工場地帯と緑の中にひそかな楽しみを見つける、はま旅Vol.115「新羽」編
ココがキニナル!
横浜市内全駅全下車の「はま旅」第115回は工場地帯と緑の中にひそかな楽しみを見つける、横浜市営地下鉄新羽駅の旅。
ライター:山口 愛愛
花を愛でる、なんて久しぶり(つづき)
植物をゆっくり鑑賞するのはいつぶりだろう。目の覚めるような色彩に見惚れてみたり、緑にほっとしたり、自然に触れるのは気持ち良い。1時間近く歩いてまわり、最後に喫茶コーナーで、夏に大人気の「氷りーむ(こうりーむ)」をおすすめしてくれた。
ザ・ガーデン夏の名物は、メロン、抹茶など5種類(各300円)
緑と花に囲まれながらの、ひんやりスイーツは格別
夏は草花が少ないイメージがあるが、種類も豊富でサマーセールも開催するとのこと。
自宅で植物を育てて、四季を感じる時間も必要だな、と思いながら「ヨネヤマプランディション本店」を後にした。
信号を渡り、西方寺(さいほうじ)へ向かう。大坂さんが、「晩夏は西方寺の参道の両脇に彼岸花が咲き、多勢の人が訪れるんですよ」と教えてくれたので、場所を確認しにきた。
西方寺は入口の大木が目印。この木からもパワーが溢れているよう
ご本尊は神奈川県重要文化財。9月には彼岸花が咲き誇る
工場地帯にオアシスと個性的な店を発見し、安堵
さて、そろそろお昼にしよう。緑産業道路はチェーン店ばかりが目につくので、路地へ入ってみる。
しかし、飲食店どころか、店すら1軒もない。
この辺りは工場地帯で、ブルーラインの開通とともに、工場のすき間を縫うようにマンションが建てられてきた地なのだ。
あれ、さっき通った道? いや、違う。工場が並び、コンテナやフォークリフト、トラックばかりを見ているので、同じ道に戻ってしまったのかと錯覚してしまう。
同じような景色が続く。「シュ、シュ」「カタ、カタ」と工場音が聞こえてくる
30分以上歩きまわったが店には出会えず、鶴見川に出た。
新横浜プリンスペペが近くに感じられる
のどかな景色だなぁ。そんなことを言っている場合ではない。昼食を食べるところがない。駅より北側にも行き、歩くこと1時間。これはまずい展開だ。
個人店の飲食店を2軒見つけたのだが、手いっぱいの状態で、地元のお客さんにしっかりサービスをしたいとの理由で取材を断られてしまった。
店そのものが非常に少なく、人に聞いても、いくら歩いても取材できるような飲食店が見つからない。隣の仲町台駅まで2km、北新横浜駅まで1kmしかないので、範囲も広げられないのだ。
ついに断念。緑産業道路に戻ってきた。
はま旅、始まって以来、昼食をファミリーレストランでとることに・・・。
仕方がない。リアルな街の現状をお伝えするのが、はま旅のいいところ! と開き直り、ファミレスランチをさくっと食したのであった。
さ、気を取り直して旅の続きだ。
じつは、工場地帯を歩いているときにキニナル場所があった。この辺りは高い建物がないのだが、すぐ近くに工場に囲まれている丘が見えた。どんなところなのか行ってみよう。
上り坂が続くが、あじさいに励まされる
高台を散策すると畑があり、新羽高校や新羽小学校もあった。頂上付近は道がひらけ、新羽丘陵公園に出た。ここは工場地帯の中のオアシスのようだ。
芝生にはアスレチック風の遊具がいくつもある
とても楽しそうに見えるだろうが、セルフタイマーにして、何度も走って撮影しているため、小学生に「大丈夫ですか?」と聞かれてしまった。
心配されたついでに、この辺におもしろい場所がないか訪ねると、学校の野外学習で使っている竹やぶがあるという。
新羽小学校の生徒が観察学習をしている竹やぶ
緑が眩しいくらいの竹林。竹も子どももすくすく育っているようだ