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根岸のポニーセンターに天皇賞を制した名馬「マイネルキッツ」がいるって本当?

ココがキニナル!

根岸のポニーセンターにナント、天皇賞GIを勝ったマイネルキッツがいるらしい。元気かどうか取材を/根岸のポニーセンターで毎週土曜に行われる「にんじんタイム」がキニナル(brooksさん、スさん)

はまれぽ調査結果!

昨年12月ポニーセンターへやってきたマイネルキッツは元気いっぱい。彼を前に老若男女がお馬さんと触れ合える「にんじんタイム」も土曜の人気行事!

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ライター:松本 伸也

天皇賞馬の登場です、どうぞ!



ではその辺りのことを、根岸競馬記念公苑を運営する財団法人馬事文化財団にうかがってみよう。もしもーし。
「はいこんにちは。マイネルキッツはですね、天皇賞を勝つような馬ですから現役引退後は種牡馬になるなど、いろいろな引退生活が考えられますが、馬主さんの意向は『JRA施設での乗馬転身』で、私たち根岸もJRAの施設ということで、今回入厩の運びとなりました」
 


根岸でもコンビ結成!(写真提供:馬事文化財団)

 
そう電話にて教えてくれたのは同財団の須川さん。須川さんの言葉にもあるように、天皇賞を勝つような実績馬は種牡馬になる道もあるように思えるが、“種牡馬入り”には実績以外にもさまざまな要因がある。

サラブレッドクラブ・ラフィアンとしては、功労馬としてファンと長く触れ合える道を選び、そしてそれが根岸への縁となったわけだ。

「元気にしていますよ。土曜日には私たちの定番イベント、『にんじんタイム』もありますし、そこでみなさんにもマイネルキッツのことをご紹介していますから。ぜひとも土曜日の昼にお出でください」とこちらが言うより早く提案してくれた須川さん。

マイネルキッツもそうですが、「にんじんタイム」のキニナルもあるんですよ・・・てなわけで、喜んでお邪魔しまーすと根岸に飛んだのであった。
 


飛んでない。根岸線で横移動。根岸駅から不動坂を上がりつつ徒歩15分

 
初夏の土曜の正午過ぎ。森林公園でのジョガーや親子連れを横目に向かった先はまず馬の博物館。対応してくれたのは馬事文化財団の村井さん。
 


過去記事を読んであなたも馬の博物館へ

 
根岸に来た元競走馬というのは数多く、トウショウファルコ(1992〈平成4〉年金杯、アメリカジョッキークラブカップ)やセンゴクシルバー(1994〈平成6〉年ダイヤモンドステークス)など重賞勝ち馬もこれまで根岸で晩年を過ごしているが、「引退した直後でしかも天皇賞馬・・・GI馬が来るのなんて初めてですよ(ニッコリ)」と村井さんも嬉しそう。

苑内の掲示板はもちろんのこと、一般道を走るだろうライトバンにも「天皇賞馬マイネルキッツ!」の文字が。もう完全に根岸を挙げての“マイネルキッツ推し”である。素晴らしい。
 


ライトバンでも推してます

 
馬の博物館から右手、「馬坂」を降りていくと2分ほどで到着するのがポニーセンター。

開苑と同時に誕生したこの施設は、サラブレッドから愛媛県で絶滅寸前だった日本固有種の野間馬(のまうま。関東では根岸と上野動物園でだけ見ることができます)まで、多くのお馬さんを間近に見ることができることから、来苑者はつい立ち寄りたくなる場所である。

ここで、村井さんからバトンタッチされたのが中込治(なかごみおさむ)馬事部長。「お、キッツのことですね」と、もうさっそく嬉しそうに馬房の前まで案内してくれた。
 


139回天皇賞優勝・マイネルキッツ

 
おおお、いたいた天皇賞馬が・・・。日経賞のときはありがとう。(←筆者心の声)
 


根岸での育ての親・中込治馬事部長

 
「ちょっと見ててくださいよ」と中込さんがマイネルキッツの首から顔にかけてハグ。そしてその後も中込さんの身体にじゃれついてくる。うん、かわいい。単純にかわいい。

「おとなしいものでしょ。でもね、ここまでなるのは大変だったんですよ」と中込さんは言う。

「ウチに来るようになったんですから、いずれは顔を並べて子供やファンと写真を撮ったり、背中に乗せられるようにしなきゃいけないんですが、現役を引退してすぐに来たでしょ。だからまだカッカしてたんですよね」

「たとえば蹴ろうとしていても厩務員さんや私なら察知して避けられますが、子供はもちろんここに来る人たちはそうじゃありません。だから相当にしつけました」と中込さん。
 


すでに人馬一体のマイネルキッツと中込さん

 
現状ではまだ「にんじんタイム」や「乗馬デー」で直接マイネルキッツと触れ合えないのだが、来る日に向けてもうひと頑張り中であり、実はすでに中込さんだけでなく、乗馬クラブの団長のほか、クラブ所属の子供も跨っているところまでは到達している。

「もうファンのみなさんに乗ってもらって大丈夫なのかもしれません。ですが、一般の方は馬に乗った経験があるわけではない。万が一の事故がないように、もう少しだけ待っていてください」
 


馬房にて。胸前の筋肉が立派です

 
「でもね、天皇賞を勝ったような馬に小さな子供が跨がれる、そんなことって世界のどこでもできないですよ」
その日が私も楽しみなんです――数多くの乗馬を育てた“名伯楽”はそう続け、笑った。