東日本大震災で誤報があった「震度測定器」が新しくなったが今までと何が違う?
ココがキニナル!
横浜市は地震の震度測定器を刷新したとのことですが、どんな機械でしょうか。また、どんな場所に設置されているのでしょうか(恋はタマネギさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
老朽化などの理由で刷新。東日本大震災級の大きく長い揺れを安定して観測できる42ヶ所に設置。発災時に市が迅速に初動体制を構築できる
ライター:はまれぽ編集部
強震計の数値はどう活用するの?
前述の通り、横浜市の強震計は42ヶ所に設置している。
臨港パークに設置されている新型の強震計
新型の強震計を設置するまでは、立地や地層などを考慮して全市150ヶ所から、揺れを観測するのに車の交通量が多く余計な振動を与えないような36ヶ所(横浜市18区に2ヶ所ずつ)で観測を行ってきたが、専門家などの意見を基にし、150ヶ所の中から小中学校や市の施設など強震計を設置できる場所を検討。
その結果、観測地点を6ヶ所(鶴見区、旭区、金沢区、港北区、青葉区、戸塚区にそれぞれ1ヶ所)を追加し、計42地点で観測することとした。
そのほか、危機管理室は2012(平成24)年、東京ガスと協力し、市内約660ヶ所に設置されている「地震センサー」と市の42ヶ所と合わせて計約700ヶ所の数値を集め、地震の振動が建物におよぼす影響を平均化した値を計測したものを閲覧できるようにした。この数値は市のホームページ上でも公開されている。
全市の情報や
区ごとの情報も確認できる
市の強震計は危機管理室で一元管理しており、地震が発生した場合には、従来以上に正確な数字を測定して気象庁に配信する。市としても、地震が発生した際に正確な規模を知ることで、発災後の初動体制を的確に把握し、迅速な対応を取ることができるというメリットがある。
測定した数値は気象庁を通じてテレビ速報や自治体による緊急メールなどでも配信されるため、市民もこれまで以上に正確な震度を知ることができるようになる。
高原担当係長は「きめ細かい震度を市民に公表することで、地震に対する注意や関心を高めて日常生活において防災意識を高めることにつながってくれれば」と新型の強震計に期待を寄せている。
隣接区で震度が違うのはなぜ?
せっかくなので、もう一つ「地震が起こった後にネットで震度情報を見ていますと、都筑区と港北区は隣接しているのに、都筑区の震度のほうが港北区の震度よりも小さい場合が多いような気がします。震度計設置位置なのか地盤が関係しているのか、調べてもらえますか? また都筑区や港北区の隣接区についても知りたいです。/mal_diveやっさん」というキニナルについても疑問をぶつけてみた。
このキニナルについて高原担当係長は、強震計の問題ではないという。
高原担当係長によると、「いくら隣接した区同士とはいえ、震源からの距離や地盤、地層、観測地点も違う。震度はガルと揺れの周波数などの大きさで決まるが、10段階(震度0~震度7)しかない震度と違って、それらは数値が細分化されているため、震度換算にした場合は微妙な差で表記が変わることがある」のだという。
このため、いくら隣同士の区とはいえ震度が異なることは当然あり得ることなのだそうだ。
強震計の問題でなかった
取材を終えて
強震計は地震の発生を予測するものではない。
しかし、万が一、大規模な地震が発生した場合には市民を守る市にとって的確な災害規模を把握するために不可欠なものである。また、新たに6ヶ所の観測地点が追加されたが、その地域がすなわち危険ということでもない。
いつ起こるか分からない大地震に備え、横浜市は市民を守る取り組みを続けている。
―終わり―
つじどさん
2014年03月10日 22時52分
強震モニタみたいにスマホとかでデータをリアルタイムに受信して視覚的に見えたらいいなぁと思います。また、公共の壁に落書きするように、面白半分でいたずらをする輩は少なからず存在するので、強震計がありますって、表示する必要はない気がします。
恋はタマネギさん
2014年03月10日 22時02分
調査ありがとうございました。強震計ですが、金網で囲んであるとはいえ、ずいぶん無造作に置かれているような気がします。1ページ目の最後の写真を見ると、地中へ引き込まれているケーブルは、金網の外からでも悪戯できそうな…。もちろん、悪戯してはいけません。明日(3月11日)は東日本大震災の発生した日から、ちょうど3年を迎えます。万一、あの日のような大規模な地震が発生しても、迅速な対応を取ることができるように常日頃から心がけておく必要がありますね。