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磯子区のお寺で体験できる、江戸時代から伝わる「峯のお灸」って?

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今も峯のお灸ってあるのでしょうか?体験取材をお願いします!(Robinさんのキニナル)

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今もあった! 磯子区峰町にある円海山護念寺(ごねんじ)の住職が代々伝える峯の灸は、人々の苦しみを救う仏の教だった

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ライター:ほしば あずみ

渾身のお灸レポート



峯の灸は「打膿灸(だのうきゅう)」といって小指の先ほども艾を乗せて焼き切り、その火傷から老廃物を出して免疫を高めるというもの。方法そのものは鍼灸の教科書にも載っているそうだが、同じようにすえても峯の灸は何かが違うそうだ。

「そこが家伝の灸ならではという事なのでしょうか」と苅部住職。
 


本来はこれぐらいの大きさの艾を乗せて焼き切る、を1日に5~7回繰り返す


今回は「初めてだから」という苅部住職のはからいで、米粒大のものを1回だけにしていただく。

脈をとったり体の様子を見たりしながら、軽く問診。その後、お灸をすえる場所にあるツボをさぐる。すえる場所は、個人の症状に合わせて決めていく、とのこと。
 


お灸は左右対称6ヶ所にすえる。まずツボの場所をさがす
 

米粒大のお灸が6ヶ所にすえられた
 

大きさはこの程度


いよいよ点火。左側の腰の部分のお灸から順番に上に点じられていく。
背中なので火がつく瞬間はわからない。だが、じわじわじわっと伝わってくる熱が肌まで至ると、「突き刺さる」とも「つねりあげられる」とも例えがたい、いや・・・文字どおりの「焼ける痛み」が襲ってくる。
言葉にするなら

「あっつい!!」

以外に思い浮かばない。が、口に出さず、身もだえもせず、ただじっと耐える。ほどなく痛みは遠のく。だが別のお灸に火がつく。再び熱が伝わってきて…あっつい!
そんな中、撮影をお願いしていた事務の方の
「あら、ごめんなさい撮れなかったわ」
などという、おちゃめなハプニングもあった。
 


再度撮影してもらう。腰から立ち上る煙、おわかりいただけるだろうか
 

左が燃えた後、右は今まさに燃えているところ!


燃えている最中は熱くて痛いが、燃え尽きれば痛みはすぐにひく。
 


お灸を羽根で払っておしまい


本来はこれを1日に5~7回繰り返すようだが、もう耐えられそうにない。
「小さいのを1回だけだったから体調の変化はわかりづらいかもしれないけど、そのかわり痕もほとんど目立たないと思いますよ」との事だったが、直後から手汗がじんわり出てきて、瞬間的に代謝は活発になったように思えた。
 


取材をおえて



江戸時代から続く「峯の灸」は今もその伝統を受け継いでいた。その効験を信じ通う人々もいる。お灸に救いを求める人がいる限り、その火は絶えることなく続いていくのだろう。

翌朝も痕はしっかり残っていた…
 

―終わり―

 

「峯の灸」
円海山護念寺 磯子区峰町709
月曜定休 045-833-0202(9:00~12:00)
※峰の灸は要予約(月、土、日、祝日休み)
 

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  • 文字通り体を張ったレポートで、分かりやすくよくまとまっていると思います。以前、お寺のご住職から「この寺は緑地を守る(監視する)目的で将軍の命により建立された」とお聞きしたことがあります。従ってお寺の紋は葵が許されているそうです。江戸時代の緑地政策については、ジャレド・ダイアモンド博士が、最近ベストセラーとなった著書「文明崩壊」で「世界で唯一、日本では将軍自らがトップダウンによる先見性に溢れた実際的な緑地保護政策を断行し、緑地を壊滅から防ぎ得た」と絶賛しています。日本人である私は知りませんでした。護念寺はまさしく、この政策の一環として建立されたのでしょう。奇しくも、お寺の近くの市街化調整区域において、何度目かの開発計画が持ち上がっています。緑地は一度壊すと元に戻りません。この先人の善政に習って横浜市は開発計画を認めないでもらいたいと切に思うところです。

  • さすが、安定感のある、干場 安曇さんの宗教記事!

  • ほんとにあるんですね、峯の灸!落語でしか知らなかったので感動です。そういえば横浜って言ってたなぁ。

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