【横浜の名建築】日本を代表する威厳 神奈川県庁本庁舎
ココがキニナル!
横浜にある数多くの名建築を詳しくレポートするこのシリーズ。第7回は、神奈川県庁本庁舎。重厚にしてモダン、どこか和の趣のあるこの建物は、内部にも日本の伝統的な美しさを備えていた。
ライター:吉澤 由美子
シンプルなライト様式ときらびやかな和の意匠
(続き)
室内の見どころは、創建時は貴賓室だった第三応接室、かつて県議会議場だった大会議室、そして現役の知事室だ。
まず最初に入ったのは、3階にある旧貴賓室。
旧貴賓室の天井にあるシャンデリアにも宝相華。よく見ると梁にも複雑な模様が彫り込まれている
日本的な格天井(ごうてんじょう)に金属の飾りがほどこされている。
奥に大理石の暖炉があるが、それ以外はかなり日本的なイメージでまとめられた部屋だ。
窓中心にある金属の飾りは、入口にあったシャンデリアの上の意匠と似たモチーフ
さりげなく置かれた衝立なども、色がさめているとはいえ繊細な織物が貼られている。
家具も荘厳なイメージに合うどっしりしたもの
同じ3階の正面階段の裏側に回ると、広々としたレトロな空間に出る。
かつての県議会議場だ。
議場はまるで、和風のオペラハウスのよう
細かな部分まで装飾されていて、きらびやかで豪華。かつてこんな場所で議会が行われていたのかと思うと隔世の感がある。
格天井のマス目ひとつひとつにも、装飾模様がある
最後に向かった知事室はやはり3階にあって、現役で使われている。
黒岩知事が執務している場所だ。
知事の机の後は、港が一望できる窓がある
旧貴賓室や旧議場に比べたら落ち着いた雰囲気だが、こちらもかなり日本的な内装だ。
梁に模様がほどこされ、柱には金属の装飾
この3つの場所は、毎月第3日曜日に一般公開されている。
取材を終えて
外見は重厚で荘厳な神奈川県庁本庁舎。
中に入って、旧貴賓室や旧議場の驚くほど豪華で手の込んだ内装に驚いた。
この豪華絢爛さは、横浜港が外交の要だった昭和初期、国を代表する場所として使われた場所だったことから生まれたもの。
そう思って眺めると、横浜が歩んできた歴史の重みも伝わってくる。
門、塔の上部、建物の上部角にある切れ込みの繰り返し
繰り返し使われる宝相華や切れ込み、矢印のモチーフなど、細かな意匠を探して歩くだけでも見ごたえのある建物だった。
―終わり―
神奈川県庁本庁舎 一般公開
知事室、第三応接室(旧貴賓室)、大会議場(旧議場)
日時:毎月第3日曜日 午前10時~午後4時
次回は、9月18日(日)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f300118/
※屋上と展示コーナー(6F)見学は、平日8:30~17:15であればいつでも見学可能
正面玄関ロビー(日本大通側)のエレベーターで6F
神奈川県庁本庁舎 問い合わせ先
総務局施設財産部庁舎管理課
231-8588
神奈川県横浜市中区日本大通1
045-210-2610
えみりさぱぱさん
2014年10月22日 10時56分
他の歴史的建造物も見てみたい(横浜3塔など)