【横浜の名建築】日本を代表する威厳 神奈川県庁本庁舎
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第7回は、神奈川県庁本庁舎。重厚にしてモダン、どこか和の趣のあるこの建物は、内部にも日本の伝統的な美しさを備えていた。
ライター:吉澤 由美子
シンプルなライト様式ときらびやかな和の意匠
(続き)
室内には外壁とは違ったスクラッチタイル、釉薬(ゆうやく)をかけたやや光沢のあるものが貼られている。
内部のスクラッチタイルはちょっと「焼き豆腐」風
焼き豆腐のような柱の先に、ラーメン丼を連想させる模様が……
ドアやドアノブ、明り取りなどもそれぞれ少しずつ違っていて、見飽きない建物だ。
華やかなドアノブ。真鍮(しんちゅう)に時代がついて歴史を感じる
鍵のないタイプのノブ。こちらは使いこまれている
この建物には、いくつか繰り返し使われている意匠がある。宝相華(ほうそうげ)と呼ばれる花の意匠もそのひとつだ。
大理石の正面階段脇に、宝相華の球形照明
宝相華の球形照明は、旧帝国ホテルにあったフランク・ロイド・ライトのものが有名だが、もともとは宇治平等院鳳凰堂でも随所に見られる、和を代表する文様。
宝相華は、極楽に一年中咲くといわれる想像上の花
階段のグリルにも宝相華。これは屋上まですべてにほどこされている
正面入口の床タイルにある宝相華
4階には、儀式を行う場であった「正庁」正面壁に宝相華のタイル