日本最古の現役トンネル、戸塚区と保土ケ谷区をまたがった「清水谷戸(しみずやと)トンネル」について教えて!
ココがキニナル!
偶然ウィキペディアで日本最古の現役トンネルが保土ヶ谷区と戸塚区にあることを知りました。何度か近くを歩いたことがあった気がするのですが、調べてください。お願いします!(ホトリコさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
日本最古の現役トンネルは、保土ヶ谷区と戸塚区にまたがった形で通っている清水谷戸(しみずやと)トンネル。1887(明治20)年竣工
ライター:人見 静馬
反対側を求めて
どう行ったものか悩んでいると、一度通り過ぎた場所に地下道を発見する。トンネルに意識がいっていたため、気付かなかったのだ。
それが、この清水谷戸地下道。
線路下を潜る形
利用者は多いらしい
そこを抜けると、少し大きな道に出ることになる。
下って行く線路とは逆勾配の道
そこで線路を意識しつつ道なりにすすむと、環状2号線にブチ当る。この下に清水谷戸トンネルの出口がある。
環状2号線、歩道
この緑の下が線路のはず
いよいよ出口の確認である。構造上近くに寄ることはできなかった。だが、フェンス越しに見下ろすように目を向けると――
丁度電車が!
近めから見る迫力も良かったが、遠景を通過する電車も乙なものである。ちょっと「鉄っちゃん」と呼ばれる人たちの気持ちが分かった。
回答
写真は撮れた。しかし、肝心のJR東日本からの回答がなければ記事にはできない。が、待てども暮らせども返答が来ない。そろそろ催促の電話かと思い立ったその日、丁度回答が来た。
しかし、である。残念ながら、JR東日本から情報を得ることはできなかった。それはJR東日本の対応が悪かったとか非協力的であったとか、そういうことではない。むしろ、十分過ぎるほど協力をしていただいた。お時間を割いてくださって申し訳なく感じた程である。だが、どれだけ調べても資料が存在していないらしいのだ。古過ぎるのである。当たり前の話だが、当時の工事関係者でご存命の方もおられない。
よって筆者が考えていた「当時の工事に関わった人を知っているか」「当時の技術ならではの苦労話」「当時のお金でどれくらいかかったか」という疑問は、全て分らずじまいとなってしまった。
しかしながら、定期的に検査はしているため安全性に問題はない、とのご回答はいただいた。
問題なく使用されている
1887(明治20)年に完成して127年。それが安全性を保ったまま使用されているのだから、これは本当に凄いことである。トンネルを創り上げた人達は、まさか127年後も使われているとは思いもしなかっただろうか。それとも、それくらいは保つだろうと確信していたのだろうか。
取材を終えて
今回、情報は得ることができたが、お話をお聞きすることはできなかった。しかし、それがまた逆にトンネルの存在を際立たせることになったように思う。どれだけの苦労話であっても、それはやがて風化していくものである。しかし、その苦労によって造られたそれが残っているという事実が、生半可な作業でなかったことを物語っているのだ。
清水谷戸トンネルに限らず、トンネルというのは当時の技術で作られ、残されている。これは、ちょっとしたタイムカプセルといっても良いのではないだろうか。今度から電車に乗る時は、トンネルを意識してみることにしよう。
―終わり―
すぎさんさん
2017年05月07日 13時43分
写真をみると昔の貨物線の方のトンネルのようですね。通行量が少なかった分傷みも少なかったのではないでしょうか。50年前には今の東海道線の線路に横須賀線が一緒に走っていました。横須賀線と東海道線の線路が分離されたときに東戸塚駅ができました。走っていた貨物線は羽沢方面に線路ができて横浜駅にはいかなくなりました。新しい貨物線はこのトンネルのそばで合流していますね。保土ヶ谷駅が京浜地区の貨物のターミナル駅だったことを知る人は少なくなってきたと思います。
bubukaさん
2017年05月06日 17時46分
小学生の時、全面的な国鉄ストライキのとき徒歩でトンネルを抜けた友人がいたな。もちろんやっちゃいけないことだけど。
ひかりゼロさん
2014年09月30日 08時32分
現役の鉄道トンネルとしては、国内最古のものになります。これより古いものは、取り壊されたり、廃線で使用されていないものがあります。さすがに古すぎるので、JR東日本の中に多くの資料があるかどうかはわかりません。鉄道博物館や、図書館の郷土資料などにヒントがあるかもしれません。このあたりには古いものが多く、環状2号線からの写真に写る架線柱は、東海道線が電化されたときに作られた大正時代のもの。またトンネルの上の林は、大昔に鉄道林の試験を行っていた名残という話もあります。このあたりの建設史も調べられたら面白いかと思いました。余談ですが、素人目に新しい車両……、デビューから24年目のスーパービュー踊り子号で、このトンネルを通過する定期列車の車両では2番目に古くなってしまいました。(笑)