「かをり」本店を覆う緑のカーテン、一体、どこから生えている?
ココがキニナル!
横浜の名店「かをり」本店の建物には以前から植物の枝が絡まってますが、植物の名前とどこから生えてきているのかキニナっています。ぜひぜひはまれぽ的チェックをお願いします!(リキさん、ハマっこ3代目さん)
はまれぽ調査結果!
建物に向かって左側、ビルの間に根元があり、ここから建物すべてに「ナツヅタ」が伸びている。ほか、同社に関する質問も一挙にお届け。
ライター:河野 哲弥
国交にも大活躍、同社の洋菓子
「かをり」は1947(昭和22)年、現・板倉敬子社長の母にあたる板倉タケ氏によって、横浜橋の一角で創業されたそうだ。きっかけは、弘明寺にお参りした帰りに見かけた不動産広告とのこと。そこに記載されていた物件で、喫茶店を開いてみようと思いついたのだとか。
店名の由来は、江戸時代の国学者・本居宣長(もとおり のりなが)が、日本の象徴であるヤマザクラのかぐわしい「香り」について詠んだ歌にちなむもの。
頂いた資料や、社史が記されたパンフレットなど
その後、現在の地に移転をしたのは、1970(昭和45)年のこと。ツタがそのときからあったものかどうかは、今では分からないという。
板倉社長の祖父が、かつて日本郵船に務めていたこともあり、同店には腕利きのコックたちが集まっていたそうだ。今ではレトルトとして提供しているハヤシライスなども、このときのレシピが元になっている。
司厨長だった板倉作次郎氏が乗船していた「龍田丸」の様子
板倉社長自身が洋菓子作りをはじめたのは、長洲一二(ながすかずじ)元・神奈川県知事が、同店のチョコレート菓子「トリュフ」をお土産として発注したのがきっかけ。以来、口コミで広がり人気が出てきたものの、同店にいた職人だけでは生産が間に合わなかったので、「それなら自分で作ってみよう」と思いついたのだそうだ。
その後、「レーズン・サンド」や同店の屋号にちなむ「桜ゼリー」など、数々のヒット商品が生み出されていったのは、読者の多くも知るところだと思う。
「幸運のたまご」(左)1個157円、「レーズン・サンド」(右)1個147円
塩漬けの八重桜が入った「桜ゼリー」346円
この「桜ゼリー」は、昔から日本に伝わる「桜湯」をヒントにした商品で、海外でも人気があるのだとか。あるときイギリスの記者から、「このゼリーを通じて日本の文化を世界に発信してはどうか」と勧められ、機会のあるごとに海外の要人などに贈答をしているという。
投稿にあったのは、ヒラリー・クリントン元アメリカ大統領夫人のこと。同じように「桜ゼリー」をお土産として贈ったところ、礼状が届けられたそうだ。
開店後に分かった、「ホテル発祥の地」の事実
さて、忘れてならないのは、同店入口に飾られる「ホテル発祥の地」のモニュメントである。やはり、洋食や洋菓子を意識して、この地を選んだのであろうか。
開国150年を記念して建てられた記念碑
すると、県立栄養短大名誉教授の草間俊郎氏に教えてもらうまで、全くそのことは知らなかったそうである。草間氏によれば、この地には、日本で初めての西洋式ホテルとされる「ヨコハマ・ホテル」が建っていたのだとか。開業したのは1860(安政6)年だが、そのわずか数年後に、焼失してしまったらしい。
その下に書かれている説明文
これを知った地元経済人や文化人らは、開国150年目となる2004(平成16)年、同碑をこの地に寄贈。板倉社長は、「海外文化の窓口となった場所を広く知ってもらいたい」として、その除幕式を行った。
横浜と世界を結ぶ芳香
横浜に洋風を香らせた「かをり」、その風薫る5月になると、同店のツタはいよいよ青く茂る。2Fのレストランは現在休業中だが、1Fの喫茶スペースでは、洋菓子などと一緒に横浜の歴史を味わうことができる。
日本大通りのイチョウ並木をイメージした「いちょうチョコミックス」21粒入り1050円
春先の青葉を思わせるグリーンのチョコはミントの風味、黄色く色づいた秋の葉のチョコはオレンジのテイスト。
板倉社長は、日本大通りを「世界に通じる道」と考えているとのこと。「かをり」の敷地から伸びているのは、何もツタばかりではないようだ。洋菓子を通じた文化交流の架け橋が、同店から世界中に伸びているのが分かる。名店が名店である理由は、そんなところにも、あるのかもしれない。
―終わり―
◆横浜かをり
住所/神奈川県横浜市中区山下町70
電話番号/045-681-4401
http://www.kawori.co.jp/home
リキさん
2013年04月24日 14時07分
調査していただき、有難うございました。自分が建物のまわりをウロウロするわけにもいかないので、調べて頂いてすっきりしました!最近レーズン・サンドを食べていなかったので、また食べたくなってしまいました。
ushinさん
2013年04月21日 16時27分
kazam1205さん の言うとおり、緑のカーテンはエコに過ごすにはいいけれど、塗装面や場合によってはコンクリートのヒビにも食い込んで、保水させて雨水をしみこませ劣化させるので、そういう点では欠点ですね。あと一時期三重県人だったんで、「もとおりのりなが」は地元出身の有名人ですw はまれぽ、平常運転で安心しました :-P
hondairieさん
2013年04月21日 12時23分
開国150年記念と書いてあるのに、堂々と開港と言ってのけましたね。横浜のことを扱うはまれぽでこんな簡単な間違えしちゃいますか??2004年に開校150周年なんてきいたら、普通なんか変だなって気づくと思いますけどね。しかも、本居宣長を「もといよりなが」と記載していたんですか?なんだか、適当な取材なんだなと思ってしまいます。更にはまれぽの良くないところは、こういう指摘があるとコッソリ何も言わずに修正を加えている所。ネットのサービスだからって直せばよいというものではないはずです。