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港南の高校跡地を利用している、考古学研究施設がある!?

ココがキニナル!

元県立野庭高校が公益財団法人かながわ考古学財団野庭出土品整理室という施設になっていますがどんな施設なんでしょう。(山下公園のカモメさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

神奈川県下の発掘調査を行い、報告書の発行や埋蔵文化財の活用などを目的とした公益財団法人。校舎の中では、貴重な出土品が整理・復元されている

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ライター:河野 哲弥

まさにジグソーパズルの世界、考古学の現場に潜入



植山さんの案内で最初に訪れたのは、どうやら元「理科室」のようだ。
各テーブルには水道が備え付けられ、高校生のころの思い出がよみがえってくる。
 


こういうテーブル、あった、あった
 

土などの汚れを取り除く作業から始まる


出土品にキズをつけないようにするため、石器や土器などの硬さに応じて、ブラシの種類を替えるのがポイントらしい。こうして洗浄を終えると、今度は別の教室で仕分けの作業が待っている。
 


ここにあるのが全部か伺ったところ、「ほんの一部です」というお答え
 

色の変化している様子や模様などをたよりに、仕分けていく


作業中の方によれば、河川近くの遺構では、土器の破片が川の流れにより入り交じってしまうので、1つにまとめる作業が難しいらしい。「いくつものジグソーパズルをいっぺんに混ぜて、それを一つ一つ戻していくような作業」と話す。

植山さんによれば、規模にもよるが、1遺跡で平均300箱もの出土品が発掘されるそうだ。
そして大切なのは、確証を得ないまま、仕分けをしてしまわないこと。
例えば最初は材質で大分類し、次に色で中分類、最後に模様などを手がかりにするなど、「正解」を導き出すには慎重の上にも慎重を重ねる必要があるそうだ。たった1ピースの不正解が混ざっていたために、全体の復元作業が滞ることだってあるのだ。
 


復元が終わったら、文字などを判別する作業が待っている
 

横須賀の軍事遺跡には、愛知県の常滑産の土管が使われていたことが判明


また、土器などを図に書きおこす作業も欠かせない。
こうなってくると、整理室というより、出版プロダクションといった作業風景だ。
 


マコという、何枚も重なった可動式の薄い板で凹凸を計測する器具
 

鎌倉時代に使われた「北宋銭(大陸から輸入された貨幣)」の製図風景

 

こちらは元職員室。奥から流れ作業で資料がまとめられる


最初は、元校舎を使用していることに違和感があったのだが、こうして見てくると「妙な納得感」が得られるから不思議だ。ある程度のまとまった広さが必要とされるこうした作業には、むしろ、校舎こそがふさわしいとすら思えてくる。
 


遺構配置図など、一部デジタル化も進む


現在、財団に勤める職員は40名ほど。その約半数は現場で発掘し、おおよそ「1年掘った場合は1年整理」というサイクルで、神奈川の文化財を保護しているそうだ。



今年は設立20周年を記念したイベントも



そんな同財団は今年設立20周年を迎え、各種記念事業を予定しているそうだ。普段では目にする機会の少ない発掘現場の見学会や、公開セミナーなど、公式サイトを通じて参加することができる。
 


公益財団法人かながわ考古学財団の公式サイト

もちろん、すべて参加費無料。
あまり縁のない世界だと思う方が多いかもしれないが、例えば山下町にあった元外国人居留地の調査では、カラフルなタイルなどが発掘されたそうだ。
一般的な「考古学」というと、江戸時代よりも前の中世を対象とする場合が多いが、同財団の発掘・調査対象は、関東大震災以後の文化財も含まれる。
また、こうした整理・復元作業が横浜市内で行われていたことを知ると、少なからず考古学に興味が沸くのではないだろうか。
 


山下町の地下に埋もれていたタイルの写真

 
複雑な経過の上に守られてきた郷土の文化財は、教科書からは感じ取れない、リアルな重みを持っている。是非、この機会に、足を向けていただきたいと思う。そして、今まで見てきたように、多くの人の手によって研究成果が積み重ねられていることを、展示物を通して実感してほしい。


―終わり―
 

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  • ここの住所は港南区上永谷町ですか?

  • 野庭高校か・・・・ 嫌な事件がありました。ふと思い出してしまいました。。

  • ここは、グラウンドの隅に警察の証拠品保管センターという建物があります。こちらも大変興味深いですが、警察の証拠品というだけあって、取材は難しいですかね~?

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