあり、まさにカオス
表記の違いを探して歩くのは宝探しのようでなかなか面白かった。
教会では「ノ」のデザインが魚になっている