“みつざわかみまち・しもまち”にある駅は、どうして“かみちょう・しもちょう”と読むの?
ココがキニナル!
三ツ沢下町、三ツ沢上町…駅名は「しもちょう」「かみちょう」と読むのに、地名は「しもまち」「かみまち」と読むようですが、なぜ違うのでしょうか?(嶺上開花さん、iRiさん、ラッキーラッキーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
正式な記録は残っていないが、地元の人が“かみちょう・しもちょう”と呼んでいることから付けられた可能性が高い
ライター:田中 大輔
地元の人は・・・
実は市営地下鉄ができるよりも前からの歴史ある名前だったことが分かったが、記録がないとなるとここで暗礁に乗り上げてしまう。
しかし、「ただ」と福岡さん。
「想像にはなるんですが」と前置きを付けて「地元の方々が“かみちょう”、“しもちょう”と言っているのでそれを採用した可能性はあります」と話してくれた。
そういうケースは往々にしてあるそうで、同じブルーラインの中にも同様の例がある。
「中田駅は地名は“なかた”なんですが、駅名は“なかだ”なんです。これは1999(平成11)年に駅を造ったときに、分かったうえで敢えてそうしました」とのこと。
駅の名前は“Nakada”。田の字が濁る
「地元の方は“なかだ”と呼んでいて、小学校や郵便局なども“なかだ”なので」駅名も“なかだ”としたそうで、三ツ沢上町・下町の両駅もこれと同じなのではないか、というわけだ。
住居表示には“Nakata”の文字。こちらも駅名と地名にズレが
でも、小学校も交番も郵便局も“Nakada”。かなり混在している様子
実際に両駅の周りで地元の人に話を聞いてみたが、青果店のおばさんも、家の前でタバコを吸っていたおじいさんも、下校中の小学生たちも、みんな“かみちょう・しもちょう”というのだ。
しかも、行政上の正しい地名が“かみまち・しもまち”であることすら知らなかった様子。
「“かみまち”なんて聞いたら違和感がある」とまで言うほど、地元では“かみちょう・しもちょう”が浸透しているようだ。
ほかにもあった! 似ているケース
思えば、はまれぽで過去に取り上げた中にも似たようなケースがあった。
例えば、都筑区の池辺町は“いこのべ”町だが地元の人は“いけべ”と呼ぶことが多く、バス停も“いけべ”。
難読地名シリーズでも紹介したこのエピソード。地名はこの漢字で“いこのべ”
六角橋も行政上は“ろくかくばし”だが、ご存知の通り誰もが“ろっかくばし”と言っている。だから、バス停も“ろっかくばし”だ。
“ろくかくばし”にも“ろっかくばし”というバス停
どうやら、鉄道駅や停留所の名前というのはしゃくし定規に地名を付けるのではなく、利用者が日ごろ慣れ親しんだ呼び方が採用されることも少なくないようだ。
福岡さんが面白い例を教えてくれた。
それは、「滋賀県の米原駅(まいばらえき)がある場所はもともと“まいはらちょう(米原町)”だったんです。でも、合併で新しい市になったときに駅名に合わせて“まいばら”市と変更しました」という話で、駅名由来で地名が変わるケースすらあるというわけだ。
取材を終えて
あの辺りには上町、下町のほかに、三ツ沢中町、三ツ沢西町、三ツ沢東町、三ツ沢南町もある。
行政上の地名はすべて“~まち”と読ませるが、地元の人は全部“~ちょう”。
交差点の名前も“しもちょう”が採用されている
と思いきや、こちらは“なかまち”。この辺りは混在しているようだ
どうして、また、いつから“~ちょう”という読み方が浸透しているのかまでは分からなかったが、地名そのものやその読み方、漢字が変化するというのは珍しい話ではない。
いつか、地名が“みつざわかみちょう”、“みつざわしもちょう”に変わる日も来るのかもしれない。
記録はないので100%確実な話ではないが、取材をした限りではかなり有力そうな「地元での読み方」説。
地元の人たちは、「駅の名前が変だなんて感じたことないよ」と口々に話す。
外から見ると一見おかしく見える駅名も、地元の人にはなんら不思議ではない名前だったのだ。
―終わり―
都筑のふくちゃんさん
2013年06月22日 15時58分
記事にある都筑区の池辺町ですが、2年前に交差点の表示が「ikebe」から、正しい「ikonobe」に変わりました。koreno2011年9月11日のレポートと写真を見てください。http://www.city-yokohama-tsuzuki.net/rekisi/rekisi.cgi?num=10
ゆたかさん
2013年06月22日 13時34分
漢字は読み方が複数あるんだから、どちらでもいいんじゃないですかね。要は、伝える相手に伝えられれば良いのではないでしょうか。
mirrorさん
2013年06月22日 13時07分
三ツ沢の場合、お役所相手でも普通は「ちょう」の読みで通りますね。三ツ沢に生まれ育ち…五十数年、「まち」の読みにこだわったのは、警察の中の人位と記憶。元々「町」の読みは「ちょう」と「まち」が混在。「ちょう」と区別するために、「町」の読みは「まち」に統一とか言い出したある時期から勝手に変わったような気がする。「○○町×丁目」とかが紛らわしいとか何とか。でもね…「町」と「丁」は元々同じ意味の文字。だから本来は「○○×丁目」とするのが正しく、「○○町×丁目」が重複表記でおかしいんですけどねぇ。