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平沼一丁目交差点にある「豆腐会館」ってなに?

ココがキニナル!

平沼一丁目の交差点の所に豆腐会館という建物があります。建物の中とか、なぜ建てられたのか、どこからの費用で建ち、どういう活動をしているのかなど調べてほしいです(yagishitさん、ひろりん。さん)

はまれぽ調査結果!

組合加盟店のステータスとして、神奈川県豆腐油揚商工組合を中心に約1億円をかけて建設。豆腐製造に関する協同購入事業などの活動を行っている。

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ライター:伊藤 健志

県内121店の豆腐小売団体が運営

(続き)

豆腐はもともと、加熱した豆乳を凝固させて冷却するという手順で作られてきた。一方、充填豆腐の場合は、豆乳を一旦冷やし、凝固剤と一緒に1丁ずつの容器に注入(充填)・密閉、加熱して凝固させる手順となる。

この製造方法では、流れ作業の大量生産に適し、パックに充填、密閉後に加熱凝固させることで日持ちもするが「専門店の作る豆腐と充填豆腐とは明確に区分けしていかなければならない。そこを消費者に理解してもらうための方法を、組織委員会や豆腐検定委員会などを立ち上げ、議論しているところ」であるという。

このほか「豆腐店を開業したい」という若い人たちへの起業支援や、豆腐のトレンドや勉強会の案内など、組合員への情報提供にも注力。また、毎年行われる「お月見」に、豆腐をお供えする風習を改めて提案したり、区民まつりなどにも積極的に参加するなど、豆腐商品のPR活動にも注力している。
 


区民まつりなどのイベントにも積極的に参加(画像提供:神奈川県豆腐油揚商工組合)




豆腐屋のステータス・シンボルとして建設



話を豆腐会館に戻そう。

この白いビルは、1983(昭和58)年に建設された。この場所には、もともと神奈川県豆腐油揚商工組合の事務所が建っていたが、建物は木造2階建てで、目の前の県道を走るコンテナやトラックで、年中ギシギシ揺れていたという。
 


ビル建設以前にあった2階建ての木造事務所


敷地面積30坪、建築スペースは25坪という中での建て替えとなったが、当初は4階建てを想定していたものの、下部組織の横浜豆腐商工業協同組合から「横浜としてもビルを建てたい」という話があり「それなら県の4階に横浜分の2階を加えた6階建てにしよう」と、金額的な負担もその分配で建設することになった。

その建設費は、当時の金額で1億円を若干上回ったが「その当時の豆腐業界、組合はもの凄く元気だった。テナント収益などのために建てるのではなく、豆腐屋のステータス、シンボリック的な存在として建てられた」そうである。

設計を担当したのは、協同組合KAP設計の池田 翼(たすく)一級建築士。池田氏には「随分昔の話ですね」と笑いながら、当時を振り返ってもらった。
 


ビルの外壁には、ホーロー板が使われている


豆腐組合の建物ということで、やはりイメージしたのは「豆腐」であったそうだ。白い建物というだけでなく「絹ごし豆腐のツルっとしたイメージを表現する」ため、外壁にはタイルではなくホーローを使用。
この当時、ホーローをビルの外壁に使用するケースは、ほとんど見受けられなかった。当時としては、非常に斬新な建物だったようだ。

V字型にえぐれたような屋上のデザインについては、鈴木理事長いわく「あれは片方が水道の貯水タンク、反対側は、屋根全体から会議室に灯りが取れるように斜めになっているのだが、これはちょうどYOKOHAMAの“Y”の字に見える。
また、このYを横にすると、KANAGAWAの“K”に見えるでしょう」とのこと。う~ん、かなり苦しい説明だが、そういう意味が含まれているデザインだと納得しておこう。
 


この位置から見ると、YOKOHAMAの“Y”に見える?




「われわれの作る豆腐は本物」と言い切れる小売を目指して



今後、組合としては「販売促進に一番力を入れて行きたい。やはり、組合員のお店に、お客が足を運んでもらうにはどうすればいいか?

豆腐屋には、住宅街など街中を売り歩く“引き売り”という典型的な商いの方法があるが、最近は地方の生産センターで作った豆腐を、冷蔵設備のある車で大量に売り歩く業者も多くなっていて、売り歩くこと自体が過当競争の時代に入っている」という。


引き売りも過当競争の時代に入っている(写真はイメージ)


しかし「そういう引き売りの部分でも、引き売り専門業者のものではなく、自分たちでしっかり作り、売りにきているんだということ消費者に分かってもらえるような啓蒙が必要」とのこと。つまり“いいものはいい、だからこれぐらいの対価をいただきたい”というイメージ戦略、啓蒙が大事になってくる。

もちろん、そう言い切れる専門店として、販売側もそれだけの知識と技術の習得は不可欠だし、お店をレベルアップしていくことが大切であろう。鈴木理事長は「そのためのサポート機関としても、組合を機能させていきたい」と語っている。



取材を終えて



組合加盟店のステータスとして建設された豆腐会館だが、設備の老朽化などにより、維持管理の面で組合運営の負担になっている部分もあるようだ。

建設当時は想定していなかったテナント収益も「現状の設備では、消防法の観点からも貸し出すことが難しいので、かなりのリフォームが必要になる」ということだが、貸し会議室や貸しスタジオなど、一部分だけでも貸し出して有効活用できないものか、思案しているという。

豆腐は神代の昔から、日本の食卓に根付いた食べ物だけに、いろいろな文化風習ともリンクしている。組合員の減少、後継者不足など、豆腐小売業の課題は山積しているが、日本の食文化の一端を支える存在として、ぜひとも頑張っていただきたい。


―終わり―
 

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  • 祖父、父 2箇所で豆腐屋を自営業してました。父は60歳でも、青年部の理事で、よくこの豆腐会館へ行ってました。崎陽軒の本社があるので、シュウマイ弁当が おみやげでした。当初は、マンション住居も作り、家賃収入なども検討してたそうですが、この土地には住居建築は禁止で断念したそうです。

  • 豆腐は大好きですが、実はこの建物はすぐ近くのスイミングスクールに通っていた時から、二十年くらい前になりますが…気になっていたのですが、…この記事を見てスッキリしました。(しかもこの記事を初めて見たのも昨年でした)

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