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2015年2月の川崎市中学1年殺害事件で市が最終的にまとめた再発防止策とは?

ココがキニナル!

川崎市の男子中学1年が殺害された事件で、川崎市がまとめた再発防止のための最終報告の内容は?(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

長期欠席の傾向が見られた時点で理由を詳細に調査するなど、全庁横断的に対応。SNSの適正利用啓発や学校と家庭の連携も提言というも具体性に疑問

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ライター:はまれぽ編集部

組織的不備を改善



阿部課長は事件発生について「それぞれの部署が少しずつ(上村さんに関する)情報を持っていたが、共有がうまくいかなかった」と述べた。

最終報告書でも教育委員会について「学校が上村さんの状況を十分に把握できなかった」と言及。その上で「キャッチした子どものSOSは微弱だったとしても、関係機関がそれぞれの情報を重ねることで危機的状況を正確にとらえられる可能性があった」と指摘。この指摘を受け、川崎市は組織改編も視野に入れている。
 


各機関の連携が重要
 

具体的には中間報告で設置を明記していた、子どもの安全・安心に関する市長部局(市長権限で職務がダイレクトに行える部署)である「市民・こども局」と教育委員会のコーディネートを一元的に行う「部局横断的な連絡調整機能」を同局内の「こども本部」に設置する。
 


市長部局と教育委員会の垣根を超えて対応していく
 

名称は「(仮称)こども安全推進部会」とし、2015年9月の設置を目指す。設置後は、同推進部会が中心となって、再発防止策についての実行プランを策定。その進捗管理や職員研修の企画調整を行い、問題を抱えている子どもがいれば、市内各区の教育担当部署などと情報共有して、個別具体的に対応するとしている。
 


庁内ネットワークのイメージ
 

このほか、年度内に市と神奈川県警の間で連絡を密にする協定の締結を進めている。

協定が締結されれば、問題を抱えている子どもや非行少年の住所、氏名などの個人情報が共有できるため、非行や重大事案の未然防止につながる可能性がある。
 


県警とも情報を共有
 

川崎市は推進部会や協定の運用も含め、必要であれば2016年度に組織改編することを視野に入れているという。

関係機関が「できたであろうこと」と「なぜできなかったのか」に重点を置いて検証を進めてきた有識者の意見は別冊にまとめた。

そのなかで、横浜弁護士会所属の弁護士、影山秀人(かげやま・ひでひと)委員(横浜市中区)は「市は進捗を市民に分かりやすい形で伝え、市民とともに再発防止の取り組みをしていくべき」といった意見を述べている。
 


福田紀彦(ふくだ・のりひこ)市長含め、市民とともに再発防止を
 

また、「フリースペースたまりば」理事長で、「川崎市子ども夢パーク」所長の西野博之(にしの・ひろゆき)委員は「子どものSOSをキャッチできない鈍感な大人が事件を生み出す土壌を作る」と指摘し「子どもとかかわる大人は、子どもの居場所を作るために必要なまなざしがなければならない」とした。

ただ、報告書を受けて、市はどういう行動を取るのか、どのぐらいのスピード感を持って対応にあたるのかについて、阿部課長からは具体的な回答は得られなかった。



取材を終えて



最終報告書は3月の中間報告に有識者の意見や現場教員や児童らのアンケートを盛り込んだものとなった。

事件ごとに要因は違うため一概に評価するわけにはいかないが、個別具体的な内容になっているかと言われれば、一人の尊く、13歳という若い命と引き換えにまとめた報告書としては再発防止のために十分な効果があるという印象は受けなかった。
 


献花も撤去された現場(2015〈平成27〉年9月撮影)
 

最良の道は、このような事件が二度と起きないことではあるが、報告書の内容をどこまで生かすことができるのか。

川崎市の今後の取り組みに厳しい監視の目を向けていきたい。
 


上村さんの遺体が発見されたとされる場所には新たな命の芽吹きが
 


―終わり―
 

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  • 市民は関心を持っているということを市に意識させるためにも、この件をしっかり追跡取材して下さるはまれぽに感謝です。

  • 過去にも何度が起きたイジメが発端の事件。学校側の不備が問題視されているが、大人社会がイジメや競争に晒されている中で子供たちに良い環境が与えられるわけがない。マスコミに取り上げられると関係者がそろって平謝りしている感じで本当に反省しているか非常に疑わしい。ほとぼりが冷めたころにまた事件が繰り返されて、少しも解決の方向に進んでいるようにも見えない。お役所的、縦割り体質、全員無責任体制の教育機関に明るい未来は望めない。

  • メルマガを開ける暇がない状態でいた間にも、川崎市のことで気にしていました。組織的対応は、なかなか機動的に出来ないので大変でも、やるしかないです。仙台でも気の毒な中学生が居ました。信じられない教育当局の対応で、関係者も事件の報に接した人も、正直怒っています。

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