舟で通勤!? 「鶴見川舟運復刻プロジェクト」とは?
ココがキニナル!
かつて盛んだった和舟による「舟運」が「鶴見川舟運復活プロジェクト」で私達も乗れたり通勤に使えたりするのでしょうか(オオバさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
舟の運行は年2回程度を目指して活動している。通勤手段としては難しいが、イベントに参加すれば舟に乗れる!
ライター:ほしば あずみ
舟運と、その周辺の歴史とは?
(つづき)
鶴見川流域の旧家には今でも川舟が幾艘(そう)か残っており、復活プロジェクトでは水害から避難するための「水害予備船」を譲り受けて調査、実際に浮かべる事もできた。
新横浜公園の遊水地に浮かんだ水害予備船(提供:復活プロジェクト 以下同)
「これをもとに舟も自作しました。まず実験的にボートのような1号艇『舟運丸』を作り、その後、和舟風の『たちばな』を。和舟を伝統の工法で忠実にとはいかなかったのですが、和舟を模した舟を、設計士や大工さんの力を借りて、みんなで作ったんですよ。大工さんといっても船大工ではなく、普通の大工さんなんですが、巻き込んじゃってね」と内山さん。
「プロが入ると仕上がりが違うね」と長谷川さんも笑う。
「たちばな」起工式の様子
2010(平成22)年11月、新横浜公園の遊水地で「たちばな」の進水式が行われた
また、実際に干潮を利用して、鶴見川を新羽橋から生麦河口まで往復する試みも行ったそうだ。上り下りそれぞれ約3時間近くかけて、達成したという。
「舟を出すって、意外と大変なんですよ。遊水地の場合は本来遊泳禁止なので許可をとらなければならないし、川でも、万が一事故を起こしてしまったらもう活動する事ができなくなってしまう。それでも年に2度くらいはイベントとして舟を出す予定です」と長谷川会長は語る。
1号艇「舟運丸」に乗る子どもたち
残念ながら、現在のところ通勤手段としては現実的ではないようだが、「通勤に和舟を」という投稿の発想には長谷川会長も内山さんも大喜びだった。
「それはいいなあ、そうなったら面白い!」
満員電車を尻目に和舟で通勤なんて趣がある!
内山さんは言う。
「鶴見川に和舟を浮かべる、というのが目標で、それは達成したわけですが、今後もプロジェクトは続いていきます。舟を出して自然観察をして、舟運だけにこだわらず鶴見川流域の歴史や伝統文化を次の世代に伝えていきたいと考えています」
取材を終えて
鶴見川に舟運は復活していた。舟運だけではない、地域の歴史や伝統も守り受け継がれていた。プロジェクトには誰でも参加できるそうなので、舟に乗ってみたい、鶴見川の流れも歴史もさかのぼってみたい方は復活プロジェクトに参加してみてはいかがだろう。
―終わり―
オオバさん
2013年05月10日 22時59分
ゆっくりと鉄橋を渡る、いつも通りギュウギュウ詰めの電車内から、ふと外を見ると、いつもの通り大渋滞の道路と、だだっぴろい川面が。ああ、たまには、小舟で通勤(通学)してみたい!と何度考えたことか!・・・無理だとは薄々気づいていましたが(^^;通勤には無理でも、いつか遍路笠を被って「たちばな」で花見や月見とかできればいいなあ、と考えています。調査ありがとうございました。
雲葉 @since1992さん
2013年05月10日 12時08分
真っ先にサイエンスフロンティア高校の生徒が通学手段に使いそう(笑)かはともかく天候にも左右されやすいため日常の通勤手段には解決すべきハードルが多く、なかなか難しいかもしれません。観光といっても、見るものもないし。大綱橋あたりにアザラシでもいればどうかな?