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港北区岸根町の住宅街にある「完全に民家な中華料理店」ってどんなとこ?

ココがキニナル!

岸根町の住宅街の一角に、完全に民家な中華料理店があります。一度だけ入ってみて、あまりに「民家」そのままでびっくりしました。親戚の家で食べてる感じでした。ぜひ取材してください(トラズキノコさん)

はまれぽ調査結果!

2006(平成18)年から自宅で中華料理店を営む「上重朋文」さん。若いころから「一流の味」を追い求め、人のつながりを大切にする料理人の店だった。

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ライター:はまれぽ編集部

人との出会いを大切にしてきた48年間(つづき)

お店の名前は「上重朋文(の店)」。かつて六角橋で中華料理店を営んでいたという朋文さんは、当時の店名を復刻しようとも考えた。しかし住宅街の中ということもあり、大々的に看板を掲げるのを控え、屋号も「役所の方と相談して、名前そのままにしようということになった」のだという。
 


ある意味インパクトはある


六角橋で中華料理店を創業したのは1965(昭和40)年、朋文さんが24歳の時だった。以来、20年にわたって六角橋でお店を続けた。その後、東京・原宿で2年ほど、次に中目黒に店舗を移した。土地柄、ミュージシャンや俳優などがよく顔を見せたという。
 


中目黒で「越後」を営んでいたころの朋文さんが音楽雑誌に写っている


当時を振り返り、「本当に人に恵まれた」と話す朋文さん。常連だったある大御所俳優は、今でもわざわざ車でやってくるそうだ。「久しぶりにうまいもの食べにきた、ってね。うれしいよね」と、くすぐったそうに笑う。

近く全国ツアーを行う超人気アーティストとは、「ちゃん」付けで呼ぶ仲。ある世界的音楽家とは、朝まで酒を飲み交わし、川の字になって眠りこけたという。次々に飛び出す名だたる著名人の名に圧倒され、ついメニューの注文を忘れてしまっていた。



「一流の味」を求めた強いこだわり

おすすめメニューは「全部」。「食べたいものを食べるのが、一番おいしいわよ」とは、朋文さんと同い年の奥さんだ。そんな中でも、と、特におすすめしてもらった「サンマー麺(800円)」と、記者が一番食べたかった「冷やし中華(900円)」を注文した。
 


メニューを待つ間にすっかり落ち着いた編集部・松山


具はすべて自家製。スープの仕込みには13時間かける。六角橋で店舗を構えていたころからのこだわりだ。若いころから、味を研究するため「食べ物にはお金をかけた」という。

「料理人は、“一流の味”というのを舌で知っていなきゃいけない。食べ物でも、お酒でもね。これは、というお店を見かけたら、どんどん入るようにしていました」
 


こだわって作られた具がたっぷりの冷やし中華


都内にお店を構えていたころは、新潟などの蔵元から直接仕入れた極上の酒を取りそろえた。中華料理との組み合わせが話題を呼び、宴会の予約が絶えなかったという。
 


味付けは薄め。ほどよい硬さの麺とよくからむ


「キャベツひとつとっても、1年を通して味が違うでしょ。甘みが強い時期もあれば、パッサパサの時もある。その時その時で、作り方って変わるのよ」と奥さん。夫婦そろって、食への強いこだわりを感じさせる。

「中華街に、すごく好きなお店があったんだけどね、シェフが変わってすっかり味が変わっちゃった。『その店の味』って、守っていくのが難しいんですよね」と、朋文さんも料理人の顔を見せた。



取材を終えて

実はこの「上重朋文」、人気テレビ番組などで度々紹介されている“名店”。“途中下車”したタレントがぶらりと立ち寄った直後は、夫婦で3日徹夜するほど繁盛したそうだ。

しかし、2011(平成23)年の震災以降、客足はぱったり途絶えてしまった。それでも続けられるのは、かつての仲間たちの支えがあるからだ。六角橋のころの仲間が、折に触れてお店を訪れる。「うまいもん」を食べて宴会をして帰る。

正月には、常連客が大皿を持ってお店を訪れる。新年会や親戚の集まりに振る舞う料理を盛ってもらうためだ。「配達しなくていいから助かっちゃって」。朋文さんの人懐っこい笑顔に、ついつられて笑ってしまう。この人柄こそが、この店を支える力なのだと思う。

「あら、おかえりなさい」。常連の若い客が入ってきたのを機に、お店を辞去した。「また来てね」と送り出された玄関には、きれいに靴がそろえられていた。
 



―終わり―


上重朋文
所在地/港北区岸根町408-7
電話/045-431-7180
営業時間/11:00~21:00
定休日/不定

 

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  • 近くに住んでいながら、ずっと行くに行けずにいました!先月初めて行きましたが、美味しさにビックリしました!また行こうと思います‼

  • 腰が悪いので、申し訳ありませんが、このお店には行けません。テーブル席でないと・・・正座もあぐらもかけません。

  • ときさんに同じく。デジャブかと思いました。

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