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今や伝説となったあの名店で修業した店主が白楽で営業する行列店「くり山」のつけ麺の味は?

ココがキニナル!

六角橋のピーコックの裏手にある白いのれんに「つけめん」とだけ書かれたお店があります。よく行列ができていますが入る勇気がないので見てきてください。(ふんわりハミングさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

池袋の名店「大勝軒」で4年に渡って修行したのち白楽に開いた「くり山」は、濃厚で深い味わいはもちろん、栗山さんの優しい人柄が魅力である

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ライター:永田 ミナミ

煮干醤油蕎麦を食す



そして、間もなくいい香りを漂わせて煮干醤油蕎麦のどんぶりが運ばれてきた。
 


香りだけでなく気品も漂う収まりのいいラーメンの具は海苔、味玉、メンマに
 

豚肉はバラ肉のチャーシューと
 

肩ロースの2種類が載っている
 

おお、何という香しさ、海が見えるようだ。それでいて魚臭さはまるでない
 

麺はストレート細麺
 

さて、持ち上げた麺の前にまずはスープを


海よ、俺の海よ、と若大将の歌声が広がる海の旨味感を追いかけるようにほんのりとした苦味が味に奥行きをあたえている。煮干特有のエグ味を抑えるために入れられているタマネギも功を奏し、食感にもアクセントを加えている。

煮干の魚は、以前はより苦味の強い「セグロイワシ」を使っていたが現在は苦味のやや少ない「シロクチイワシ」を使用しているという。ただ、季節や品質によって変化するので、両イワシを合わせ、配合を変えながら調整することがあるそうだ。
 


続いて麺を。お、細麺ながらも存在感のある食感で美味しい
 

あっさりというにはコクがあり、こってりというには軽やかな口当たり
 

麺、麺、スープ、麺、麺、スープ、具、とレンゲと箸はよどみなく動き続け
 

ふだんここまでたどり着くことはない境地に今日はたどり着けそうな気がした
 

スープ完飲。ああ、美味しかった


あっさりとこってりの間のちょうどいいスープ感と相性のよい細麺感、芳醇な煮干感、具の多彩さ、そしてスープも飲み干せてしまうぴったりなボリューム感。実に素敵なラーメンである。

スープを飲み干してしまうのがもったいない人には「追い玉(150円)」という魅力的な選択肢もある。追い玉は煮干油にからめた麺に刻みチャーシューとタマネギが添えられたもの。そのままでも食べられるが、残ったスープでつけめん風に楽しんだり替え玉としてスープに投入したりするなど楽しみ方はいろいろだ。

すっかり満足して緩んだ顔で「ごちそうさまでした、とても美味しかったです。後日今度はつけめんを食べに来ますね」と伝えると、栗山さんが「これ、ご自宅でどうぞ」と白い袋をすっと差し出してくれた。
 


こ、これはもしや、となかを覗いて満面の笑み
 

そう、お土産つけめん(2食箱入り1600円)である。栗山さんの優しさに触れ心はすっかりあつもり
 

さらにステッカーを渡すとサッと絶好の位置に貼ってくれる栗山さん
 

本当にもう何から何までありがとうございます


店を出たあとは胃袋も心もすっかり満足して帰宅したのだが、冷凍庫に入れたお土産つけめんのことを考えるたびに、その日は部屋で1人にやけていたのだった。



つくる楽しみを味わう



そして翌日の昼、お土産つけめんをつくってみた。箱の中には冷凍された麺と具材が入ったスープのパウチ、海苔と魚粉のほかに長ネギまで入っている至れり尽くせりなお土産具合。
 


箱のなかには丁寧な説明書が入っていて分かりやすい
 

スープを10~15分湯煎し、麺を9~12分茹で、刻んだネギと海苔をのせ完成
 

はりきって前日の夜に味玉も仕込んでしまうほど楽しみにしていた


自宅でこんなに美味しいつけめんが食べられるというのは、食器の不充分さがもたらす違和感とともに感動的だった。ふつふつと沸く鍋のなかの極太麺を箸で混ぜ躍らせ、茹で上がった麺をざるに開け冷水で締めるのも職人気分を味わえて楽しい。

そして、お土産つけめんもとても美味しかったが早く作りたてのつけめんも食べてみたい、この美味しさは「くり山」で食べてから書きたいと思ったのであった。